転生鳥類〜托卵から始まる異世界鳥類〜

砂上楼閣

第1話〜わたし誕生!

暗い。狭い。


それが目覚めてすぐに感じた事だった。


ここはどこ?


わたしはだれ?


そんなベタなことを思い浮かべたわたしだけど、頭はなんかモヤがかかったみたいに何も思い出せない。


うーん?


なんとなく思い出せそうなんだけど…。


なんかモゾモゾして落ち着かないというか、早くこの暗くて狭いところから出たい!


っていう気持ちが強くて考えがまとまらない。


えーい!


というか本当にここはどこなの?


身体はなんか思い通り動かせないし、早く外に出たいって気持ちばかりがどんどん強くなる。


そりゃ!


パキィ


お?


なんか頭突き、というか頭をふったらヒビが入ったみたいな音がした。


外から光も見えてる!


どうやら楕円形の箱?球?みたいなとこに押し込まれてたみたい。


どうりで居心地が悪いわけだ。


いや、なんか収まり自体はなぜかいいんだけども。


それはさておき、


そりゃ!


パキィ!


そりゃ!そりゃ!


パキパキィ!


とりあえずヒビを広げよう!


外に出たい欲求に従って、本能のままに行動する。


そしてついにわたしの目の前に世界が広がった!


「ぴょ〜?(う〜ん?)」


あれ、なんか変な声がでた。


間が抜けた感じがして恥ずかしい。


って。


いやいや!


今はそれどころじゃなさそう!


わたしの目の前にとんでもないものがいた!


一瞬おっきな着ぐるみが目の前に立ってるのかとおもった。


ふっわふわなの!


おっきなおめめにふわふわな羽。


空みたいに青い羽根と白の羽毛。


コントラストが素敵すてきですね!


ドラ◯もんみたい。


けど丸々とした鳥さん。


そう、可愛らしい鳥さんが目の前にいたのよ!


ほんとに目の前に。


わたしは鳥が好き。


猫とか犬とか小動物たちも好きだけど、やっぱり鳥が一番好き!


たまに頭をかしげるとことか、トコトコトコ!って歩くとことか、ピョコピョコ!って尾っぽをふりふりするとことか!


ラブリー♡


でもなんでそんな車みたいに大きいのかな?


ちょっと大きすぎない?


けど作り物じゃないのはツヤツヤふわふわの羽毛とか、クリクリのおめめとか可愛らしく首をかしげる仕草で分かる。


わたしよりも何倍も大きくてまるまるとした鳥。


たぶん大きさとかトト◯くらいあるんじゃない?


そのふわふわなお腹に是非ともダイブしてみたい。


いやいや!


けどよく考えてみればト◯ロだよ?


あのサイズの生き物か目の前にいるんだよ?


クマさんより大きいわけで…。


わたしの背筋に寒気と恐怖が…


来なかった。


あれ〜?


なんでかな。


むしろ言いようのない温かさすら感じる。


なんか一目惚れ?


うーん、なんか違う。


なんか、お母さんに抱きしめられてるような安心感。


あなたがわたしのママン?


なぜかそんな感情が浮かんできた。


「ぴょ〜?(なんで〜?)」


あれ、どうして?


一目見てなんかすごい親近感を覚えちゃってるんですけど!


「ぴょ〜?(あれ〜?)」


それがわたしとママンとの出会いだった。




わたし誕生!

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