第9話 友達の作り方―美玖莉


「ふわぁ…っ。」


あの後、アレックスとはロクに話が出来なかった。

一瞬会えたから"おめでとう"くらいは伝えられたけど、私が入れないくらいみんなに祝福されていたってのもあったし、何より恥ずかしくてあっさりとログアウトして帰ってきた。


疲れていたから早めベットに入って目をつぶったら、何度もアレックスがこちらに向けて両手を上げてるシーンが浮かんできて、全然寝られなかった。



寝不足のまま学校に来るとうっかりあくびが出たから、私は急いでそれを隠した。



「お、美玖めずらしいね。」



隠したつもりだったのに、ちょうど登校してきた杏奈ちゃんに見られてしまっていたらしい。見られてしまって恥ずかしいと思って目をそらすと、杏奈ちゃんはちょっといたずらっ子みたいに笑った。



「どうせまた遅くまで本読んでたんでしょ~。」

「へへ…。」



まさかゲームをしていたせいで遅くなったなんて、杏奈ちゃんには言えなかった。それからも杏奈ちゃんは元気に部活のこととかお家のこととかを話してくれていたけど、やっぱり寝不足らしい私の頭はうまく働かなくて、半分話を聞けずにいた。



「杏奈~。」


放課後になると、天音ちゃんが杏奈ちゃんを呼びに来た。私も見つけた天音ちゃんは手を振りながら教室に入ってきてくれて、私も何とか手を振って返事をした。



「あのさ、今日石橋先生が…」



二人は会って早々、部活の話を始めた。

私はその話を半分聞きながら、今日こそ天音ちゃんに"友達になってほしい"って言わなきゃって心に決めていた。


いつもなら勇気が出ないかもしれない。でも今の私には上位者闘争を戦って、まだミーシャになっていた自分が少し残っている気がした。だから今しかないんだと思って決意を決めたまま、二人の話が終わるのを待った。



「そうだね、じゃあ私…」

「あ、天音、ちゃんっっ!」



思っているより大きな声が出てしまった。

それにびっくりして二人がこちらを見ていたから、急に恥ずかしくなって私は下を向いた。


でもこれじゃ、また言う機会を逃してしまう。

私はもう一回気を取り直して、まだびっくりしている天音ちゃんの顔を見た。



「あ、あのね…。」

「ん?」



「私と、友達に、なって、ほしいです…。」



首をかしげてる天音ちゃんに、思い切って言った。気持ちはすごく思いきっていたけど、声はすごく弱弱しくて、最後まで聞こえていないかもしれないと思った。


言った後は断られたらどうしようと思って、しばらく天音ちゃんの顔が見られなかった。すると二人ともしばらく黙ったままだったから、やっぱり私となんて友達になりたくないよなって思った。



「ふふ。」

「ははははっ!

美玖面白いこと言うねっ。」


私が落ち込んでいるのも知らないで、二人は急に笑い始めた。

びっくりして思わず顔を上げると、二人はまだくすくすと笑い続けていた。



「ごめんごめん。」



不思議そうに見る私に、天音ちゃんが笑い泣きしながら言った。

友達になりたいって私が思ってるのがそんなに面白いのかなと思って見つめていると、天音ちゃんは「ふぅ」と整えるように息を吐いた。



「もう、友達だと思ってたよ?」



天音ちゃんは、あたりまえだって顔をしてそう言った。

私がまだポカンとした顔をしていると、杏奈ちゃんは私の肩を組んだ。



「ねぇ美玖。

友達ってなろうってゆってなるもんじゃないよ。

私たちだってそうでしょ?」



確かに言われてみたら、杏奈ちゃんにだって"友達になろう"って言ったことはなかった。でもいつしか自然と一緒に行動するようになってて、私も友達だって思って接している。



「そっか…。」

「うん、友達。」


天音ちゃんも杏奈ちゃんと同じように、私に肩を組んでくれた。それがとてもうれしくて「ありがとう」と言うと、二人に頭を撫でられて髪の毛をくしゃくしゃにされてしまった。



