第11話「私は、王女レイラ・グラス・ヴュルテンゲルツである!」

 草乃月 麗良は思う。


 楽しい。


 高校生活が充実している。


 私は、草乃月財閥の一人娘。小さい頃からお稽古、勉強で自由な時間がなかった。このままエスカレータ式に進学して親の会社に就職して、最後は親の薦めで見合いをして結婚をする。


 想像できてしまう、私の人生。


 中学卒業を前に、ふとそんな人生がつまらなくなった。


 もちろん、何不自由なく暮らしていけるのは、両親のおかげだ。その点は、感謝している、感謝しているのだが、一つぐらい我儘を言いたい。進路も将来も決められているが、学生時代、高校生の間くらいは自由に青春を謳歌してみたいじゃない。


 そのためにも進学予定の「鳳凰院高等学園」ではだめだ。鳳凰院学園は、名家の御曹司や政治家、医者、人間国宝の子供達が通う名門校で、進路や設備も他と一線を画している。


 屋上には天然芝と防犯カメラや校内エレベータなどの先進設備、カフェテリア、和洋中揃った学食、有名な作家の初版本もある大規模な図書館。


 ただ学費を払うだけでなく、ふさわしい品格がないと入学できない。選ばれし者しか入れない高校だ。


 ただ、一点校則が厳しすぎる。くだけた言葉遣いはだめ、放課後の寄り道はだめ、巷で遊ぶ色々な場所に出かけるのもだめ。常に紳士淑女たれ。これでは男女交際どころか男友達すらできないだろう。


 私は放課後に友達とタピオカを飲んで、カラオケに行ってみたいのだ。何より素敵な男の子とデートもしてみたい。


 あそこでは、絶対にできないだろう。


 いやだ、いやだ。


 粘り強く両親を説得した結果……。


 庶民が通う南西館高校に通えるようになった。当然、学業を疎かにはできない、首席を取ることが条件だ。地区有数の進学高らしいけど、所詮は庶民の学校だ。普段のレベルを発揮すれば、問題ない。


 そして……。


 高校に入学し、私は自由を満喫した。

 友達と他愛もないおしゃべり、放課後のショッピング、念願のカラオケにも行った。


 新鮮だった。


 庶民出身の子ではレベルが低く話が合わないだろうって、鳳凰院高等学園に通うはずだった友人も何人かついてきてくれた。持つべき者は友人よね。


 そして……


 紫門ゆりかど君。私の最愛の人。


 紫門ゆりかど君も私の我儘に付き合ってくれた。本当は海外の有名校に留学するはずだったのに、経歴を汚すことになっても、わざわざ私のために格下の高校に通ってくれたのだ。親切で笑顔がさわやかで素敵な人。


 少し強引だけど、好きだと言ってくれた。


 大切にするって、将来結婚しようって、キスされそうになった。


 キスは、びっくりして思わず拒絶したけど、嫌じゃなかった。ふふ、男の子だもん、しょうがないよね。次は大丈夫、私も覚悟を決めた、同じ気持ちだから。


 たくさんデートしよう。


 クリスマスの夜とかロマンテックにしたいなぁ。


 ふふ、今から楽しみ。


 あぁ、お父さんを説得して、よかった。


 学校生活が楽しい。


 ただ、不満を一つ言えば……。


 白石。


 もともと名前もうっすらとしか記憶していなかった。同じクラスになっただけ、話をしたことがない。話をする価値もない。そんな小物が紫門ゆりかど君を誹謗中傷してきたのだ。あろうことか紫門ゆりかど君が他校の女性とホテルに行ったなんて!

 そんなでたらめを言うなんて信じられない。


 紫門ゆりかど君に事情を聞いたら、生徒会の交流で他校の女性と会ったことはある。その様子を白石が面白可笑しく言ったんじゃないかって。じゃあ、白石はなぜそんなでたらめを?


