赤ずきんちゃんの恋

はな

5月16日の赤ずきんちゃん

赤ずきんちゃんが居ました。

赤ずきんちゃんは、可愛くて賢い女の子でした。


その日、赤ずきんちゃんが出会ったのは狼さんでした。

赤ずきんちゃんは、なんて大きくて強そうなんだろうと思いました。でも、目がとっても優しそうな狼さんだったので、お話してみることにしました。


狼さんは、赤ずきんちゃんを見て笑うと、目をキラキラさせて話を始めました。

森の秘密の広場のこと、季節の彩りのこと、花や樹の匂いのこと。

それはどれも、赤ずきんちゃんには未知の世界の話です。赤ずきんちゃんは、すっかり聞き入ってしまいました。


しかもこの狼さんは、森に住んでいるのに海が好きで良く観に行くと言いました。赤ずきんちゃんも海は大好きなので、とても嬉しくなりました。

それに、狼さんは人間の世界をようく観察しているのでした。赤ずきんちゃんの知らないことも、なんでも知っています。

なんて面白い狼さんなんでしょう。赤ずきんちゃんは、この狼さんがとても気に入ってしまいました。


しかし、残念なことに赤ずきんちゃんがお家に帰る時間になってしまいました。早く帰らないと、ママがとっても心配します。

もっとお話していたかったのですが、仕方がありません。赤ずきんちゃんは、ママを心配させるような悪い子ではなかったのです。


また遊ぼうね。そう約束をして、赤ずきんちゃんは狼さんと別れました。


帰り道、赤ずきんちゃんはわくわくした気持ちでいっぱいでした。狼さんってあんなに面白いなんて知らなかったわ。赤ずきんちゃんは、頬を紅潮させて思ったのでした。


おしまい。


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