第6話ジャヴェル村編 村長さんに会う②

俺の右眼と同じなのか?自分自身では右眼を確認出来てないからよくわからんが。

唖然としいるとメグが間に入ってきた。


「先日言った龍神族の生き残りじゃ。妾はこやつの父君に仕えておった。因みにこれは他言無用だ。この村でも数人しか知らん事じゃからな。」


「わ、わかりました。そいえば、まだ自分の右眼を確認した事ないんで鏡がなんかありますか?どうなってるのか見たいです。」


俺はひとまず、鏡を待つ間に今の状況を頭で整理しようとしていた。

ラゴルドさんはさっきまでは普通の眼だったのに、急にかえれる。俺と眼は同じ感じだろうが違う気がする。それよりも、そんなことよりも気になるのがメグの年齢。9歳か10歳くらいだよね!?どう見ても子供だよね!?最近の話なのか?そんな気はしない。状況が不透明すぎる。


「まあ、いろいろわからないことが多いだろうから、ゆっくり説明はするから安心しなさい。チルト!鏡を彼に。」


ありすぎでしょ!!と鏡を受け取り、心でツッコミながら初めての自分の顔とご対面する。やたら、ドキドキした。マリカは男前と言ってたし、…大丈夫。期待しよう。恐る恐る鏡を見る。

おー!!なかなかイケメンだろ!顔怖い気もするけど。まだ子供だからわからん。綺麗な銀髪に眠たそうな目。何考えてるか分からないようなキャラ?かな。よく言えば天然キャラにいそうな感じで、成長しても幼ささえ残れば弟キャラ的なお姉さん方にウケが良さそうだ!!前向きにいこう!!!


「これっ!!自分の顔も見るのも初めてか!!?いつまで観察しとる気じゃ?さっさと自分の眼と比較してみろ!」


「は!?そりゃ、そうだ。失礼。初めて見る顔に自分のとは思えなくて。結構もてそう!」


メグに言われ、本来の目的を再確認され…たがついつい本音が漏れた。


「はぁー。こんな奴を敵かと警戒してたのがアホらしく感じてきたぞ。さっさと見ろ!!」


軽くどつかれ、改めて比べる。黄色い瞳に真ん中に龍みたいな縦線が入っており、カッコいいー!!左眼は青がかった灰色だ。んー中々良いじゃん。……おっと脱線。メグに軽く睨まれる。ラゴルドさんは優しく笑いかけてくれている。決して呆れてる訳では無いと思う。


さあ、改めてラゴルドさんの眼と同じ感じだ。やはり少し発光している。どういう仕組みなんだろう?それよりも、俺の眼は魔法陣?的な模様が薄ら入っている。これはなんだ?


「気づいたかな?君の眼には隠蔽系の魔法陣が組み込まれている。眼帯の表側の魔法陣と見比べてみたらわかるよ。」


言われた通り鏡を見ながら比べてみる。………いや、他の魔法陣を見たことないからわからないんだけど。似てるような気はする。


「何を隠す為かはわからないが、解除は私ができる。記憶が戻るかもしれない。やるかい?」


ん?んー、どうしよう。俺の人格消えないかな?変に影響あるのも事実嫌だしな。ただここで断るのも変に疑われるだろうし。

迷いに迷い、ここを追い出されたら生きていくのも無理があると思い決断した。


「はい。お願いします。そしたら、周りにいる人達も中に入れた方がいいですよ。」


「ん!?そうか。君はもう使えるのだったな。大したものだ。それよりもいいのかい?」


「はい。僕が暴れるかもしれませんし、戦争時です。致し方ないかと。少しの間ですがせっかく知り合った人達が困るのも嫌なんで。」


内心。俺ならそれでも逃げれる気がする。だったら少しでもこの村に迷惑をかけないようにしたかったのだ。


「そうか。物わかりが良くて助かるよ。まるでメグがもう1人いる感じで変な感じだな。君が君のままである事を祈ってるよ。」


「はい。僕もそう願います。」


ラゴルドさんが片手をあげると、部屋に数人の大人と子供が入ってきた。あれ?1人足らないぞ?


「では、いくぞ。」


ラゴルドさんは気にもせずに始めた。俺の顔を覆うように手を出されたから、つい目をつむってしまった。何も言わないから大丈夫なのだろう。すると目蓋の向こうが青白く光り始めた。だんだん強くなっていく。目蓋越しなのにめちゃくちゃ眩しい。顔を背けないように堪える。まだかー!!

