第3話 神様も笑いを求める

・Ⅰ.


ゼウス「あー、世間的に仕方ないとはいえ、退屈だー・・・」


開口一番にそう言うとゼウスは床に大の字へとなって寝転がる。


ハーデス「おまえの巨体で寝転がると邪魔だ。どけ」


ゼウス「だってしょうがないだろーどこもかしこも自粛やらでイベントが軒並み禁止じゃー」


ポセイドン「そーそー、刺激がないんだから腐っちゃうよー」


ハーデス「ポセイドン、それヘル(北欧神話のロキの娘)の前で言うの禁止だからな」


神様二人が退屈さをアピールしていることにハーデスは若干呆れた口調と

ため息をつく


ゼウス「というか大体、神のであるオレたちは別に付き合わなくてもいいんけどよぉ」


ポセイドン「だよなーウィルスも基本多分オレらには効かないだろうしさー」


ハーデス「自分らがキャリアーになったら元も子もないだろ・・・」


アスクレピオスから一言:『掛からない妙な自信を持つな。バラ撒くヤツは論外だ。首根っこ掴んででも隔離治療しろ』


ポセイドン「あと今外は必要以外じゃ外出ダメらしいせいかオネーサン方の姿が

軒並み減ってしまったのが」


ハーデス「猛威を振るっている現状じゃあ収束するまでガールズハントは無理だろ」


ハーデスの言葉を受けて更にジタバタする二人。そこへポセイドンがふと閃く。


ポセイドン「そうだ、明日エイプリルフールじゃん」


ゼウス「それがどうした?」


ポセイドン「アポロンとかの力でポポンとさあウィルスやっつけちゃえばそれで万事解決じゃね?」


ゼウス「おお、名案だ!!」


ハーデス「どこがだ大バカ!!」


二人を盛大にハリセンでドつく。


ゼウス「なんだよー名案じゃないかー」


ハーデス「おまえら、この前(第2話参照)自分で言ったことを忘れたか!あと今の時代に神が介入するのは

【神話連合協定】で禁止されているのを忘れたのか!!」


【神話連合協定】:一部の神話体系を除き、ほとんどの神話体系が所属している連合。年に1回会合有


ハーデス「大体、エイプリルフールは嘘をつく日。そんな日に大それたことをやるなど炎上確定だぞ」


ポセイドン「いい案だと思ったんだが・・・」


ハーデス「大体忘れがちだがエイプリルフールで嘘を言って良いのは午前中(11時59分)までだぞ?」


ゼウス「そうなの!?」ポセイドン「知らなかった・・・」


ハーデス「誤解している人間も多いがな・・・午後は嘘であることを自白するんだよ」


ポセイドン「じゃあ午前中に俺は『長髪の爆乳美女』だと嘘をついたら、そのことを白状しないといけないのか!?」


ゼウス「じゃあ『妻が怖くて地上に逃げてきた神様です』と言ってのもそれは嘘と認識されたらダメなのか!?」


ハーデス「ポセイドンのはそうだがゼウス、おまえのは半分は自業自得だろ」


バッサリと切り捨てるハーデスにゼウスはいじけて体育座りするのだった。


・Ⅱ.


ハーデス「そんなに退屈ならオンラインゲームでもやってればいいじゃないか。

アマテラス達とやってるんだろ?」


ゼウス「いやそれがさ。アマテラスちゃん、今アニフォレにハマっちゃってさ・・・」


【アニフォレ】:アニマルフォレストの略。元ネタはお察しください


ポセイドン「FPSとかで最近マッチしてくれないんだよ・・・(泣)」


ゴツい二人の号泣っぷりは字面でも中々辛い


ハーデス「おまえらもやればいいじゃん」


ゼウス「ゲームの中でもスローライフはなぁ・・・」


ポセイドン「流石に憚られるというか、ねぇ・・・」


ハーデス「おまえらの判断基準がよくわからん・・・」


そう言いながらハーデスはキッチンの方へと足を向ける


ゼウス「何か作るのか?」


ハーデス「どうせこのまま退屈しているならケーキでも焼こうと思ってたな。

フォロワーからレシピを教えて貰ったんだ」


ポセイドン「フォロワーってハーデス。一体何やってるんだ?」


しばし一考の元、ハーデスはこう答えた


ハーデス「秘密だ♪」


色々と鬱屈しているからこそユーモラスやポジティブは大事であることを忘れてはならないのだ


ハーデス「・・・だっふんだ」


そうハーデスはとあるコメディアンへの想いを心中で伝え、ケーキ作りに勤しむ

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