第10話 バレンタイン DE ゴッド

パシーン、パシーンと小気味いい音が流れた。


ゼウス「いってぇ…何すんだハーデス、いきなりぶっ叩くとは!!」


ポセイドン「おおう、中々に響いたぜぇ…」


ハーデス「おまえらのことだ。バレンタインだからチョコの為にウザイことをすると

思ったので先払い的にはっ倒しておいた。」


ポセイドン「それは流石に酷くない!?」


ゼウス「そうだ、そうだ!おまえは俺らのことそう見えるのか?思ってるのか!?」


ハーデス「ああ」


アテナ「はい」


アマテラス「思いますね」


ヘル「ゼウス神とポセイドン神、そんな話多いよね」


ヘラ『貴方、今度帰ってきたら覚悟しておいてください』(とメールが以降も怒涛の如く届く)


色々な神のツッコミを総出で受けて凹むポセイドンとゼウス(特にゼウスは恐怖も混ざっていたが)。

やれやれ…とため息を付きながらハーデスは自分のスマホにメールの通知に気づく。


ハーデス(冥府からのメールか?しかし仕事は特に問題はなかったはず…うん?)


メールの主と内容にハーデスはしばし沈黙していた。

それに気づいたゼウスとポセイドンはハーデスの側に気づく。


ゼウス「お、どうしたどうしたハーデスくぅん。何かミスでもしたのかね?」


ポセイドン「うーん?真面目な兄弟にしては何かトラブルでもやらかしたのかーい?」


意地悪様な感じでハーデスのスマホを左右から見やる2柱であった。

が、すぐにその表情を変えるのであった。


ポセイドン「あ…」


ゼウス「お…」


ハーデス「…」


メールの主はペルセポネ、ハーデスの妻である。

内容はバレンタインにチョコを渡したいので無理がなければ帰ってきて欲しいという内容だった。


ハーデス「…すまないが出かけてくる」


ゼウス「あいよ。とりあえずはゆっくりしてこい」


ポセイドン「土産はイチャイチャ話で頼むぜ」


ポセイドンの言葉にハーデスは苦笑しながら「わかった」といい、仕度を行い、家を出るのであった。


それを見届けた2柱はいそいそと炬燵へと入っていく。


ゼウス「偶には水入らずということもしてやらんとな」


ポセイドン「そうだねーせっかくのバレンタインだしなー」


ゼウス「あーあんな甘酸っぱいラブラブなイベントやりたいモンだよ~」


ヘラ『あ・な・た♪』


ヘラ神のメールという名の圧力にビクつくゼウス神お余所に

アテネとアマテラスとヘルはチョコレート関連のお菓子作りに夢中となっていた。

神様もまたバレンタインを思い思いに楽しんでいるのであった。


ゼウス「俺のはなんか違くね!?」


オーディン「自業自得だろ」

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