 紫門ゆりかど君が言うには、私の気を引きたいから嘘を言ったらしい。


 ぷっ、思わず失笑した。


 くだらない。私の気を引きたいなら正々堂々と告白すればいい。まぁ、あんな小物、どうせ断るけど。


 本当、ばかばかしい。


 そして、腹が立つ!


 昨日なんて、見当違いの言葉を浴びせ、あまつさえ暴力まで振るってきたのだ。絶対に許せない。


 紫門ゆりかど君にそのことを言ったら、すごく怒ってくれた。私のために凄くうれしい。皆で制裁するって言ってたけど、楽しみ。


 ふふ、ざまぁみろって、こういう時に使うのよね。きっちりお灸をすえてもらおう。後はお父さんに頼んで、白石は退学にしてやろう。視界に入るだけでイライラするもん。慰謝料もきちんともらう。庶民には、少し高いかもしれないけど、あることないこと風潮して紫門ゆりかど君の将来を汚そうとしたんだもの、当然よね。


 あぁ~くだらない、くだらない。


 こんな茶番を見るため、お父さんに無理を言って入学したんじゃない。


 イジメられているって言ってたけど、イジメられるほうに問題があると思う。白石を見ていればわかる。顔も頭も性格も悪いなら当然の結果だ。


 はぁ~もうやめやめ、白石なんて小物、考えるだけ人生の無駄ね。


 せっかくの高校生活だもん。


 紫門ゆりかど君のことを考えよう。


 明日、返事をする。覚悟を決めた。キスの先だって、許しちゃう。


 少し遅めだが、ベットに入り眠る。



 

 ★ ☆ ★ ☆

 




 目が覚めた。


 知らない天井……いや、知っている天井だ。


 頭がボーっとする。


 私は……誰?


 麗良、レイラ。


 おもむろに頬を触る。濡れていた。夢で涙を流していたらしい。


 夢?


 あれは夢なの? いや、夢というにはあまりにもリアルすぎる。


 数千、数万、幾億もの人々の期待を一身に受けて立つ、その姿。


 王としての在り方……。


 友人からの薦めでとある漫画を読んだ。その中であった話に似ている。


 前世の記憶が蘇った少女は、元王国の王女で、隣国の王子と現代の日本で再会する話だ。


 私も前世の記憶がよみがえった?


 ううん、ただの夢。そんな非現実的な事が起こるはずがない。


 無理やり起きて、身支度をする。


 途中お手伝いさんに何か言われた気がするが、耳に入ってこない。


 学校に向かう。


 あれは……私は……。


 考えれば考えるほど、深みにはまる。


 校門に近づくと、見知った顔が見える。


「麗良さん、おはようございます!」

「麗良さん、おはよう!」


 クラスメート達だ。


「おは、よ……」


 挨拶しようとした手を引っ込める。


 今までと同じクラスメートのはずなのに。


 クラスメートの顔と、前世の記憶がマッチする。


 生々しい記憶だ。


 難攻不落と名高いヴュルテンゲルツ城が燃えた。

 裏切った重鎮達の手によって、燃やされたのだ。


 国王であるお父様を殺した。後を継いだ私も殺そうとした。


 日頃、私に都合のよい言葉で褒め連ねてた。宮廷での地位に固執し、ありとあらゆる力を行使し、気に入られる努力をしてきた者達。


 陰では私をあざ笑い、国を裏切っていた者達だ!


 笑顔で挨拶をするクラスメートの顔がぐにゃりと歪み、醜い笑みへと変貌する。


 それは、まるで国を傾かせた王女を陰でクスクスと笑っているかのようだ。


 やめろ、だまれ。


 眉間に皺を寄せ、その声に耐えていると、


 紫門ゆりかどが声をかけてきた。


「おはよう、麗良」


 昨日までは爽やかな笑顔だった。いつもその顔を想い耽っていたはずなのに……。


 今は醜悪な小鬼がニヤついているように見える。


 吐き気がした。


 醜い。醜すぎる。


 私は、このような奴に懸想し、あまつさえ接吻までしようとしてたのか!


 気持ち悪い。


 おえっ!


