広司くんは今日もラブコメを絶賛満喫中である

明武士

第1話 今日もシャイボーイである僕に近づいてきた美少女が二人いる

キンー!コンー!カンー!コンー!

チャイムが鳴ったのでもうお昼の時間だな。教室からぞろぞろと出ていく奴がいっぱいで、取り残されているのは僕と数人のクラスメイトだけになる。

「広司くん。あの……今日のお昼……私達と一緒に食べない?」

ん?学食に行こうと席を立ち上げかかったら、いきなり右側の横から話しかけられたのだから、そこに振り向いてみると、

「やあぁー!アフロ少年君!今日もお元気でなによりだねーー!にししー。」

「だから、日向(ひなた)さん!そういうのは彼に失礼だと前々から言ってるのにーー!」

まただねー。そういうことで言い合うのって……。

「いや、僕は気にならないよ。むしろ愛称として呼ばれてるようで、なんか親しみ安く感じて、ありがたく思っちゃうくらいだよー。」

「そうーー?まあ、広司(ひろし)くんがそういうなら、いいけど。でも、一応私達は広司くんと同じ教室のクラスメイトなんだから、もし気に障ったことがあれば、遠慮なく言ってくれていいからねー。」

「おう。わかってるって。で、今日も二人でお昼に誘ってくれてサンキューな。でも、今日はパスさせてもらいたいとは思うんだが………」

「へええーーーー!?どうしてそうなっちゃうの、アフロ少年君...、ってじゃなくて、広司ちゃんー?こんなに可愛い美少女二人も目の前にいるのに断るとか絶対におかしいよねー?ね、明菜ちゃん?」

そう驚いた反応を見せるそのオレンジ色のセミロング髪な女の子が隣にいる、外見上では清楚な雰囲気を纏うけれど、どこか自立したり、面倒見もよくて、意見と助言も堂々といえるような気もする明菜(あきな)と呼ばれた黒髪ロングで色白な少女に聞いたけど、それに対して、明菜……烏丸(からすま)さんがこう答える、


「………ん?ああ!もしかして、今日は長谷川(はせがわ)くんが学校に来なかったから、それで男子一人だけで私達と行くのに抵抗があると感じるの?」

そう。まさにその通りだよ、烏丸さん。

「まあ、そういうことだな。ここの学校に転校してきてから、2ヶ月たったけど、女子数人の場で男一人の僕が同席したら、なんか遠慮しちゃうんだよねー。だって、その……えっと…」

そう。今日は敦司(あつし)の奴が欠席したのだから、同性の友人がいないと辛いというか…。なんか、恥ずかしくなった僕は言いよどんでるけど、それを見たオレンジ髪の方は自分の反応を見て面白がってるか、急に僕のテーブルの近くまで寄ってきて、その豊満な乳房が強調される様なしゃがんでる体勢、つまり、身を乗り出して顔近くまで悪戯っぽい笑みを見せたら、今度はウインクして、至近距離でこういう、

「もしかして、女の子に囲まれるの照れちゃうのかなーー?かなーー?くすっー。」


うぐー。まさにその通りです、はい。日向さんのどアップな白い顔はあまりにも可愛い過ぎて、直視するのに躊躇しちゃうよー。だって、僕、この学校で2年生として編入する前にずっと男子校だからなー。なので、同年代の異性とはあまり免疫がないというか、同性の友人が同席でもしない限り、話し合うのにも苦労したり、遠慮しちゃうというか……とにかく、苦手なんだよなぁー。こうしてある程度で話せたりするのも烏丸さんと日向さんがあまりにも親しみ安く感じたから、それでどうにか上手く話せるようにはなったけど。

「日向さん、もうそのくらいに広司くんをからかうのをやめてくれないのかしら?彼、困ってるそうな顔するのよ。」

「へえー!?この恥ずかしがり屋なアフロ少年君をからかうのに生きがいとするあたしが止める訳ないでしょーー!?」

勝手に僕を自分の玩具として扱うなー!もうー!


「駄目だよ、日向さんー。広司くんにはもっとクラスと溶け込んでもらいたいのー。だって、寂しいでしょー?一人っきりになるのって……。」

まるで過去に自身も経験したことがあるように言ってから、しゅんと俯いている烏丸さん。いや、君と日向さんは何も悪くないよー。だって、日向さんも日向さんなりに、僕と仲良くなりたいが故に敢て気安く接してくれるだけじゃないかー。

「あの…烏丸さん?そんなに彼女にきつく当たらないでくれてもいいよ?日向さんはただ、僕が寂しい思いをしないようになるべくフレンドリーな言動をして自分を気遣っての行動を取っている訳だし、そんなに深刻に捕らえなくていいよーー?それに、困惑顔を浮かべてしまうのは……その………」


僕が言いづらそうのを見ると、「ああー!」、烏丸さんも何かに気づいたのか、直ぐに納得した表情になり、それでも日向さんを僕の直ぐ前から引き剥がしてくれた。

そう。何を隠そう、僕はずっと前から、小学校一年生の時は女子との絡みがあまり良いものとは言えないような体験してきたばかりだから、それ以降は同じ年代の女子との付き合い方が大の苦手で、それでずっと男子校通いだったんだ。そう。自分は産まれた瞬間からずっと日本育ちな黒人男子だ。それも、メガネをかけているような内気な奴だけじゃなくて、両親も日本の国民となってからでは一切に英語を家であまり使わなかったから母国語である日本語しか上手くできなくて。父も日本と日本語大好きマンなので、それで海外出張とかでも赴かない限り、日本にいる時では英語をなるべく必要時以外は使いたくないという感じに見える。そして、 漫画とラノベばかり読んでいてお勉強を疎かにしすぎたので、前の学校まででは成績も中程から少し上の位置にあって、隠れオタクでもやってるような、いわゆるどこにでもいるような普通な高校生だ。しかし、この2ヶ月間では、敦司の奴も同席した図書室にて烏丸さんが2回も親身になってお勉強に付き合ってくれたから、成績も伸びるばかりだ。  まあ、この髪型は生まれつきだからしょうがないけど、時々にこうして短くカットしてる。


「じゃ、その……私達を男子だと思い浮かべてみてはどうー?きっと、上手くいくと思うよー?」

ん?聞き違いだはないよなー?烏丸さんの発した言葉って。というか、なんで頬を赤らめてるの?熱でもあるのかなー?




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