【癒着】電通隠し【ピンハネ】

 持続化給付金の『中抜き』を巡る疑惑で、電通が批判に晒されている。


 政府との癒着や、巨額のピンハネも問題であるが、それ以上に問題なのが、電通が広告代理店であるということである。


 事態は恐らく、一般的に考えられているより深刻であろう。


 これがバブル時代であれば、『電通凄いね、流石だね』で済んだかもしれない。

 しかし、現在の日本では、格差が広がり、庶民は貧しくなるばかりだ。

 お金、特に税金の無駄遣いといった話題には、敏感に反応する。

 この点を電通が、恐らく全く理解していないであろうということが問題なのである。時代は完全に変わってしまったのだ。一般大衆のリアルな心情を理解出来ずに、正確なマーケティングなど出来る訳がない。最早、広告代理店としての資質が問われていると言ってもいい。


 そもそも、自社の悪評も払拭出来ない広告代理店に、広告の依頼をしたいという奇特なクライアントがどれだけいるだろうか。


 彼ら自身が、ブラック労働を正しいことだと信じているとすると、何ら有効な対策も打てず、社内改革もおぼつかないのも致し方ない。

 これでは大衆との溝が、益々深まるばかりである。


 バブル時代の電通は、何というか、輝いていた。CMにはクリエイティビティが漲り、何か新しいもの、時代を創り出しているというパワーがあった。


 今はどうかというと、CMでは商品名と、使い古された宣伝文句を多用した、凡庸なものばかり、ネット世論はコントロール不能、ネット広告での挽回は、最早不可能であろう。


 大体、グーグルがプログラム一つで、フィーバータイムのスロットの如くに、世界中のブラウザから広告料をエンドレスで稼ぎ出しているというのに、それに対抗するのが、女性新入社員に月百時間残業を強制させるって、そりゃ敗けるに決まってるよね。


 政府との癒着で巨額の利益を貪るだけで、時代の変化に付いていけず、クリエイティビティを失った電通が、果たして電通と言えるのかどうか。

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