第3階層リッチ

ダンジョンの地下2階層を攻略した俺は地下第3階層を目指した


 3階層の偵察は終わっていた


 3階層はいよいよ物理攻撃が効きにくい魔物が増えてきた


 基本スケルトンが主だが、ところどころにバンパイアがいる


 休息の間の前のボスはリッチだった


 スケルトン、バンパイア、アンデッドの魔物


 倒すのはそれ程難しくは無い魔物だ


 昨日のキラーラビットと違って銃撃を当てやすい


 面白い様に倒せた


『瞬』


『瞬歩』で有利な位置に移動すると俺は射撃を開始した


 ダンジョンに銃声が轟く


 胸に2発、頭に1発とセオリー通りだ


「快感」


思わず口走る


 この階にはスケルトンとバンパイアばかりだった


 少々、数が多いので大変だったが、キラーラビットの時ほど疲労感は無い


 魔力のこもった弾丸がしっかり効いている。面白い様に倒せた


「銃が使えない環境ってあるのだろうか?


 音はどうする?


 音で魔物を呼び寄せてしまう環境になったら?


 弾丸を節約したい時は?


 考えて無かった。次の部屋では短剣で戦おう」


自問自答


 俺は短剣でバンパイアと戦った


 銃に比べると、苦戦したがなんとか勝てた


 俺はすっかり短剣の扱いが上手くなった


「この3階層最後の魔物......」


『リッチ』。元はプリーストか魔法使いが魔法でアンデッドになった奴


「物理攻撃は効かないな」


自分にいい聞かせる


 俺がリッチの部屋に入ると、いた、リッチ


 リッチはゆっくりとこちらを向くといきなり呪文を詠唱し始めた


「行くぞ!」


俺は自分を叱咤した


 先ずは先制の銃撃を喰らわす


 6連射の銃撃の轟音


!!!


 あまり効いてない


「リッチの魔力障壁硬い!」


そしてリッチの呪文が来た


『アローレイン』


リッチの水属性の呪文が来る


 俺のフレアアローの様な単体攻撃魔法では無く、範囲攻撃魔法だ


『瞬』


『瞬歩』で移動し、『跳躍』


 しかし、


「く!」


リッチのアローレインの1本が俺に向かってくる


「やっ!」


俺は『空間跳躍』で空中で軌道を変える


 かろうじてかわす


「どうする?」


って、イービルアイと同じだ。先ずは魔力障壁を引っ剥がす


 俺は引き続き銃弾をリッチに撃ち込んだ


 途中、リッチの攻撃魔法に2回程邪魔されたが、俺の攻撃はかなり効いている


 リッチは呪文を唱えられなくなった


『フレアアロー』


魔力障壁がなくなったところに魔法を叩き込んだ


「駄目だ!」


リッチにフレアアローは効かなかった


「何故だ?」


俺は混乱したが、1つ思いついた事があった


 フレアアローが効かない理由は分から無いが効きそうな攻撃手段がある


 俺は一度リッチから跳び逃げたが、再びリッチの直前に現れた


 リッチは瘴気を纏う。接近戦は最小限にする必要がある


 銃弾を浴びせる、リッチが呻く、


 そこへ俺は倉庫から出したエリクシールをリッチにぶっかけた


『グ、グァー』


リッチが人外の叫びを声をあげる


 効果はてきめんだった。リッチはあっという間に消えていった


「......なるほど、座学で聞いた


 対アンデッド用の聖水はポーションやエリクシールと基本同じものだ」


俺、だいぶ戦い慣れてきたな


 俺は帰れるかもしれないと思い始めて来た


「必ず帰る」


俺はいつものように魔法陣に入った


 この魔法陣では3つの魔法を覚えた


 魔導書グリモアでだ


 『アローレイン』、『ハイヒール』、『ホーリー』を唱えらる様になった


 その後、休息の間で俺は疲れを癒した


「それにしても、何故リッチにフレアアローが効か無かったんだろうかな?」


普通、アンデッドには火属性魔法は鉄板の筈なのに


 そういえば、あのリッチ、明らかに元プリーストだな


 水の攻撃魔法使ってたし、ご褒美の『ヒール』や『ホーリー』も水属性だ


 プリーストって水属性の魔法が得意な人が多い訳だから、


 彼も水属性の魔法のスキル持ちだったのか......


 火属性は水属性に弱い、


 逆に、火属性の攻撃は水属性の魔物にはあまり効果無い......という事か


「アンデッドなのに......」


リッチは100%霊体だから、火が特効と思った事自体が間違いだったか


 そういえば、スケルトンには魔力銃弾凄い効果あったけど、バンパイアには無かったな


 俺が込めた魔力はフレアアローと同じ火属性のものだった。


 多分、バンパイアには魔力しか効果が無かったんだ


 スケルトンは魔力障壁がないから効果が大きいという事か......


「そうか!


 そういえば、俺、魔力弾、水の魔力も込められる様になったって事か?」


 そうだ、今までは火属性の攻撃魔法しかイメージできなかった


 使えない属性の攻撃魔法の魔力はイメージ出来無くて実際無理だ


 それに水属性攻撃魔法だけじゃ無くて、アンデッド特効のホーリー弾も作れる!


「これで土と風属性の魔力が込められれば。全属性に対応出来るんだけどな」


俺は思わず呟いた


「仲間がいればな......」


俺にはないもの、無縁なもの


「俺だって好きで一人な訳じゃない......」


俺は思わず呟いた......


☆☆☆


そういえば、俺レベルアップしたんじゃ無いかな?


 あれだけたくさんの魔物を倒したんだから多分


 俺はステータスウィンドウを見た


 ステータスウィンドウはスキルがある人間にのみに見る事が可能


 そうゲームのステータスとか確認するやつだ


 敏捷性と魔力が凄い上がってる。レベルは25


「これだと、俺、フレアアロー50回射ってもマインドダウンしないかも!」


俺、強くなったな......


こうして3日目が終わった。俺は疲れ果ててぐっすり眠った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る