本編

S1 唐突に怖い話をするも喋り方と表現のせいで全然怖くない忍田ハコベ【ENOKI切り抜き】12月15日

1:【朗報】市姫、剣道だけじゃ飽き足らず柔道にも手をだし無事2冠(822). 2:【悲報】冬泉コーポレーション、謎の新商品を展開vvvvvvvv(59). 3:ワイ「かわいい女の子になりたいなぁ……せや!」(185). 4:最近変なもんが見えるんやが……(291).


「うーん……。おっ、ハコベちゃんのライブ配信してんじゃーん」


スーパーチャット ワシトウ 50,000 今日も来たよ

おうやべーぞ

はええんだよまだ始まってねえ

どこの石油王だよ……

スーパーチャット ライム 1,000

スーパーチャット  羊毛フェルト 50,000 ハコベちゃんの配信だ!

始まってないのにどんだけ金出してるんだ

やべえよやべえよ……


ハコベ:

はいみなさんこんにちは。あっそういえば今もう24時ですね。今日は、夕闇通り探検隊をやっていこうかなって思ってます。そういえばなんですけど、やっぱりヒナちゃんポケモンすすめるの早いですよね。私まだヤローさんにもうボコーボコーにされちゃって、ちょっとしょんぼんってしながらイヌヌワンちゃんを育ててるようなくらいなんですけどね……。遅いってわけじゃないですよね!?そうですよね!?あー何の話してたんだっけ?あーそうだ夕闇通り探検隊だ。私ホラーゲームってやったことないんですよね。怖いのダメなんですよ。お兄ちゃんについひっついて隠れるくらいにいは昔からダメだったなぁって思います。映画の名前なんだったかなぁ。そう、しんちゃんがアミーゴしながら踊るやつなんですけど……。タイトルが……!あっわかってもらえました?それですそれです。私あれからホラーっぽいのすらダメになっちゃって。私ホラーゲームは全然なんですけど、怖い経験はしたことあるんですよ。私その時学生で、電車通学してたんですけど。部活も結構ちゃんとやってたんですよ。じゃあついつい寝落ちしちゃって。気がついたら知らない駅だったんです。もうなんていう駅かは忘れちゃったんですけど。終電かな?って思ってつい降りちゃったんですけど、もう周り何もないんですよ!!!山、山!森!!!もうダメだ……。学生だしお金もないしでベンチで一夜を過ごすつもりでもいたんですけどお祭りみたいな音が聞こえて!こちとら寝ようとしてたのでなんだようるさいな!!!御御輿なら私の耳に聞こえないところでやれよあーあーきこえなーい!!!ってやってたら、もうパチンコ屋さんかな?ってくらいうるさくなったんですよね。トンネルも近くにあったし、あー?って思ったんですけど。イヤホンして寝たんです。で、起きたら家のベッドだったんですよね。怖いですよね!!!?よね!?もうほんと私怖くって。暫く部活サボってたくらいですよ!ほんと!!もう電車で寝落ちとかできないですね……(ry


「相変わらず良かった。時間忘れるわあのぽわぽわボイス。さてトレンド……」


おすすめトレンド


#メンテの日なのでSSを貼る

#ななくさあーと

このはちゃん

きさらぎ駅


「きさらぎ駅……?ああ、2chのな。結構ガセってわかった上で楽しむよな。ああいうのって」


――東北本線 電車内――


▶終電っていうこともあって、人はまばらですね。見る限り自分を含めて3人しか乗ってないように感じます

▶本来はもう少し乗ってるはずなんですが、寝落ちしたみたいですね。最寄りの宇都宮は通り過ぎ、トンネルの中を走っているのか暗いです

▶見覚えのない暗い光景になりますね。男の声で、「まもなく終点になります。お忘れ物のないようにお気をつけください。一度この駅で降りてください」と、気の抜けた声でアナウンスします