 えづく。


 地面に吐しゃした。


 はぁ、はぁ、はぁ。


 八つ裂きにしたいほどの憎悪で胸が焦げ付く。


 シモン・ゴールド・エスカリオン……。


 レイラの婚約者。ヴュルテンゲルツ王国の東部ワイインを領土に持つ大公。国の重鎮かつ王女の婚約者という身でありながら、裏で帝国に繋がっていた男。数多の罪なき女性を慰め物にし、民をいたぶり悦に浸る暴君。


 ワイインを視察した際の……。


 あなた、あなた!


 倒れる夫に縋りつく妻の悲鳴が響く。そんな嘆く妻をシモンは嗜虐の笑みを浮かべ襲う。傍らにいるその子達は、半狂乱になって泣き叫んでいる。


 あぁ、なんという悲劇だ。苛政は、虎よりも猛なり。シモンが治める東部は、地獄そのものであった。


 情景が頭に鮮明に映し出される。


 ち、違う!


 夢だ。夢に決まってる。現実と夢を混同するな。


 ぶんぶんと頭を振るう。


「麗良、調子でも悪いのか?」

「う、うん、ちょっとね」

「大丈夫かい? なんなら保健室まで連れていくよ」


 やめろ。近づくな。


「い、いい」

「遠慮するなって、俺とお前の仲だろ」

「いいって!」


 紫門ゆりかどが差し出した手を強引に振り払う。


「れ、麗良?」

「はぁ、はぁ、大丈夫だ、から……少し落ち着いたら行く」

「そ、そうか。無理するな。落ち着いたら教室に来てくれ。面白いもの、見せてやるから」


 そう言って、紫門ゆりかどがその場を後にする。


 消えたか。


 天を仰ぎ、ふーっと大きく息を吐く。


 はぁ~ほっとしたのもつかの間、


「麗良さん、さっきのは一体……?」


 紫門ゆりかどとのやりとりを怪訝に思った生徒が聞く。


「麗良さん、もしかして体調がお悪いんですか?」

「そっか。さっき吐いてましたし、風邪なら休んだほうがいいですよ」


 紫門ゆりかどが去ってからも、次々と声をかけてくる生徒達。


 やめろ、来るな。


 声をかけてくるのは、国を崩壊させた裏切り者達だ。


 うるさい。貴様らの声を聴くのは不快だ。


 これ以上話しかけるな。


「麗良さん」

「麗良さん」

「麗良さん」


 ………


 だめだ。もう我慢できない。


 これ以上、お前達の声を聞いていたら……


 これ以上、お前達の存在を許していたら……。


 殺したくなってくる!!


 殺意に委ねたまま、手を振り回す。


「ひぃ! な、何するんですか、麗良さん」


 殺気を込めて振り回した手は近くにいた生徒の頬を掠ったようだ。頬からたらりと血が垂れている。生徒は、驚き尻もちをついていた。


 はぁ、はぁ、はぁ、私は何をやっているんだ?