「じゃ、部活行ってくるね。」

「頑張ってね。」



その後二人はあっさりと、一緒に部活に行ってしまった。

私はもう友達になってたってのを知っただけでも嬉しくて、そのままちょっとニヤニヤしながら帰る準備をした。



寝不足で集中できなさそうだったから、今日は図書館に寄るのもゲームをするのもやめることにしていた。



そういえば、篠田君は本を読んでくれただろうか。


貸してしまったけど、もしかして迷惑だったんじゃないかってまたネガティブなことを考えつつ、その日はまっすぐ家に帰った。




その日は宣言通り、本も読まずゲームもしないですぐに寝た。

ログインすればもしかしてアレックスに会えるかもって思ったけど、でも今会っても何を言っていいのか全く浮かんでなくて、やっぱりおとなしく寝ることにした。


それに今週末には上位者闘争マスターズバトルに参加したプレイヤー限定で行われる、打ち上げみたいなパーティーがある。優勝者だからアレックスは当然それに参加するだろうから、その時には確実に会うことができる。


それまでは気持ちを落ち着けるためにもゲームはしないって決めて、今週は読書週間にすることにした。



「また新しい本読んでんね。」

「うん、読む?」

「読まない。」



よく寝たおかげか、昨日よりは頭をすっきりさせて授業を受けることができた。授業が終わって定番のやり取りをすると、杏奈ちゃんは風みたいに早く部活へと行ってしまった。


私も杏奈ちゃんを見習って風みたいにして片づけをしたつもりだったけど、私が教室を出るころには人がずいぶん減っていたから、全然風になれていなかったとおもう。どうしてこんなにどんくさいんだろうと杏奈ちゃんをうらやましく思いながら、私は久しぶりに図書館に向かった。



「あら、岩里さん。

なんだか久しぶりね。」



司書さんもそう思っていたみたいで、顔を見るなり言われた。

心の中では"最近は上位者闘争マスターズバトルが忙しかったからな"と思いつつ、司書の先生から最近入った本をいくつか教えてもらって、私はいつもの席に座った。



今読んでいる本の主人公は、とても正義感が強くて、でもちょっと不器用な男子高校生だった。何気ない恋の話なんだけど、"正義感が強い"ってだけでアレックスのことを思い出してしまう自分がいて、邪念を払いながらなんとか話を読み進めていた。



ダメだ。



いくら本に集中しようとしても、頭の中に浮かんでくるのはたくさんの観衆の中で片手を力強く突き上げているアレックスの姿だった。こんな調子ではいつまでたっても集中して本なんて読めない。


気分転換にでも家に帰ろうと思って本を閉じると、目の前には篠田君が立っていた。



「わ…っ。」


目の前に人が立っていたってことに純粋に驚いて、私は思わず声を上げた。すると何も悪くないのに篠田君が「ごめん」って言ったから、私は首を振ってそれを否定した。



「本、返しに来た。」



篠田君は相変わらずクールにそう言って、私に本を手渡した。渡した時は裸だったのに、篠田君はわざわざ袋に入れて返してくれた。丁寧に扱ってくれているってことが嬉しくて、礼儀正しい人だなって思った。



「ありがとう。」



丁寧に扱ってくれて、そして私の読んでいる本に興味を持ってくれてありがとう。そんな気持ちを込めてお礼を言うと、篠田君は「貸してくれてありがとう」と言った。



そう言ってくれるってことは、面白かったってことかな。



勝手にそう思ったけど、一言も感想を聞けてなかったからやっぱり貸したのは迷惑だったのかもしれない。私が勝手に一人でごちゃごちゃと考えていると、篠田君は「えっと、帰る、とこだった?」と聞きにくそうに聞いた。



「うん…。」



無理させてしまっただろうか。

私は本が好きだし、この作者の作品が大好きだから興味を持ってもらったことが嬉しくて思わず貸すなんていったけど、本当は本なんて読みたくなかったのかもしれない。


うつむいて私が考え込んでいると、しばらく黙っていた篠田君が息を大きめに吸う音が聞こえた。



「一緒に、帰らない?

