第5話 清間陵

「僕はイブの事務所『セクシープラネット』の社長の清間 陵です」

 軽く頭を下げた。



「ン、事務所の社長」

 彼か。噂のホスト上がりの芸能事務所の社長は……



 かなりのやり手で、イブを筆頭にセクシー女優を何十人もようし、業界で名をせていた。



「この男が、イブを殺したンだ❗」

 清間は憎々しげに馬場を指差した。



「な、何ィ❗」

 馬場も眉をひそめ、ムッと顔色を変えた。



「前々からイブは、この男にを貸していたが、全く返す素振りも見せないッて、愚痴ぐちこぼしていたンだ❗」



「そ、そんな事…… もちろん金は返すよ」

 馬場も慌てて言い訳をしようとするが、清間はさらに追い込んだ。



「しかもイブが昔、ヤンキーをしていた時に何か弱味を握られて、こいつにセックスを強要されていたらしい」

 


「な、バカ言え。強要なンてしてねぇ~よ」



「それッて、強姦ッてこと」

 思わず、クリスは馬場を睨んだ。



「な、違うッて、マジでセフレだよ!

 彼女とは別に、なンのわだかまりもない❗ 良好な関係なかだよ❗❗」

 


「どうかしら……」クリスは首を振った。

「借金の返済を迫られて殺害ッて言うのも考えられるわ」



「違うッて、俺はイブを愛してたンだ。

 その俺がイブを殺すワケないだろ」


「フフゥン…… カッとなって殺したンじゃねェ~のか」

 志村警部補も物騒な事を言った。



「待って下さい」

 これ以上は俺も黙って聞いていられない。

「カッとしてと言うのは有り得ませんよ」



「ン、ナゼだ……」志村が聞き返した。



「まず絞殺した凶器が見つかっていません。

 おそらくは事前に用意したでしょう❗❗❗」



「うゥン」志村警部補も腕を組み唸った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る