 これじゃまるで精神異常者じゃないか。


 驚く周囲をよそに、ふらつきながらその場を立ち去る。


 どこかで休憩しよう。


 中庭に入り、石段に腰を下ろす。しばらく休憩すれば落ち着くだろう。


 ……


 …………


 ………………


 だ、だめだ。


 時間が経てば経つほど、心はさざ波のように揺れる。


 脳内に、前世の記憶がどんどん洪水のように注がれるからだ。


 テンメリの大飢饉。テンメリ三年の冬、王国東部一帯を襲った大規模な干ばつのため、農作物の収穫が大幅に減少した。民は飢え、死者は十万人以上となる。


 民が飢えと病に苦しんでいる時、領主であるシモンは驕奢に耽っていた。さらには悪徳商人と結託し、わずかに残った食物を買い漁り、暴利を得た。


 南蛮の大乱。王国南部に位置するエイアンで異民族の反乱が起きた。南蛮国の首領毛獲率いる十万の蛮兵が王国南部の都市エイアンに侵攻したのだ。


 軍に多大な影響を与えていた大公シモンは、征南将軍にサッサ伯爵を任命。サッサ将軍は、国軍三十万を率いて鎮圧に向かうも、悉くこれに敗北。王国軍の士気を大いに下げた。


 ミナトガワの撤退戦。先年のカントの戦いで帝国軍に大敗を喫したヴュルテンゲルツ王国軍。勢いに乗る帝国は、王都ヴュルテンゲルツに進軍を開始。


 サッサ伯爵達の手引きにより、王国軍は、瓦解寸前に陥いり王都は帝国軍に占領された。そんな厳しい情勢で王と側近達は、王国西部のチョウアンに撤退を余儀なくされた。


 ……。

 …………。

 ………………。


 あぁ、そうか。夢であるわけがない。


 あれは現実だ。私は、あの忌まわしき地獄のような世界を生き抜いた。


 ショウ、お前のおかげだ。


 テンメリの大飢饉の際は、寝食を忘れて難民救済にあたってくれた。各地にお助け小屋を設置し、炊き出しを行った。日頃から備蓄対策を行い、名宰相ぶりを魅せてくれた。


 南蛮大乱の際は、沈着冷静に鎮圧にあたってくれた。王国の東西南北に位置する異民族、東夷、西伐、南蛮、北緯、彼らの間で疑心を頂かせ楔を打った。季節ごとに移動を繰り返し、永住はせず、何度も略奪を行う異民族達。歴史、文化がまるで違うそんな異民族達に歴代の王は常に頭を悩ませてきた。そんな難しい問題を、異民族の部族長に会い、時に武力で脅し、時に貢物で和睦し、名外交ぶりを魅せてくれた。


 ミナトガワの撤退戦の際は、数百騎を引き連れ、帝国軍七万の部隊に突撃を敢行した。十八時間の合戦のうち、十二回の突撃を行い、帝国軍を釘付けにすることに成功、その名将ぶりを魅せてくれた。


 ショウ、お前が傍らにいてくれたからこそ、どんな困難も乗り越えることができた。どんな逆境でも、私は幸せであった。


 あぁ、思い出す。


 ショウの声を思い出した。


 懐かしい声だ。


 暖かく心地よい。私を気遣う優しい声だ。


 ショウの顔を思い出した。


 一見地味だが、よく見るとかわいく凛々しい。


 ショウの気性を思い出した。


 優しくて頼りになる。気遣いができて男らしい。


 幼少より私を支えてくれた大事な大事なショウ。


 そうだ。何を迷っていたのだ。


 私は、私は……草乃月 麗良ではない。


 ヴュルテンゲルツ王国第九十九代国王にして、希代の女王レイラ・グラス・ヴュルテンゲルツだ!


 帝国の侵攻にさらされながらも、佞臣達に寝首をかかれそうになっても、必死に国を守ろうとした。


 未熟な王であったが、ついてきてくれる者もいた。こんな私を支えてくれる者がいた。


 ショウ・ホワイスト。


 この男がいれば、どんな逆境でも覆せると信じることができた。


 王佐の才を持つ忠臣中の忠臣、そして、私の最愛の人だ。


 完全に思い出した。思い出したよ、ショウ。


 あぁ、ショウに会いたい。


 会いたい。


 ショウ?


 ショウはどこ?


 あっ!?


 白石翔!!


 昨日までの麗良として生きてきた記憶と混ざり、冷や汗が出る。


 クラスメートとして二年近く過ごしたけど、話したことは……なかった。話そうともしなかった。


 私は、彼を無視していたのだ。


 前世、あれほど支えてくれたのに。


 国を、民を、そして愚かな私を!


 うぅ、罪悪感で心が苦しくなる。


 ショウ、あなたに償わなければならない。


 ショウは?


 そういえば、さっき、シモンクズが面白いものを見せると言っていた。


 私に対する制裁がどうのと……。


 私、昨日あのシモンクズに何を頼んだ?


