第2話 亜蘭《アラン》❗❗❗

 ただ今、取り込み中なので手っ取り早く自己紹介をしておこう。




 僕の名前は、高梨 アユム、二十二歳。

 今年の春に大学を卒業した新任の高校教師だ。




 生徒たちからは名前が『アユム』なので、いつの間にか、『ポー』と言うアダ名で呼ばれていた。




 現在は、問題児の多い三年Z組の副担任をしている。


 中でも飛びっきりの問題児が姫乃樹 亜蘭アランだ。



 僕は校内を駆けずり回ってクラスメートに亜蘭かのじょの行方を訊いた。



「おォ~い、ちょっと訊くけど……!!

 亜蘭アランを見掛けなかったかァ~……?!」

 思わず息が弾んだ。


 廊下で話しをしているクラスの男女の生徒たちに声を掛けた。



 男の方は、女子に人気のイケメン男子、飯野 瞬だ。


 背も高くモデルのようにカッコ良い。

 わずかに目付きが悪いのがネックだろう。

 冷たい感じを受ける。



「え、さァ~ねぇ…… 亜蘭ならひとりで、屋上の方へ行ったけど……✨😏✨✨」

 飯野は意味深に微笑んで、上の方を指差した。


 

「ハッハハ…、どうせ彼女、ボッチだから、ひとりさびしく昼メシ食ってンだろォ~……✨😆🎶✨」

 隣りで飯野と腕を絡めている女子生徒のミリアがあざけるように笑った。



「ン……😓💦 そ、そうか……!!

 ありがとう……」

 何となく納得できないが、取り敢えず礼を言った。



 その足で、屋上への階段を駆け上がった。 


 屋上の塔屋とうやの重たい扉を開け、彼女の名前を呼んだ。



「おォォォ~ー~~~ーーィ…、亜蘭!!

 いるかァァァ~~ー~~ーー~ーー!!」

 息を弾ませ、グルッと屋上を見回した。

 だが、あいにく彼女の姿は見えない。



「チィ……!!」舌打ちをした。

 どうやら屋上ここにも居ないのか。




「ふゥ~ー……😔💦」大きくため息をついた。

 急いで屋上まで駆け上がったのに、くたびれもうけなのか。



 落胆し階段へ引き返そうとした瞬間、頭上から何か軽いモノが落ちてきて頭に、『ポコッ』と当たった。



「うッわァ~……😲💦」

 思わず驚いて、思わず退いた。

 目の前に丸めたビニール袋が落ちた。


「ン……?!」

 どうやら頭に当たったのはサンドイッチの空き袋のようだ。



「何だよ……!! これは?」

 ポリポリと空き袋を当てられた頭を掻いた。



「キャキャキャァ~~~ーッ😆🎶✨

 当たったァ~、当たったァ~ーーー❗❗」

 突然、頭上から明るい笑い声が響いた。

 若い女性の笑い声だ。


「えェ……❓❓」見上げると陽射しがまぶしい。

 逆光で少女の人影だけが映った。


 どうやら塔屋とうやの上に巨乳美少女が立っているみたいだ。



 まぶしくて顔は解らないが、ミニスカートなので眞下からのアングルだと、淡いピンクのパンティが丸見えだ。



「キャッキャッ、キャァ~~ー😆🎶✨💕💕」

 愉しげに手を叩き笑っている彼女は間違いない。



「ううゥ…😲💦💦 ア、亜蘭アラン……❗❗」

 僕の担任する女子生徒の姫乃樹 亜蘭だ。







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