もうしばらく耐えてたら、光が止んだ。終わったようだ。ゆっくり目を開く。しばらく目がちゃんと開けられない。それにしても俺の人格に何も影響ないな。


やっと目を見開き周りの反応をみる。ラゴルドさんとメグが目を見開いて驚いている。他の人達はラゴルドさんとメグの反応に困惑している。

なんだ?この状況。何をそんなに驚いてるんだ?もしかして、顔がかわっちまったのか!?いつのまにかメグに取られていた手鏡を奪い取り、顔を確認する。大丈夫だ。ホッとするも、右眼の色がどえらい色に変わっている。濃い血の色と言えばいいのか、赤みがかった黒い光をだしている。禍々しい。


「お主はその眼より先に顔を確認したじゃろ?まったく顔は良いのに残念だのう。」


「そっ、そんな事ないよ!それよりも何この眼?ヤバイでしょう?どう見ても危険な感じしかしないんだけど。」


あー、早くも今世でも同じことを言われたー。生前は「顔はそこまで悪くないのに」だったが、また言われてしまった。誰もいなかったらうなだれたい。


そんな2人のやりとりを見ていたラゴルドさんが深いため息をはいた。みながラゴルドさんを見る。


「記憶は戻らなかったらしいね。何よりかな。君には悪いが君でなかったら私達は協力出来なくなっていただろうから。メグ、ギャルス、バウロ、キリリ、チルトはここに残り、他は戻っていい。チルト、防音の結界をはってくれ。因みにレイ君の瞳の色のことはけっして誰にも言わないように頼むよ。殺したくないからね。」


出ていくもの達に対して和かに行っている。怖い。

出て行った後、チルトさんが何やら唱え始めた。終わると部屋全体に紫色した膜で覆われた。その間に眼帯をはめておく。疲れた。


「さて、これからする話は多言無用。漏れれば、私だけならまだしも、この村全体が他種族、他国の敵と認定され滅ぼされるからそのつもりで。」


和かに行ってはいるのだが、さっきから言ってる事がこわい。


「少し前までは我が一族しか龍神族はいなかったが、昔は我が一族以外にも他族がいくつかあった。ヒト族によって滅ぼされたが、その中のブシュタリュ族という一族が君の出身だろう。その眼を持っていたのはブシュタリュ族だけだったからな。ただ彼らは基本黒い髪をしていたから、君は他種族とのハーフだろう。両目ではないから王族でもないと思う。ただ王族でもハーフの場合はあり得る話ではあるから違うとは言い難いが。今後調べては見るつもりだ。」


ハーフ!?俺ハーフなの!?


「問題なのは、そのブシュタリュ族のことなんだが、まず龍神族がなぜ滅ぼされたか?そこはさらに昔、1,000年前の話だが当時、ヒト族、エルフ族、龍神族が力を持っていた中で龍人族の魔華帝国が最も力が強かった。そして皇帝である龍帝は誰よりも強かったらしい。

そこで、ヒト族とエルフ族は同盟を結び、帝国を滅亡させた。その500年後、エルフ族の当時の長が再び龍帝が復活すると予言をした。ヒト族はあろうことか長を殺し、予言を隠してしまった。エルフ族では復活する事まで長からきいていた者がいたから伝え継がれたものを私は教えてもらえた。そしてヒト族は先手をうって龍神族全滅を企んだんだ。

そして今に至るわけだが、龍帝の末裔がブシュタリュ族の王族なんだ。王族でなくても、血筋はいる可能性はある。そしてレイ君の眼と龍帝は同じ色をしていたと伝えられている。レイ君も実際には王族でなくても、血筋は王族で間違いはない。そしてこのことはエルフ族にも、ヒト族にも知られるのはとても危険だ。」


まるで現実味を感じれない。俺が龍帝?の末裔。

イヤイヤイヤイヤめんどくさいよ。


「大丈夫だ。私も協力はする。先ずはその眼を隠そうか。」


ラゴルドさんに眼を瞑るよう言われた。今度は目蓋を触るようにして、紫色の光が光っていきまた、だんだん眩しくなっていく。…ツライ。


解除より長くなると言って2回に分けて隠蔽に模様消しの魔法陣も組み込んでくれたらしい。眼に模様はうかばなくなるそうだ。

作業が終わり再度、みながラゴルドさんを見る。


「さて、改めて紹介をする。後ろにいるのが、ギャルスだ。」


誰?さっきまでいなかったぞ?

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