 思い出せ。


 ………


 あ、あ、あ、な、なんてこと。


 私は、なんてことをしでかしたのだ!


「ショウ!」


 勢いよく立ち上がり、中庭から飛び出す。


 急いで校舎に入り、教室の扉の前まで行く。


 そこには……。


 クラスメート達がいた。


 入口を見張るように立っている。


 知っている顔だ。


 『彼らに挨拶をし、教室に入る。席に座り授業を受けて、一緒に昼食を取る』


 いつものルーティンならこんな感じだ。だが、今は違う。もはや同じとは思えない。


 こいつらは我が身可愛さに帝国に寝返った売国奴共だ。


「麗良さん、おはようございます。へっへ、ちょうどいいタイミングですよ」

「そうそう、これからメインイベントですから」


 売国奴共が私に気づき、下卑た顔で言う。


 返答するのもけがわらしい。


 私は無言でドアの扉に手をかける。


「麗良さん、俺達は見張りをしてますから。存分に白石の奴を――ぐぼっ!!」


 みなまで言わせなかった。


 扉に手をかけていたその手を取っ手から放し、大きく上に振りかぶる。そして、その醜悪な面に思い切り拳を叩き込んでやった。ごきんと鈍い音が鳴り、売国奴は、鼻血を出して廊下に倒れる。


「れ、麗良さん、何を?」

「邪魔よ。どきなさい」


 売国奴共を睨みつけた。私の殺気に恐怖したのか、売国奴共は一斉に横に逸れ、道を開けた。


 拳についた汚い血をハンカチで拭い、再びドアの取っ手に手をかける。


 そのまま教室の扉を乱暴に開け、中に入った。


 ショウは?


 周囲を見渡す。


 あっ!?


 ショウは、教室の後ろで売国奴共にいたぶられていた。売国奴共は、ショウを囲んで殴る蹴るのやりたい放題である。


 なんてこと。


 私の大事なショウになんてことを!


 許せぬ!


 怒りでふつふつと頭が煮えたぐるのを実感する。


 そして……。


 裏切りの将軍サッサがショウの頭に木刀を打ち下ろそうとしていた。


 殺す!


 感情を抑えるのは、もう限界だった。


「やめろぉおお!」


 感情のままに大きく叫んだ。


 クラスメート達がぎょっと振り返る中、すたすたとショウのもとへ歩いていく。


「……貴様ら、何をしている」


 自分でも驚くぐらい殺気を込めた声だと思う。感情を表に出すのは、君主として失格だが、もう抑えられない。


「れ、麗良違うんだ」


 そう言って、売国奴の筆頭シモンが私の前に進み出てきた。


 あぁ、こいつは……。


「麗良、聞いてくれ。君が襲われたと聞いて、心配で心配で、そしてあまりに悔しくて、怒りで我を忘れてしまった」


 なんで、こいつは……。


「白石の奴が許せなくて――」


 現世でもここまでクズなのだ!


 言い訳をして、嘘をついて、何よりショウを苦しめている。


 前世、こいつのせいで王国の民、百万が犠牲になった。国を思う忠臣も、お父様も殺された。

 そして、ショウも、こいつのせいで長らく苦しんだのだ。


 最後は、ショウがシモンクズを成敗してくれたが、その被害はあまりに大きかった。


「で、でも、さすがにこれはやりすぎだったね。俺も今、彼らを止めようと――」


 前世、お父様の墓前で誓った。


 再び出会えば、殺す!


 生きていることを骨の髄まで後悔させてやる!


 そう――誓ったのだぁああ!


「ひぎゃああ!」


 シモンクズの股間を思い切り膝で蹴り飛ばした。前世、やりたくてやりたくてしょうがなかったこと、ついに実践できた。


 シモンクズは、泡を吹いて悶絶している。


 くっく、これは最高に気分がよい。


 その後、売国奴のサッサも同様に制裁し、皆に宣言した。


「ショウに手を出す輩は、この私が許さん!」


 ショウ、世界が敵になろうとも私だけはお前の味方だ。

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