第23ニャ【二人でお風呂ニャ】



 ぬ子、先にお風呂行っちゃったすばりを横目に残された猫缶を堪能、

 うん、普通に美味しいニャ

 でもすばりがお風呂の間、ちょっと暇だニャ。部屋にはにゃにもニャいし


 そうだ、ちょっと悪戯するニャ! ぬ子は猫だから悪戯心に火がつくと我慢出来ニャいもんね

 そうと決まればさっそく行動開始ニャ。そーっとすばりに気付かれニャいように、バスルームへ。そこにはすばりの脱いだ黒ジャージがあるニャ

 クンクン、クンクン、あ、あったニャ!


「これだニャ、えっと、たしか眼鏡!」


 ずっと気にニャってたんだよニャ〜

 こうして、眼のところに引っかけて〜


「わわっ、にゃにこれ〜っ!?」


 ま、まるで視界がっ、マタタビでフニャッた時みたいにボヤけるニャ!? 立とうとしてもうまく立てニャいし、おっとっと、にゃにも見えニャい? 壁、かべ、とにかく壁に肉球


 ボヤける視界のにゃかにゃんとか壁に肉球を当てたぬ子が、ホッと一息つこうとした

 ——その時ニャ!?

 壁が内側に押し出された? ぬ子の身体がフワッと宙を浮いた感覚、その後、すぐさま顎に強烈な痛みが走って星を見たニャ……

 しかも床、濡れててビショビショ。その反動で眼鏡が外れて視界がクリアにニャった訳だけど、


「な、何をしておる、のだ?」

「ニャ、ニャははは……ごめんニャちゃい」


 すばりは鋭い眼を珍しく見開いて咄嗟にタオルを手に取ったニャ。よく見ると、すばり、スッポンポンだニャ。お風呂だし、当たり前かニャ


「って、キャァーッだニャァァッ!?」

「そ、それは我の台詞な」

「こ、これはそにょ、い、悪戯ニャんてしてニャいよ? ただ……」

「眼鏡か。気になったのか? だが、眼の良い人……いや、魔眼を有しない者には扱えんだろうな。コレは我の魔眼の力を抑制する為の……そ、それよりぬ子よ、服が濡れているぞ」

「はニャニャ!?」



 で、何故にゃぜかこのままぬ子もお風呂に

 タオルでおっ○い隠してるけど、やっぱり雄と一緒に入るのは恥ずかしいニャ


「あまりぬ子のおっ○い見ニャいで、えっち!」

「いや、ないだろ、おっ○い」

「あ、あるニャ! ほら!」

「ぐっ、馬鹿者!? しまえしまえ!」


 怒られたニャ。でもすばりはやけに女の子ににゃれているようニャ気がする

 あやしい、

 すばりにおんにゃの影が。ぬ子の雌としての本能がそう告げているニャ


「ったく、一人で風呂も入れないとはな。仕方ない、我が頭くらい洗ってやる。ま、前を向いているがいい」

「本当かニャ! ぬ子、自分で頭ニャんて洗ったことニャいから助かるニャ〜」

「……そ、それでよく旅に出る決心をしたな。ほらお湯をかけるから眼を閉じろー」


 はっ!! お湯が来る!! ぬ子、顔に水がかかるの嫌いニャ。だから咄嗟に上を向いたら、すばりと目が合ったニャ。湯気で良く見えニャいけど、すばりの顔が少し赤く見えたのは、気のせい?


「その体勢がいいのか? 本当に子供みたいな猫だ。ほら、いくぞ」

「にゃい」


 あったかいニャ〜

 流し終えるとシャンプーでぬ子の髪を洗ってくれるすばり。やっぱり、にゃれた手つき……


「む〜、すばり、浮気してるニャ?」

「浮気? くっくっ、我のゴッドハンドが気持ち良くて何か勘違いしているようだな」

「勘違い?」

「我が子供の扱いに慣れているのは、何を隠そう、歳の離れた妹がいるからだ!」


 って、妹扱いかニャ!?


「すばり、妹がいたのかニャ。い、妹ニャら仕方ニャいよね」


 ぬ子はにゃにを嫉妬してるんだニャ

 でも、そうか、すばりが十二支レースに出る理由は元の世界に戻る為、大事ニャ家族の元に帰る為ニャんだよね

 決して、ぬ子の為、じゃニャいんだ


「っ、いたっ」


 わ、眼に泡がっ

 あたふたしているとすばりがシャワーを浴びせてきたニャ。ぬ子は慌てて眼を閉じてにゃんとか頭を洗い終えたニャ、すっきり


「わ、我は先に出ているぞ。しっかり湯船に浸かって、百数えて出てこい」

「えーっ、百まで!?」


 この後、ぬ子はにゃんとか百まで数え切り、すばりが用意してくれた黒ジャージを羽織ったニャ。服は濡れちゃったから乾燥中だニャ。

 クンクン、すばりの匂い——


 というか、このジャージ、無駄ににゃがいニャ。ぬ子、すっぽりお尻まで隠れちゃった


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