第3話 社会から追いやられる障害者

体は不自由なのに病名が判明せず、障害者認定される前の状態の時の方が辛かった。

手足が動かしにくいのに健常者枠で働かないといけないわけで、障害者枠の人間ではないのだから仕事で失敗すると、ここぞとばかりに私でストレス発散するかのように怒られ放題。仕事が出来るとは言えない冴えない正社員が私をストレス発散の的のように私にだけキツく当たってくる。その人はパート全員に嫌われるのは怖いらしく、他の人の前ではビクビクして私だけに明らかにキツい態度で当たってくる。


これが障害者枠の人間だったら障害者イジメになり、叱咤した社員側が悪者になるので、悪者にされる事を恐れて誰も何も意見しない。


「登録販売者」という本来、人間の健康を守るべき職である人間が、集団でこういう職場いじめをして他人の健康を阻害してくるのは不合理に思えて仕方ない。


人間の健康を守るべき職の人間が他人の健康を阻害すれば、当人からその職の資格を剥奪するくらいの制度が必要に思う。それくらいしなければ世の中のいじめはなくならない。


障害者と健常者の狭間のどっちにも当てはまらない障害者をボーダーというらしいが、このボーダー状態が一番ツラい状況だったとも言える。病名が判明しないので障害者福祉を受けられない。


足が悪くなってからは早く歩けなくなった。それが気のキツい人をイラつかせ、私にだけキツく当たられる。障害者はこうして居づらくなって社会から押いやられていくのだ。


急に手足が不自由になった原因が分からない不安と、その先もっと進行するのかもしれない不安。とにかく不安だらけだった。


たとえ、治療法のない難病と判断されても病名が分かっただけでも進歩であり、やっと前向きになる第1歩となった。

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