バリアフリーな心折設計


 さてモンハンドスというゲーム、したことがある方はどれ程いるのであろうか?


 実はこのゲーム、モンハンのナンバリングタイトルの中ではかなり異色を放っている作品だ。


 世界観はとても私好みだ。いわゆる夏シーズンは、暑すぎるからという理由で砂漠へのクエストが禁じられたり、逆に冬シーズンならば雪が凄すぎて雪山には入れない……など妙なリアルさがあった。


 よく言えば現実的、悪く言えば面倒くさい。そんな仕様だ。


 そしてこの作品を語る上、もうひとつの特徴がある。


 それは雑魚、ボス級問わず理不尽なまでの強さを持つということだ。


 私の記憶が正しければ、雑魚はやたら固いくせにすぐにリスポーンしてくる。それだけならばまだかわいいほうだ。奴らはどんなにマップの端にいようともこちらを捕捉し襲いかかる。


 さらに驚くべきはその攻撃性。最近のモンハンに比べるとその暴れっぷりは10倍はかたい。とにかくプレイヤーを殺すという意思が全てのモンスターから感じられた。


 ヤオザミというモンスターはご存知だろうか? デカいヤドカリのような愛らしい奴だ。


 しかしこの作品においては生物兵器か何かと疑わざるを得ないほど凶悪な殺人蟹だ。


 初期のステージではよく地面に潜ってプレイヤーが通りかかるのを待っているのだが、うっかりその上を通ると初期装備ならば体力の8割近いダメージを叩き出してくるのだ。


 少し手負いの状態ならばもれなくキャンプ送りだ。


 それだけではない。奴らの本当の恐ろしさはその速さだ。


 あの蟹は中々の頻度でキチガイのような速度でカニ歩きを行い、プレイヤーに一撃をお見舞いしてゆく。


 はっきり言おう。私は体力フルの状態でタイマンした挙句敗北した。


 使っていた武器がライトボウガンで、アクションゲーム初心者だとしてもだ、雑魚が持ってよい強さではなかった。


 そして倒しても所詮は雑魚モンスター。苦労に見合うだけの報酬などない。煮ても焼いても食えないとは、まさにこのことだろう。



 しかし、これらはまだまだ序章に過ぎなかった。本当の地獄はここから始まる。







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