元木「――あれ?……、電車……。マジカ……。寝てた?……どこだろ……」


▶元木はボソボソと独り言を呟き、ノソノソと外に歩き出します。


早乙女「……は!?寝てた!?――降ります降ります!!」


▶早乙女は開閉ボタンを押して飛び降りるよ


稲生「う……、ん……。あれ……、ここどこだろ……?もしかして終点……?どうしよ……」


▶最後にひっそりと降りるよ


――東北本線? 月の宮駅――


▶駅名標には 月の宮 と書かれていますね。かなり寂れている様子で、小さい小屋のようなものがあるだけで、改札なども見当たりません


元木「――どこだよ……。ゥゥッ!……トイレトイレ……」


▶元木 早乙女 稲生 聞き耳で判定

 失敗 失敗 失敗

▶では、それぞれの位置で祭囃子のような音が聞こえてきます。何処から聞こえてくるかはわかりませんでした


元木「お祭り……?こんな時期に……?――どうでもいいや……。これトイレじゃないのかよ……」

早乙女「何々? 祭りでもやってんのー? 寒いんですけどー」

稲生「……?お祭りでもやってるのかな……。どこでだろう……新しい狐のお面買えたりしないかな……」


▶元木は駅員の改札をチラ見した後ため息をつき、ボソボソと悪態をつきながらトイレを探していますね


▶元木 ナビゲートで判定

 成功

▶トイレを小屋の中で見つけます。ただ、駅員などはおらず無人でガランとしていますね。


元木「――ホントにどこだよ……。駅員一人いねぇじゃん……てか今日帰れるのか……?」


▶早乙女は時刻表を探しますがありませんでした。この駅には時刻表はないようですね。


稲生「ちょっと気になる……、けど……。まずこの状況をどうにかしなきゃ……。帰れるのかな……?」

元木「――近場で泊まれそうなとことかあるのかな……。探してみるか……」


▶スマホの電波は一応繋がりましたが、時間表示がバグっていますね。何故かググっても5chのオカルト板しか繋がりません。

▶街灯などはありますが、トンネルに繋がる道にまばらにあります。トンネル以外はほぼ真っ暗と言ってもいいでしょう。山と田んぼが薄明かりでぼんやり見えるくらいですね


早乙女「月の宮ってどーこさ。っと何もないじゃん!ってか、今7時とかになってるし、スマホ壊れたんけぇ?」

元木「――んだよ……。案内板もなけりゃ街明かりもないじゃん……どんだけ田舎なんだよ……、こんなとこが終点って考えた奴馬鹿なんじゃねぇのか……」


▶元木はその場でぐるぐると回りながら考えています。すると、月の宮駅の改札口、気づけば電車すらなくなっているホームの真ん中で大きな引き戸の和風の扉が出てきます。


早乙女「え? なんあれ……?」

元木「――は?……どこでもドア~……!てか……?……ンフッ」

稲生「ひゃえっ……!?え……、なに……扉……?なんで……何もないとこから……?」


▶扉がガラッと開き、女性がすたすたーっと降り立ちます。自分より大きい刀を持っています。Tシャツ姿で肩をぐるぐるーっと回していますね


???「さて、噂の処理でもしますか。って人いるじゃん。斬るか……?」

???「やーやーそこの人間達ー、人間なら自己紹介しろー。しないなら真っ二つだぞー」


早乙女「ちょっとちょっと、そこの少年。なんか物騒なこと言っている女性がいるんですけどこういう時どうしたらいいと思う?」

元木「――とりあえず名乗っとかないとダメな流れだとおもいますよ……」


稲生「えっ……、えっ……?えっと……あの、えっと……。い……、稲生天、です……?――まだ電車で夢でも見てるのかな、私……?」

元木「ハァ……。帯刀さん……、元木です……」

帯刀「んんー?あれ、見覚えのあるのがいますね……。でも夜叉じゃないのもいるし……、名乗らないし。とりあえず幻影かもだし斬ればいっかな」


▶帯刀は適当に刀を鞘から抜いて鞘を投げ捨てるよ。鞘よりも2倍近く長い刀が

月光に照らされて、銀色に輝いています。


早乙女「真っ二つにされたくないんですけど、人間ですけど、コンビニバイトのあと終電で帰ろうとしたら乗り過ごしした早乙女愛ちゃんですけど、てかあなたは誰ですか? 斬らないでよろしく?」


