第12ニャ【跳んでみろニャ?】



 すばりが可愛い筈のぬ子をスルーして道案内をうにゃがした、その時だニャ


「にゃっは〜! 見ない顔が見せつけてくれんじゃねぇか〜?」

「けっけっけ、親分ブォス、よく見たらお子ちゃまのぬ子ですぜ〜?」

「かっかっか、ぬ子なんか連れて恥ずかしくないのか〜? こんなチビの何がいいんだ〜?」


 げっ、コイツら、町の不良猫グループだニャ

 好き放題言ってくれるニャ……でも、こわいから早めに尻尾巻いて逃げるが勝ちニャ

 と、ぬ子がすばりの手を引こうとした時、


「くっくっく、見せつけられて羨ましいのはわかるが、絡まないでもらえるか? 猫の着ぐるみ達よ」


 ニャーー!? にゃに挑発しちゃってるかニャ!? あー、ほら怒ってるニャ〜!? 確かに、雄は何故にゃぜかモフモフの着ぐるみ仕様が多いんだけどっ!?


 そ、そんニャことより、

 全身をモフモフが覆った不良達がズイズイと迫って来るニャ。あっという間に囲まれちゃったすばりの周りで謎のステップを踏みニャがらボス、じゃなくて、ヴォスが声を荒げたニャ


「にゃっは〜、にいちゃん、猫銀貨持ってね〜?」

「くっくっくっ、貴様にやる銀貨は持ち合わせていないぞ? 着ぐるみ」

「にゃは〜に〜? にいちゃん、ちょっと跳んでみな?」

「ふ、断固として断る!」


 すばりが断じて断った事で不良達が激おこにニャってしまったニャ。全身の毛を逆立たせてるニャ

 コイツらは町でも厄介者扱いされてる奴等で、怒らせるとにゃにされるかわかったもんじゃニャいのに


「くっくっく、そんなモフモフした猫が凄んだところで、これを持つ我に敵う訳が無かろう! 喰らうがいい! 猫じゃらし!!」


 はっ!? あれは猫じゃらし!!

 すばり、いつの間にそんニャ強力ニャ武器を手に入れてたニャ!? お、お、ついついぬ子が反応しちゃいそうだニャ。あまりそれを振らニャいで〜!


 すばりの怒涛の攻撃で不良達が見事に猫じゃらされているニャ。猫じゃらしを左右に振ると、不良達も首を左右に、ついでにぬ子もね

 そしてすばりはトドメの一撃として猫じゃらしを上に振ったニャン! ジャンプ!!

 ぬ子はつい反応してピョンと跳ねちゃったニャ。勿論、不良達も跳んでみせたニャ


「どうだ、まだやるか?」

「ぐぅ……」


 すばりがこの上ニャいドヤ顔で不良達に言うと、不良達が言葉通り、尻尾を巻いて逃げて行ってしまったニャ。すばり、強いニャ……!

 強過ぎる! ——宇宙最強ニャ!!


「何顔を赤くしている? 我の身体がホカホカな内に先を急ぐぞ?」

「わ、わかったニャン!」キラキラ

「ちょ、やめないか!? くっつくんじゃないっ……ぐおぉっ……」


 もう、ちょっとぬ子がスリスリしたらこうだニャ。にゃにはともあれ、不良達を撃退したぬ子とすばりは町の奥へと足を運んでいくニャ

 チラホラと猫が見え始めて、ぬ子達を不思議そうに見る視線が……は、恥ずかしいニャ


 もしかしたら、ぬ子とすばりはカップルに見えてるのかニャ? ドキドキ、ソワソワ

 と、そんニャおめでたい思考を巡らせニャがら歩く事数分、やっとの事で目的地、——町唯一の若者向けアパレルショップ【猫の皮】に到着したニャン


 木製のドアを開けると、ニャランゴロンって変ニャ音が鳴るニャ。気にせずお店に入ると、中はとても暖かかったニャ。と、そのタイミングですばりのホカホカ効果も時間切れにニャったみたい


 とりあえず、上着を調達ニャ

 すばりに似合いそうニャのは、ん〜、すばりは背が高いし、このロングコートとか格好良……に、似合いそうだニャ、うん


「決めた、我はコレにするぞ!」


 って、

 えー!? 数あるにゃかでー?

 つくづく、変ニャおとこニャ、ま、本人がそれでいいってんニャらいいんだけどニャ


 すばりはソレを手に満足そうな笑みを浮かべたニャ


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