資料

  第七の絶滅期

セオドア・J・ドーソン(ヴィクトリア大学 環境学科名誉教授)



 多細胞生物誕生以降の大量絶滅はいくつか起きているが、なかでも有名なのはビッグファイブと呼ばれる以下の時期における五つの大絶滅だ。


 オルドビス紀末(四億四〇〇〇万年前)

 デボン紀後期 (三億七〇〇〇万年前)

 ペルム紀末  (二億五〇〇〇万年前)

 トリアス紀末 (二億二〇〇〇万年前)

 白亜紀末   (六五〇〇万年前)


 これらとは別に、原生代にも大規模な絶滅があったことが判明してきている。また、古生物学者デイビッド・ラウプとジョン・セプコスキーは、過去二億五〇〇〇万年の間にもたらされた大量絶滅が、二万六〇〇〇年周期で十二回起きているとの研究結果を発表した。

 この要因を解明するために、彗星を地球に周期的に降らせる天体の運行があるとか、地球の中心核の変化によって定期的に大噴火が頻発するという仮説が立てられたが、いずれも確たる証拠はない。

 ならばなぜ、このような規則的な絶滅が発生するのだろうか。まるでそれは、生命を絶滅させんとするなんらかの意志がもたらしているようだ。

 多くの生物学者は、現在もある種の大量絶滅の時期にあると捉えているという。ビッグファイブに先の原生代における事例も含めれば、さながら第七の絶滅といったところだろうか。

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