帯刀「なんだ3人共人間か……。人間!?こんなところに……?えぇ……栃木に適正持ってるやつまだいたんだね」

元木「帯刀さん……。俺もよくわかってないんですけ……、噂の処理って……?――ここ……、どこです?」

帯刀「ここ?きさらぎ駅。っていうよりきさらぎ駅のイメージ集合体って感じかな。っていうかこの子達、マジで人間?」

元木「――俺もさっき会った?……ばかりなんで……」

早乙女「人間ですけどぉ、そりゃ可愛い愛ちゃんみたらお人形みたいだと勘違いするかもだけど至って普通の人間ですけどぉ。なんなら健康診断の紙でもみますかぁ?」


▶早乙女はバッグからゴソゴソと健康診断の紙を取り出しますね。少ししわくちゃです。


稲生「ほっぺたつねーっ……、いひゃい……。夢じゃない……。――というか人間じゃないってなんなの……幽霊でもいるの……?」

元木 「――会話はできるみたいですね。」

帯刀「マジで人間っぽいなぁ。元木くんといい最近は有望なやつたくさん拾えるかもで嬉しいわ」

帯刀「ま、私も色々と説明するの苦手なんですよね。瀬川さんにおまかせしちゃってるし。ということで大道芸でも見てもらいます」

早乙女「えーと元木くんっていうの少年。知り合いそうだからとりあえずあのでっかいカタナ仕舞ってもらえ――」


▶帯刀は右手を何もない所に伸ばし、自分より大きい丸太を取り出して上にぶん投げ、踊るような太刀筋で木彫りの熊を作るよ


帯刀「ま、こんな感じ。物理法則とかもろもろ無視できるんですよここ。実はね」

元木「――見た目のわりに器用なカービングですね……。じゃあここは……、悪鬼内ってことですか……?」


▶更に帯刀はバックステップでぴょんぴょん跳ねて屋根にジャンプで飛び移り、くるくると回転しながら戻るときに刀を振るって木彫りの熊を細切れにしました


早乙女「――れ……ば!?すっごっ!?なんなーそれっ!?え!?――飛んだ!?熊バラバラになってるし!?」

稲生「――やっぱり夢なのかな……。自信が持てなくなってきた……」

帯刀「ま、そういうこと。面倒だし代わりに説明してくれる?」

元木「……そういうのはもっと適役の人にしてもらってください……」


▶元木は徐に屈むと、体の内側から黒いオーラを漂わせ始めるよ。背中を反らすと同時に、霧のようなオーラが爆発し全身をオーラが包み隠した瞬間に変身を完了させたよ。目元を隠す程の長い前髪は後ろに逆立ち、右目だけ白く発光していますね。上半身がはだけ、MMDの初期設定のようにはためき続ける漆黒のマントを纏っています。指ぬきグローブに龍の紋章をしたシルバーのごついブレスレット、過剰に破れたダメージジーンズの風貌です。


早乙女「ははーんなるほどね! 少年とお姉さんはこういうサーカスとかの人なんけ――」

元木「ま、こんなとこか?最強の自分をイメージして、具現化する、そして、戦う!」

帯刀「もっと詳しく言わないと私が怒られちゃうじゃーん。ここは悪鬼ってところなの。思い描く理想の自分になれて、運動技能とか魔力を引き上げてくれるのよね。ま、いろんなやつに変身できる感じなの。こういうのになりてーに忠実になれる場所」

早乙女「変身したー!? 少年も早着替えとかできるん!? すごない!?」

元木「ふん、そんな小細工などではない、あんたもできるはずだ。…準備ぐらいする時間はあるだろうからな」

早乙女「いやいや無理無理。そんな早着替えとか私不器用だけぇ……///」

帯刀「そこのヤバイお姉さん。あなた、欲望はある?」

稲生「ふえっ、わ、私……、ですか……?――それは……もちろん、ある……。と答えたら……、私、どうなっちゃうんですか……?」

帯刀「なりたい自分になれる、かなあ。私は殴れて早い感じで!ってなったらこの刀もらったよ」

稲生「なりたい自分……?――なりたい、自分……」

早乙女「え?マ?マ?――で言っているん?私も早着替えできるようになるん?」

帯刀「ま、なりたい自分になれなかったら契約的に斬っちゃわないとダメだから、頑張ってなってね」

元木「そうだ、理想を描け!理想がそのまま力になる!体内のマナを感じろ!爆発させるのだ!」

早乙女「ちょっと待って、3分頂戴。整理するから、早着替え……早着替え……んー。でも変身って言われてもねー」


▶突然何もない空間から円柱状の薄いカーテンだけの簡素な更衣室が現れ、愛を誘うようにカーテンが開かれます。早乙女は周りをキョロキョロ見ながらも中に入り、中にあった制服に手をかけるよ


