第5話、メメント・モリ

この森の木よりも高い鬼の皮の山を見たときは頭がどうにかなるかと思った。


「竜ならともかく、こんな使えない鬼の皮なんて返してこい!」


「テケ……リィ……」


鳥のような悲しげな泣き声と共に

木の穴から

積もった木の葉の隙間から

家の屋根から

光を七色に反射する黒い水が染み出てきて革の山を呑み込み地響きをあげ森の奥に消えていった。


アレがモリ太郎なんだ。デタラメな力を持ち、メメンに奉仕する何かが居る。


俺はメメンを育てよう、失敗すれば人も山も川も村も街も国も喰われる。


森に近付いたら狼も熊も鬼も何もかも全部が残らず喰われてしまうだろう



その次の日、隣の国の侵略しに来ていた軍隊が1人残らず全滅していたそうだ


その後、隣の国王が病死して戦争が終わっていたらしい



汝、死を忘れる事なかれ

死は 我々の隣で息づいているのだから





「テケリッ」

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