第33話 100億円の女の子達

 11月下旬、ピンキーダイナマイトは夏に行われたライブ映像DVDや映画のDVD、ファンミーティングで決まった企画DVDの発売に力を注いでいた。新たにCDもレコーディングし直して1枚のアルバムに仕上げた。その準備を終えたメンバーはHPを見ながら売り上げを予測していたのだった。


 ささもっちゃん「ズバリ売り上げは1000兆円。経済効果は1京円に上ると考えられますね」

 友子「そして、それは友子のお金な訳ですから高級ソファーをいっぱい買わなきゃいけないんですよね」

 ささもっちゃん「ささもっちゃんのですよ。友子先輩は閉店セールの家具屋さんに行って下さい」

 まゆみ「まゆみも頑張りましたからロイヤリティー貰いたいですね。エへへ」

 2人「おこぼれに与れると思うな馬鹿。後ロイヤリティーとか言うな、アイドルだろいやらしい」

 まゆみ「とほほ、ちょっと言ってみただけです。本当に売れる見込みがあるから」

 明日香「そうね。売り上げ予約は凄い事になってるみたいよ。CDやライブDVD、企画DVD、映画DVDもね」

 沙也香「もう私達全国に知られて4か月ぐらい経つけど、皆変装しながら街歩かなきゃいけないもんね」

 奈緒「そうだね。私達はもう有名人なんだよね。だから、自由に出来無くなりつつあるね」

 明日香「そう?この前も街で田舎寿司を頬張りながら、田舎寿司を食べようキャンペーンガールを務めて居たじゃないの。ああいう事よく出来るわね。凄い行列をたまたま見かけてミルクティーを知らないおじさんにぶっかけたじゃないのよ」

 奈緒「だって美味しんだもん。しょうがないでしょう」

 まゆみ「そろそろ全国トップアイドルの人だと自覚して下さいね」

 ささもっちゃん「変わらない所が奈緒ちゃん先輩の魅力ですぅ~。私はオクラの粘々キャンペーンガールしたいですぅ~」

 友子「私、ピーマンの叩き売りしたい」

 明日香「止めなさい」

 沙也香「そんな事より今は売り上げの話だよ」

 明日香「そうね。内訳の予想はこんな感じよ。まずCDが初の全国流通で予約が殺到中よ。恐らくHP上の予約情報とかから鑑みると音楽インディーズチャートの1位を取って、90万枚は行く予定よ。ミリオンアーティストの仲間入りと言う訳ね」

 まゆみ「あんなふざけた歌詞でですか?」

 奈緒「2人とも黙らしなさい」

 友子&ささもっちゃん「ほれほれ」

 まゆみ「ちゅぎいっちぇみよう」

 沙也香「後、映画DVDが予約50万枚、各企画DVD50万枚、ライブDVDに至っては約100万枚の予約が来ているよ。前に販売していた、写真集やCDやイメージDVDももっと売れて来てるよ」

 明日香「これらの商品を生産するには自分達じゃもう無理な数だから業者の人に発注しといたわ」

 沙也香「お金にすると私達は今ざっと100億円ぐらい稼いでるわよ」

 ささもっちゃん「鼻水出た♡」

 友子「友子も出た♡」

 まゆみ「凄いですね100億って。IT企業の社長さんの年俸ぐらいですよね」

 奈緒「これをどういう風に使って行くのよ、明日香」

 明日香「まずは、今後の奈緒さんの活動運営費以外の使い道だけど、他のメンバーには10億ずつ親に渡そうと思ってるのよ、奈緒さんそれは良い?」

 奈緒「良いわよ。元々貴方達の売り上げでもあるからね」

 明日香「有難う。他のメンバーは両親が散財しない様に娘として見守って居てね」

 ささもっちゃん「見守ります。特にパパ。私のパビリオンとか造りそうだから」

 友子「全部友子のだけど、パパを応援してあげる費用に使えたらいいかな」

 沙也香「私は両親に全額渡す。兄弟も居るしね」

 まゆみ「私もです」

 明日香「私はお父さんに家と車買ってあげたいわね。後、会社の運営金に使って貰おうかしら。それと奈緒さんには活動運営費以外で残った額は渡すわね」

 奈緒「かたじけない。これで塩おむすびがいっぱい食べれるよ~」

 明日香「あんたねぇ~。億万長者よ分かってんの?」

 奈緒「分かった。じゃあごぼうの金平も付けて良い?」

 明日香「はぁ~?呆れるわね。家もビンボーだけどあんたは1人で生きて来てジャパニーズドリーム掴んだんだよ。もっと喜ばないの?」

 奈緒「分かったよ。ステーキ食べる」

 明日香「食い物だけ言わないで欲しいわね」

 沙也香「それが奈緒ちゃんの良さだよ、明日香。だから応援して行くんじゃん、私達」

 明日香「そうだったわ。つい、お金の事で麻痺しちゃったわ。御免なさい奈緒さん。貴方はまだ上を見てるのね」

 奈緒「そうね。お金では無くどれだけの人を幸せに巻き込めるか考えてるのよ。後、敢えて言うとすればセクシーな胸元がザックリ開いたパーティドレスが欲しいわね」

 明日香「分かった。上等なヤツね。私が買ってあげるわ、フフフ」


 この後も、メンバーの夢についての話は続くのだった。

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