早乙女「マ?ここで着替えろっての?生着替えじゃんエローい^^ごじゃっぺ? これ制服じゃーん! やーん嬉しーかもー↑↑」


▶足元に先まで着ていた服が脱ぎ落ち、シルエットだけ黒く投影されながらカーテンが巻き付くように掻き消え、丈の短いピンクナース服と、薬箱を持った早乙女が謎のフラッシュと共に出てきます


早乙女「じゃーん! めっっっっちゃよくなーい? ピッタリなんだけどー!早着替えじゃなかったけど理想の姿に変身ってこういうこと?」

元木 「ふっ……。上出来だ」

帯刀「その服やばいなぁ。変身の理屈ではそうなんだけど、今はともかく10年後恥ずか死にそう。先輩にそういう人いるんだよねえ」

早乙女「美人薄命って?私長生きしたいんですけどー……。――お?そっちの恥ずかしがり屋さんも変身するんけ?――するんけ?」

稲生「――私の欲望、理想……。ソラを着ている……ソラになっている時の私……誰とでも緊張せずに話せるような……。そんな……、わわっ!?」


▶一人うんうん唸っていた天の頭上に、巨大なトランクが落ちてきて天の全身を包み込み、そのままガタガタと動いてゆっくりとトランクケースが開くよ


稲生「んん……。私……、どうなって……?あれ……?この服……、この髪の色、長さ……。え……、もしかして……!?――か、鏡ありますか……!?」

早乙女「ほいほーい。小さいけど」


▶鏡に映る姿は思い描き、幾度とも恋い焦がれたソラの姿そのものだった。狐耳、ウィッグ感のないさらさらとしたブロンド、キラキラと黄金色に輝く尻尾……。ドール特有の硬質感やコスプレ感もなく、まるでそこに存在しているかのような。いやしているソラそのものだった。


元木「それがあんたの最高の自分か、よかろう。」

帯刀「おーおーおめ。できないならバッサリするところだったわ。まだ2桁クラスまで殺人はしたくなかったのよね」

帯刀「ま、詳細は瀬川さんに聞いてもらうとして君たちVtuberってしってる?」

元木「もちろん知ってる。それが今関係あるのか?」

ソラ「もちろん知ってますよ。ソラの格好はVtuberさんに影響を受けたんですもん。」

早乙女「つべに出てるアニメのキャラになりきってるやつ?」

帯刀「なりきりってより本人とキャラの境目にいるんだけど、今回君たちが巻き込まれたのがまあVtuberのせいなのよね」

早乙女「そうなんけ?よー知らんで///」

元木「ほう……」

帯刀「きさらぎ駅って言ってないけど、それっぽいエピをVtuberが喋ったせいでファンが反応して、トレンドに乗ったのよ。じゃあ色んな人がきさらぎ駅に思いを馳せる。するときさらぎ駅が、悪鬼っていう夢の空間で具現化するわけ。この辺の理屈は私もわかってないからパスね」

元木「フッまるで妖怪かなにかだな」

帯刀「これをほっとくとね、本当にきさらぎ駅が存在することになるの。あるかもしれないっていうのはない可能性が100%じゃないからだって。知らないけどね。実際本当に現実世界にきさらぎ駅があるかどうかはわかんないけど、イメージの中のきさらぎ駅そのものが、伝承やイメージ、二次創作によって作用して行方不明者続出させるわけ。これを潰すために来たわけ」

早乙女「じゃあ、そこにたまたま私らが迷い込んだってことなんけ……。はた迷惑なぁ」

帯刀「適正がなければそもそももう死んでるから、そこに関しては運良かったね。ない場合はそもそも起きれないし。伝承通りに動く人形と一緒よ。あれよあれ、ホラー映画の餌枠みたいな」

早乙女「ひえー」

ソラ「ああー、理屈は分かるような、分からないような……。ソラたちみたいな変身出来る力、想いの力?が悪い方に作用しちゃってるってことかな」

元木 「なるほど、だからと言って適当にそこらへんを破壊すればいいというわけではないのだろう?」

帯刀「そそ。悪い方の想いの力、えっと……。ごめん、思い出せない……。ま、こういう場所ってのはボスがいるから、変身パワーのスペシウム光線で殴り飛ばすと空間ごと消えるのよ。殴れば終わり。かんたんでいいよね」

