サイファーシグナル

2085年10月10日

私から私へ。

(必読)

新聞の日付を確認すること。

鏡を見ること。

私の記憶は壊れているみたいだ。

記憶障害。

専門的には解離性健忘（かいりせいけんぼう）と言うらしいが、

それとも少し違う気がする。

とにかく今日から私は１日の出来事を、

詳細にここに書き残す事にする。

今朝目覚めた私は、見知らぬ部屋にいた。

状況がわからず、見知らぬ部屋を探索する。

そして鏡の前で自分の顔を見て驚く。

私は男性だった筈（はず）なのに、そこに映っていた姿は女性、

と言うのは冗談（じょうだん）で安心して私は女性だ。

鏡に映っているのも女性、

ただその姿は２６歳前後、私の記憶にある私は１６歳。

この日記を見てる私のが、

もっと記憶を失って、

１０歳くらいになってない事を願う。

とにかく私は気がつけば１０年歳をとっていた。

次に目覚めた時に４０歳になってなければいいのだが。

とにかくそこで私は、

その日の日付を新聞で確（たし）かめた。

私の記憶には新聞をとっている記憶がないのだが、

とにかく記憶にない私は新聞を取り出したらしい。

その日の日付は２０８５年１０月１０日。

私の記憶から１０年はたっている。

季節も私の記憶では冬だったのだが、

秋になっている。

まるで時間を逆行してる見たいで不思議だが、

実際には時間はタイムスリップではなく進んでいる。

タイムアヴァンツとでも言うのか。

とにかく新聞はドアのポストに入っているから、

確かめて欲しい。

忘れず鏡も。

　 ─１─