島村に犯られる(未遂)

ユグドラシルに来て、少し落ち着いた俺たちは互いの情報交換を行った


 俺はアルナロックとエルアラメインの試練のダンジョン、南はエル・アラメイン


 島村達はアルデンヌの試練のダンジョン、百瀬はのベルリンのダンジョンを攻略していた


 魔族や魔法、剣技とエーテルに関する情報は皆、共通だった


 しかし、島村達の攻略したダンジョンは魔法使いのもので、問題が発生した


 島村と林は主に剣で戦う。だが、剣職のダンジョンを攻略した百瀬に歯が立たなかった


 百瀬は俺と同様武技シュバリエアーツを使う


 その為、シュバリエアーツ発動時はおろか、そうでない時も百瀬に勝てなかった


 俺も百瀬も体にエーテルを感じ、使いこなし始めている


 しかし、シュバリエアーツを習得していない島村達には感覚的な理解が出来ず、成長が遅れていた


 そこで、百瀬から島村、林への講義が企画されたが、百瀬が島村への講義に難色を示した


 彼女曰く


『畏れ多い』


同感だ。実は俺も島村に対して同様な思いがある


 だが、百瀬に島村へのレクチャーを押し付けられてしまった


 百瀬は代わりに林と西野へのレクチャーを約束した


 西野はレンジャーだが、いざという時の為に学ぶ事になった


 一方、俺は島村と泉へのレクチャーを行う事になった


 泉は魔法使い、ウォーロックのスキルを持つ、魔法についてはかなりの腕前だ


 南同様、メテオストライクを発動可能だ


 だが、剣技も覚える必要があった。いつ魔物の接近を許すかは、わからない


 冒険者となった俺と南にはよくわかった


 それで泉にも近接戦闘を学んでもらう事になった


 今日は先ず、島村のレクチャーからだ。先ずは座学からだ


『コン・コン』


俺は島村の部屋のドアをノックした


 今日から島村へのレクチャーだ


 何故か凄く緊張する


 島村、整った顔立ち、頭脳明晰、そして運動神経抜群のクラスカーストのトップ


 その島村に俺が物事を教える。いやが上にも緊張する


 俺ごときがいいのだろうか?


 という思いがある。実のところ、同じクラスメイトカースト女子トップの南とは幼馴染とはいえ、


 対等に話せるが、それは幼馴染上の事もあり、南がもし、俺に上から目線で来たら、


 正直、俺はしゅんとして黙って従っていただろう


 自分でも、南と対等に話せるのが、不思議なのだ


「高野、どうした?」


俺はうっかり南の事を思い、ボーとしてしまった


「ご、ごめん。今から始めるね」


「ああ、頼むよ」


俺は剣技や体術の基礎理論を教えた。自身が感じた事を言葉で伝えた


 全ては、体にエーテルを感じ、外ではなく、体の中へエーテルを取り込む事


 そして、エーテルへ指示を出す。だが、魔法と異なる点がある


 それは速度、魔法にはエーテルへ指示を出す時間的な余裕がある


 しかし、剣技や体術にはそれはない。ではどうすればいいか?


 それは無詠唱魔法や簡易詠唱魔法と同じだ


 100%の伝達より、早く伝達する事、それが重要だった


 もちろん、訓練の時はゆっくりエーテルへ指示を出す様にした方がいい


 そしてそれを瞬時に行えるまで、反服練習する


 俺もいくつかの技は一瞬で発動できる。よく使う技は最初はじっくり練習


 そして、瞬時に発動できる様にする


 そんな説明をした


 島村の近くに顔を寄せる。髪が邪魔くさい


 俺は髪をかき上げた


 髪がふわりと島村に降りかかった


「あ、ごめん」


俺は思わず島村に謝った


 島村が顔をあげる


『!』


ち、近い、近すぎる


 島村とびっくりする顔が近かった


 そして、島村がいきなりキスしてきた


「ああああああああああああああああああ」


俺は手をバタバタさせた、そして島村を突き飛ばして俺は大声をあげた


「し、島村!


 お前ひどいぞ!」


「ご、ごめん。我慢できなくて、君があんまり綺麗だから」


俺は何故だか恥ずかしくなった


「いや、俺、男だから」


「どう見ても女の子だよ。それも超俺好み」


「いや、俺、南と付き合ってるんだからね」


「いっそ女の子として生きた方がいい様に思えるんだけど」


「それじゃ、南と結婚できないだろ」


「まあ、そうだったな。ごめん、俺、魔がさした」


島村は屈託の無い笑顔でそう言った


 何故か島村に悪意が起きなかった


 正直、他の奴だったら、大騒ぎしてみんなの前に引き出す


 でも、普段の島村の言動や行動はとても優しく、


 配慮があるものだった


 自分に言い聞かせる


 いや、決して俺は女として島村を意識した訳ではない


 島村は男の俺にとっても憧れなのだ


 大丈夫だよな?


 俺?

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