早乙女「雑ぅー。で、説明されたってことは私らも戦うんけ? お姉さん一人で大丈夫そうな気もするけど」

元木「フン……。モンハンで寄生プレイを平気でできる人間か?――ならばそれをどう思うかはわからんか?」

帯刀「新人というか手駒いないと、いつかジリ貧で負けちゃうのよね。幸い一瞬のトレンドくらいのやつだし、雑魚だから自分たちだけでやって。死にそうなら助けてあげるから」

ソラ「ええー……。ソラになって1時間も経ってないのにもう実戦しろって……?そもそもどう戦うかすらわからないよ」

早乙女「ゲームは苦手で///見るのは好きなんけぇど。一緒に戦ってくれんの? 私とか変身したって言っても看護師さんけぇどうやって戦うん?――これで殴ればいいん?」


▶早乙女は薬箱をブンブン振り回していますね


元木「喜べ、手頃なデビュー戦だ。これから背中を預ける仲間の実力。見せてもらうぞ。」

ソラ「そういうおにーさんは一緒に戦ってくれるの?」

元木「ふん、俺が腕組後方彼氏面で観てるだけの役立たずにみえるか?舐められたものだ」

帯刀「看護師なら回復、そっちのヒナっぽいのはまあなんか殴り飛ばせるでしょ。

ヒナはいいぞー。脳筋だし、わかりやすいし、脳筋で殴り飛ばすプレイしかしないから。見てて気持ちいいのよ」

早乙女 「回復?――ゲームみたいに癒せるんけぇ?マ?それ嬉しすぎやーん↑↑」


▶薬箱を開けると薬箱より2回りは大きい注射器が入ってたよ


早乙女「……これでぶっさせって?いいの?やっちゃっていいの?」

帯刀「いいですよ。昔の先輩も私にセクハラして抱きついて回復させたりしてましたし。過程はともかく治療をした結果さえついてくればいいんよね」

元木「手段は任せるが結果は出せよ?」

早乙女「お、点滴の袋入ってんじゃん。栄養ドリンクもー」

ソラ「えっ、ヒナ……?この姿でヒナ……、もしかして……柏木ヒナちゃん!?わー!ソラの誕生のきっかけの一人だー!ということはヒナちゃんも戦ってるの?」

帯刀「らしいよ。同期の教え子なんだって。いつか会えるんじゃない?――ま、それは置いといてきさらぎ駅のラストってトンネルの奥なのよ。まずそこに行こっか」

ソラ「そうなんだー、会えるかなぁ……。ちょっとやる気も出てきたよ、ソラも頑張ろうっと」

早乙女 「やる気出てきたわぁ↑↑よーしそのボスってのに会いに行くわよー↑↑」

元木「ふん……。始まったばかりだろうが、終わらせてやる」


▶元木は口角をつりあげてトンネル側にニタァと微笑むよ


――月の宮 トンネル――


▶トンネルに伊佐貫って書いてますね


帯刀「瀬川さんによると、きさらぎ駅の逸話でここの奥からは情報がないの。ってことはここの奥にボスが居るってこと。ダンジョンになってるっぽいけど……」


▶そう言うと帯刀は徐に刀をぶん投げて、一緒にダッシュしていくよ。そのうち刀を片手に持って一人で戻ってきます


ソラ「うわー……、なんだろう。駅から見た時は特に何も感じなかったのにさっきの話を聞いたからかすごく雰囲気が悪いというか……。長居したくはないねー……」

早乙女「罠とかあったりするんけ……?」

元木 「――雑だな。」

帯刀「ま、手駒候補に死なれると困るしダンジョン攻略してきたよ。奥にボスもいたしあれボコってきて。罠も潰してきたからコケないようにゆっくり歩いていこっか」

早乙女「クリアしてんじゃん」

ソラ「ええー……。それもうあなただけでいいんじゃ……、いきなりボスって……」

元木「やれやれ……。至れり尽くせりだ。」


▶両手をあげて首を横に振ります


帯刀「レベリング大事だからね。じゃ、頑張って。危なくなったら助けてあげる」

元木「フッそれじゃあ!行くぞ!」

早乙女「よ、よーし。お姉さんの優しさに応えるけぇ!」

ソラ「えー……。おにーさん、到着するまでに少しでも良いから戦い方を教えてね……?」

元木「戦い方はそれぞれ違う、やり方は自分に聞くことだ!」

帯刀「偉そうなこと言ってるけどまともな実戦は元木くんも初めてだから……。でも言ってることは間違いないよ。その子だったらどういう戦いをするかをイメージするのが大事だよ。私は殴る、死ぬって感じだったけど」