感想も言いたいし。」



あ、感想、聞けるんだ。

一人でうじうじと考えていたのが一気にあほらしくなりながら、私は何とか篠田君の言葉にうなずいた。



もし今自分がミーシャだったら、なんていうんだろう。



篠田君とももしかしたら友達になれるかもしれないと思って何かを話したかったけど、やっぱりここでは私は"美玖莉"のままで、「いこっか」と言って先を歩いてくれている篠田君の背中を追うので必死だった。



思えば、高校生になってから誰かと一緒に帰るのって初めてかもしれない。それに初めて一緒に帰るのが男の子だなんて思ってもみなかった。


お母さんに言ったらびっくりするだろうな、なんてのんきなことを考えながら、私は何も考えずに篠田君について行った。



「どっち方面だっけ。」

「えっと、あっちでバスに…。」


一緒に帰ろうって言ってくれたのに、そういえば私はどこに住んでるのかも言っていなかった。もし反対方向だったらっておもったけど、篠田君が「僕もあっち」と言ってくれたから、同じ方向でとりあえずホッとした。



隣で歩くのは初めてだったけど、篠田君は思ったより背が高い人だなと思った。それなのに私に合わせてくれているのか、とてもゆっくりと歩いてくれたから、すごく歩きやすいなって思った。



「確かに設定は特殊だったけど、

すごいおもしろかったよ。」



しばらく無言で歩いていたけど、篠田君は唐突に言った。

唐突すぎて少し驚いたけど、私はなんとか絞り出して「よかった」と答えた。


それが本心なのかなんて私には分からなかったけど、自分の好きな本をおもしろいって言ってもらえるだけでうれしくなってしまった。嬉しくなってしまった私は思わず長々と感想を言いそうになったけど、それはさすがに嫌われそうだからやめることにした。



「感情の描写がすごくよかった。

自然と入り込めたからすぐに読めたよ。」



すると篠田君は、もっと細かい感想を聞かせてくれた。

その感想はまさに私と全く同じもので、私がこの作者さんを好きな理由でもあったから、同じ感情を持っているってことにまた驚いて今度は思わず篠田君を見上げてしまった。


あまりに私が変な顔をしていたのか、篠田君はすぐに目をそらしてしまったけど、その後すぐに「あと、セリフもすごくよかった」と付け足してくれた。



い、一緒だ。

全部一緒。



自分の心を覗かれたかのように、篠田君は全く同じ感想を持っていた。私はずっとクールな顔をして歩いている篠田君から目が離せなくなって、もっともっと彼のことが知りたいとすら思った。




「莉子(リコ)が太一(タイチ)に言った

最後のセリフ、特に好きだった。」



それは、私がこの小説を好きな理由と言っていいくらい、大好きなところだった。何度も何度も読んでいるからセリフを覚えてしまっている私は、思わずそこで「どんな形になっても、私を愛してくれますか」とそのセリフを口に出してしまった。



「私も、あのセリフ大好きなの。」



今まで何冊も本を読んできたけど、こうやって人と感想を共有できるのは初めてだった。それに篠田君は私の大好きなところを好きだって言ってくれて、嬉しくてうれしくてたまらなくなった。


私がその気持ちを抑え消えずに興奮気味に言ったのに対して、篠田君はやっぱりクールに「そっか」とだけ言っていた。私はもう自分の気持ちが止められなくなって、恐る恐る篠田君に本の話をしてみることにした。



「あの作者さんね、

いつも言葉がすごくきれいなの。」



あの作者さんの作品は、全部読んでる。いつも登場人物が言う言葉がとてもきれいで、読むだけでスッと心が洗われるような気持ちになる。さっきは気持ちが高まっていたから勢いで作者の話までしてしまったけど、興味なかっただろうか。



