光のもとでⅠ/2020年~改稿版

葉野りるは

第一章 友達

プロローグ

 四角い窓から外を眺める。


 真っ白な、何もかもから隔絶されたその部屋から。


 窓の外には色とりどりの景色が広がるのに、部屋の中には陽の光が差し込むのみ。


 それは手が透けそうなくらいの強い光。


 光が、真っ白な壁をより一層白く見せる。


 白い部屋には開放感を覚えるものだけど、ここは絶望を味わえる部屋。


 息が、詰まる。


 もし、このあたたかな光の中を歩くことができるなら、ほかには何も望まない。


 だから、私をここから出して――

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