――トンネル奥――


▶茶髪のセミロングに白い和服、小さく見える狐耳、ブーツというすごい格好をした女の子が朗らかな顔で微笑んでますね。忍田ハコベだな、と見覚えのある人はすぐ思い至ります。


元木「居たな、わかりやすく人間ではないな。」

ソラ「んん……?あの格好……。あの人も狐っ娘系Vtuberまとめでみたことあるような……?」

早乙女 「ソラちゃんの方が可愛いけぇこれはもう勝ったも当然やね!」

ハコベ「こんにちは。って言ってももうそういう時間じゃないし、そういう場所でもないですよね。あんまり迂闊なこと喋っちゃだめですねえ。すーぐ羅刹として呼び出されちゃうというか」

ハコベ「実体がないって便利ですよね。こういうときふわっとした噂でも定形保てたりしますし。そういえば最近プリン作ったんですよ。でもバケツプリンで、固まらなくて苦労してですね」

ハコベ「本能?って言うとちょっと違いますね。性質、かな?かな?私は平和主義でこういう荒事って得意じゃないんですけど」

ハコベ「そういう星の下に生まれてきちゃったからには、それに従うしかないんですよね。人間寝ないと生きることもできないですし」


▶と言うと、ハコベは袴から古い銃を取り出してカチャカチャとリロードします


ハコベ「スナイドルしかもってなくて恐縮ですけど、死んでくださいね、私のために」

ソラ 「え、あ、えへへ……。じゃなくて……、あの人……。何だか一方的に話してるし……って、あれは……、銃……!?」

早乙女「殺す気満々やんあれー! はよ少年あの怖いのぼっこしてーよー!」

元木「ふっ……。わかりやすく敵対意思を表してくれたじゃないか、ますます初心者向けだな」


▶元木はやれやれとニヒルなポーズを取りますね ┐(´~`)┌ ヤレヤレ


帯刀「ま、あんな感じで会話出来そうで出来ないのが羅刹、ボスの特徴なの。自己紹介できないなら斬るのも妥当でしょ?」

早乙女「私らもあんな殺意丸出しなのと同じ扱いされとったんけぇ……」


▶戦闘前行動 元木 橙


 戦闘開始!


ハコベ「リロード待ってくれるなんて、ブラッド・スポーツを楽しませるスポーツマンシップがありますよね。躊いなく撃っちゃいますから」

元木「遅いぞ!ヤイハ!」

早乙女「さぁ少年!いけぇ……って後ろに居るじゃん!」

ソラ 「なんでみんなソラの後ろなのー!一人じゃヤバいよう……」

早乙女「だってー銃持っているしー怖いしー」


▶元木 八橋


元木「ゆくぞ!ッハシヤ!」


▶ソラ サモン鳥


ソラ「戦い方もよく聞けなかったけど……。多分全部同じ変身と理屈!想いの力を込めればいける!多分!このいつの間にか持ってた魔法陣が描かれた札に想いを込めて!――――なんかでろー!」


▶鮮やかに光るように燃える焔を纏った鳥が出てきますね


ハコベ「こういうのってうまく狙いが定まらないんですよね。もうちょっと訓練しておくべきだったかなぁ。慣れてないんで、避けないでくださいよ」


▶ハコベ 通常攻撃

▶ソラ 戦闘回避

 成功 成功[人間振り直し]