また弱気な私が戻ってきてそう思った時、篠田君は「へぇ~。気になる」と言った。



「まだ、あるよ…。」



大好きな小説たちだから、全部買って家に持ってる。

でもまた貸すなんて言ったらやっぱり迷惑かもしれないと思った私がそれしか言えずにいると、篠田君は「また貸してくれる?」とサラッと言った。



また、読んでくれるんだ。



私は嬉しくなって、首を大きく縦に振った。

すると篠田君は少し楽しそうに笑って「ありがと」と言ってくれたから、やっぱり物腰が柔らかくて優しい人なんだなと思った。



あ、でもいつ貸したらいいんだろう。



そんな当たり前のことを聞けずにしばらく歩いていると、篠田君が改まって「あのさ」と言った。


「面白いのがあったら教えてほしいから、

よかったら連絡先、聞いてもいい?」


篠田君はとても慎重に、そう聞いた。



よかった。いつ貸したらいいか聞ける。



直接話すよりもメッセージで聞いた方がかえって都合がいいと思った私は、「うん、お願いします」と素直に言った。私の連絡先を教えると、篠田君は「あとでメッセージ送るね」と言ってくれたから、私から送るのは無理だと思っていた私は、そこでまた少しホッとしてしまった。



「ただいま~。」



その後すぐにバス停に着いたから、篠田君に見送ってもらって私は家まで帰ってきた。本当に連絡してくれるのかは分からなかったけど、私は念のためその作者さんの中でも特に好きな本を一つ選んだ。



「お母さん、袋ある?」

「どういうの?」

「これ、入るの。」



篠田君にもらった袋に入れればいいかなって思ったけど、それも失礼かなと考え直してお母さんに袋をもらった。するとなぜだかお母さんはすごくニヤニヤしながら、いい感じのサイズの袋を私に手渡した。



「貸すの?」

「うん。」


お母さんは「ふ~ん」って言ってけど、全部わかってるって顔をしてニヤニヤしていた。私はバレてることが急に恥ずかしくなって、思わずうつむいてしまった。



「こないだ言ってた子に?」

「ううん、違う人。」



私がそう言うと、お母さんは「へぇ!」と少し驚いて言った。何に驚いたのか不思議に思って顔を上げると、お母さんはニコニコして私を見ていた。



「こないだの子とは、

友達になれた?」

「うん。

もう友達だって言われた。」


「そっか」と言って、お母さんはまた嬉しそうな顔をした。もしかしてあまりにも友達がいないから心配させていたのかもしれない。私はこんな暗い子に育ってごめんねと、心の中でお母さんに謝った。



「本を貸す子も友達なんだね。」

「友達…。」



なのかな。

篠田君は男の子だし、杏奈ちゃんや天音ちゃんと違ってそんなにたくさん話をしたわけでもないから友達って呼んでいいものなのか分からなかったけど、友達ってのは成ろうと思ってなるものではないらしい。


よくわからないなと思っていると、お母さんが私の肩に手を置いた。



「本の貸し借りをしたら、

それはもう立派な友達だと思うよ。」

「そ、っか…。」



友達、なのかもしれない。

あえて言わなくても、篠田君とももしかして友達になれているのかもしれない。友達が出来るって、こんなにうれしいことなんだな。


私がそう思って袋に入れた本を両手で抱えていると、お母さんは「ふふ」っと声を出して笑った。



「もう!お母さん!」

「ごめんごめん、

ご飯だから手洗っておいで。」


お母さんはそう言ってごまかしたけど、私は膨れっ面をしたまま手を洗いに行った。



ご飯を食べた後、私はすぐに宿題をしてまた本を読み始めた。

普段ならゲームをしていてもおかしくない時間だったけど、週末まではログインしないと決めていた私は、今度は集中できるように大きく深呼吸をしたあと本を読み始めた。



深呼吸には、結構効果があるらしい。

さっきはたくさん邪念が入ってきたはずだったのに、今度はスイスイと読み進めることが出来て、あっという間に全部読み終わってしまった。




「恋…。」



最近、本当に恋愛の本を読むことが増えた。

意識して選んでるわけじゃないけど、無意識に選んでいるのは、やっぱりアレックスに恋をしているからなんだと思う。


恋をしたことがない時は自分がこんな風になると思ってなかったけど、本で読んでいた通り、恋をするとその他のことが手につかなくなるくらいその人のことだけを考えてしまうようになるらしい。



