第5話 松本七瀬

「フフ、私はクリス…… こう言うモノよ」

 ゆっくりと警察手帳を提示した。


「え、刑事さん……❓❓」

 美少女は信じられないと言う顔だ。

 確かに、刑事と言うよりもセクシー女王様クイーンと言った方がシックリくる。

 何しろ圧倒的なダイナマイトボディだ。


「フフ、あなたは……」

「え、私は七瀬…… 松本七瀬です❗❗」

 まなそうに美少女が応えた。


「フゥン……、七瀬ちゃん、この子なら大丈夫よ」

 クリスは俺の頭をわが子みたいに撫でた。

「あのねぇ、ッて…… 保護者かよ」

 小さくオレは呟いた。


「パンティを盗むようなに育てた覚えはないわ」


「いやいや、クリスに育てて貰った覚えがないよ」

 なんだよ…… はしたない子ッて。


「私も見てたわ……」

「え……」振り向くと若い主婦らしき女性が近寄ってきた。

「どうも……」俺は軽く会釈した。

 ようやく野次馬の中から援軍が現れ、ホッとした。


「見てたッて……、本当ですか」

 まだ七瀬は僕へ不審な眼差まなざしを向けていた。


「ええ、この派手な格好の人が、そこでピンクの下着を拾ってたわ❗❗」

 若い主婦の証言で助かった。


「あ…、そうなの……」

 七瀬も少しトーンダウンした。


「ああ、さっき、ここで拾ったンだ」

 俺も苦笑いを浮かべ頷いた。


「ゴメンなさい。この前も下着が盗まれて」

 あれだけ怒った手前、七瀬もバツが悪いようだ。頭を下げ謝罪した。


「いえ…、解って貰えれば……」良かった。

 誤解が解けて何よりだ。

 

「この前もッて……、そんなに下着を盗まれているの」

 心配そうにクリスが訊いた。


「ええ、そうなんです……」

 七瀬は多少、落ち込んだみたいだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る