▶早乙女 ホーリーライト

 12ダメージ

▶消毒液パックを砲丸投げのように投げて、ぶちまけるよ


ハコベ「うーん当たりませんか。もっと実戦経験積んでおくべきでしたね」

ソラ「わわわっ……。すごそうな鳥さんは出たけど何だかすごく疲れたところに撃ってくるなんて……!ひとでなしー!人じゃないか!」

早乙女「撃ってきた!――正当防衛ってやつだよね!これでも……くらえ!」


▶元木 リリカ

▶燃える鳥 ファイア

 24ダメージ

▶ソラ 見切りで判定 通常攻撃

 成功 失敗

▶燃える鳥は全身の炎を口元に集め、敵に向けて放出したよ


元木「まだだ!タウナウ!」

ハコベ「危ないなぁ。ペットの管理はしっかりしないとダメだよ?今はどこでも放し飼いしたらいけないんだからね」

ソラ「不死鳥くんすごい……。ソラも負けてられないな、てやーっ……!!!!――おとと、ふらついちゃった……。やっぱり疲れてるぅ……」

ハコベ「私もふらふらなんですよね。とっておき、決めちゃいます」


▶ハコベ 手ブレ散弾(対象を2人に増やす)通常攻撃

▶早乙女 元木 燃える鳥 戦闘回避

 失敗 失敗 失敗 失敗 9ダメージ 13ダメージ[元木:オンリーイベントカタログ] 11ダメージ 7ダメージ

▶ハコベは薬莢をボロボロ落としながら古い銃をバシバシ叩いて火薬を詰め込み、まとめてぶっ放したよ


ソラ「ふ、不死鳥くん……!ソラを庇ってくれたの……!?」

早乙女「キャアア!?……痛い痛い痛いっ!!」


▶早乙女は半泣きになりながら脇腹を押さえますね


元木「ぐっくぅ……!やるではないか!」

ハコベ「うーん死なない。散弾撃てば普通死ぬんだけどなぁ」


▶早乙女 ヒール 元木

 11回復


早乙女「痛い……。けど、少年動けそう……?動けそうなら……!これでアイツをぶっ飛ばして!」


▶元木の尻に注射器を思いっきりぶっ刺して緑色の液体を注入します


元木「お、まて、確かに手段は任せるといったが―うおおおおああああ!!!!」


▶燃える鳥 [ヤマメ]通常攻撃

 成功 11ダメージ


元木「刺せ!クグモド!」

ソラ「不死鳥くん!さっきはありがとう!もう一回やっちゃえ!――え、燃料切れ?そっかー……。じゃあダイレクトアタック!」

ハコベ「くぅ……。忍田ハコベのチャンネル登録をよろしくお願いね……」


▶ハコベは膝をついてサラサラと消えていきます。一緒にトンネルも崩れていきますね


元木「ふん。終わったか、手を下すまでもなかったようだな。アノテーションを忘れなかったのは高評価を押してやる。」

早乙女「痛いけぇ……はよ帰りたいぃ……」

帯刀「はいおつかれ。あのハコベちゃんは羅刹のハコベちゃんで、本来のハコベちゃんとは違うから気をつけてね。いつかは自分も殴り飛ばすし、割り切りも大事よ」

元木「わかっている。帰還しよう。」

ソラ「うわわわ、倒した途端なんか凄い不安定になってる……。――あ、不死鳥くん、帰るの?さっきはありがとね、またねー!」

帯刀「今回は私のどこでもドアで一緒に帰るけど、いつもは自分は空想上の存在じゃなくて現実にいるって引き戻してくれるオタグッズ持っていってね。紅葉はキノの旅を推奨してるけど、オタアイテムならなんでもいいよ」

帯刀「お外に出ると変身消えるからね。さあ入って!」

元木「今回は突入したわけではないからな、準備できなかった。ありがたく利用させてもらおう」


▶帯刀はなにもない空間でドアノブをひねって、扉を開くよ。なぜか引き戸の扉が出てきて、とっとと入っていきますね


早乙女「また何もないとこから扉が……」

ソラ「さっき自分を殴り飛ばすとか聞こえたけど……。そんなことより、変身解除されちゃうの!?うわわわ、顔隠しながら行かなきゃ……」


――光綿市 光綿支部紅葉――


瀬川「おつかれ帯刀くん。Vtuberは影響力が高くて毎日共同でお金出してるだけはあるよ」

帯刀「もっと生産的にお金使いましょうよー。先輩と一緒に何二次元に入れ込んでるんですか」

瀬川「あれは僕たちの夢だよ。何度言ったらわかるんだい帯刀くん」

元木「――ありがとうございます……」


▶元木はそそくさと隅っこの椅子に座り、ボソボソとどこを向いてるのかわからないお礼を述べるよ


早乙女「ここどこ? 電車の中とかじゃないみたいだけど?」

稲生「え……?さっきの駅でもない……全然知らない場所……。ここ、どこ……?」

瀬川「おっと、新顔がいるね。スカウトをしてくるとはスミに置けないじゃないか」

瀬川「僕は瀬川。ここは紅葉だよ。紅葉くらいは知ってるよね?僕はここ光綿市で紅葉のオーナーをしてる。変身できるのは夜叉って言ってね。それを紅葉が裏でこっそり統括してるんだ」