「何、話せばいいの…。」



さっきまで本に集中していたけど、やっぱり読み終わったら思い出すのはアレックスのことだった。金曜日までにちゃんと考えなきゃと思ってはいたものの、考えても何を話せばいいのか全然浮かばなくて、私は一人ベッドの上でぐるぐると回っていた。



その時、めったにならない私のスマホが鳴った。

だいたい杏奈ちゃんに宿題のことを聞かれることが多かったから急いで開いてみると、来ていたのは篠田君からのメッセージだった。



"こんばんは。篠田です

本、貸してくれてありがとう。

面白い本があれば貸してね!"



篠田君らしい、あっさりとした文章だった。

でもフランクに貸してねと言ってくれることは本当に嬉しくて、私はスマホを見て思わず笑ってしまった。



「えっと…。」



返信しようとスマホを持ったけど、なんて打てばいいのか全く浮かばなかった。メッセージを送りあうなんて杏奈ちゃんとくらいしかしたことがないし、男の子の連絡先を知るのはこれが初めてだった。



「どうしたら…。」



なんて返せばいいのか相談したくて、杏奈ちゃんに聞いてみようかなとも思ったけど、そんなことを聞くのは迷惑だと思いなおした。


私は意を決して文章を作り始めたけど、"岩里です。"までしか打てなくて、いったんお風呂に入ることにした。


当然だけど、お風呂から出てもなんて打てばいいのかいい案が浮かんでいるわけではないかった。でも返信しなきゃいつ貸したらいいか分からないままだって思った私は、勉強机に座ってスマホを持った。



「"明日、持ってっていいですか?"

いや、いきなりすぎか…。」



もう本は用意していたから持っていくことは出来たけど、それをいきなり聞くのも唐突すぎるかなと思って、文章を足すことにした。



「足すなら…

"ねぇっ!"とか?」


杏奈ちゃんがよくゆってる気がする。

でも杏奈ちゃんにすらそんなこと送ったことないのに、篠田君に送るのはさすがに違和感があるかと思って、一度打った文を消した。



「う~ん。

"ありがとう"とかか…。」



一度振出しに戻って私が篠田君に何を伝えたいのか考えてみたら、最初に浮かんできたのは"貸した本を読んでくれてありがとう"ってことだった。


「それだ。」


私は挨拶の後に"読んでくれてありがとう。"の文章を付け足して、明日小説を持って行っていいかというのも付け足した。


「よし。」


何度も読み返して、失礼がないか確認した。

でも何度読み返しても失礼な気もしたし、大丈夫な気もして、よくわからなくなってしまったから、もうあきらめて送ることにした。


「えいっ。」


一つメッセージを送るのに、こんなに緊張している女子高生ってどうなんだろう。やっぱり私ってすごく情けないなと思いつつ、私は行ったんスマホを置いた。



それから明日の準備をしていると、15分くらいしてまた篠田君からメッセージが来ていた。



「"ありがとう。嬉しいです!"だって。」



私も嬉しいな。

本当はそう言いたかったけど、夜も遅かったしこれ以上返信に気を使わせるわけにはいかないとおもって、私は"OK"のスタンプで簡単に返事をした。


本って読んでるだけで楽しいけど、"友達"の感想を聞くのって、こんなに楽しんだな…。

物心ついたころから本を読んできたのに、初めてした発見が嬉しくて、その日はウキウキしながら眠りについた。

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