早乙女「これ……、また自己紹介しないと切られるとかそういうのなんけ?」

稲生「ひゃえっ……!?そ、そう……、なんでしょうか……?ひいい……」


瀬川「そこのイノシシで脳みそまで筋肉が出来てるのが帯刀くん。戦闘だと使えるけど、それ以外だと家事すらさっぱりだから基本は僕に要件を言ってほしいな」

帯刀「いいじゃないですかー!強いのが正義なんですよ」

元木「フフッ」

▶元木はボソっと笑いを漏らして、慌てて壁の方を向くよ


瀬川「お皿は割らないようにしてくれよ……。さて、ここから本題だ」

瀬川「夜叉というのは一律でここ、紅葉が管理している。情報漏洩を防ぐために夜叉の所属を認めてくれない場合、ここで処理する必要があるんだ。当然、所属してくれるよね?」

早乙女「この男の人はいきなり切りかかってこなさそうけぇ大丈夫そう……でもなかった」

稲生「しょ……、処理……。やっぱり、そういうこと、ですよね……。ひゅええ……」

元木「ただの脅迫なんだよな……」


▶怯えて稲生は尻餅をついて涙目になってますね


早乙女「所属とかよくわからんけぇ……。あと私病院に就活しとるんやけど……、バイトも辞めんといけんのけぇ?」

瀬川「怖がらせてすまないね。うちって結構闇の組織してるから、裏切りや事情を知った人間は生かしておけないのさ。味方にしてしまえばいいんだけどね」

帯刀「仕事は転職してもらいます。紅葉の息がかかった場所ですから、こちらの招集の場合無条件で休むことができます」

帯刀「就活しているとのことでしたら、そのままうちの系列の病院に就職できますよ」

元木「――返事ははいかYesなんだからわざわざ聞く必要ないんじゃないかなって俺思うんだよね……。――ま……、俺まだ中学生だし……。実家の整備屋だから……全然影響なかったんだよね……」

稲生「わ、私は……あんまり地元の町内から出たくない……けど、しぬのは絶対やだ……し、――また……、またソラと一心同体になれるなら……」

早乙女「マ?つまり……、看護師さんになれて、用事あるなら呼ばれてって感じけ?――給料とかも出るって事け?」

瀬川「ええ。今回の事件、通称忍田ハコベきさらぎ駅事件の報酬は80万円になります。受け取ってもらえますか?」

早乙女「ならやるやる!就職できるなら願ったり叶ったりやーん……、って80万!?」

早乙女「80万やって!80万!え?へでなし言ってんじゃないよね?」

稲生「……!おこづかいの8倍……!?高級な生地とか素体がたくさん買える……!」

元木「罠だよなーって……思うけど拒否権が無いんだよな……。ま……、あって困るもんじゃないし……」

瀬川「申し訳ないですが、所属していただける以上光綿支部紅葉に来てもらいます。出勤が遠いのでしたら賃貸はこちらで用意します。後で銀行口座番号を教えてもらえますか?」

帯刀「やっとワンオペから開放されるぜベイベ」

瀬川「この子達の実力的にはまだまだですので、帯刀くんはまだまだワンオペですよ」

帯刀「そんなぁ……」

元木「ま……、悩むもなにも拒否権ねーんだっつーの……。はー」

早乙女「光綿の病院かーどんなとこかー!ワクワクするやーん!あ、これとちぎんの通帳だけぇ」

稲生「そうだよね……。断った時点で終わり……しかたない……、しかたないの……。顔さえ隠していければ……」

元木「隠すような顔でもないと思うけど……。――ま……、なんかあるのかな……どうでもいいかな……」


▶元木は疑問を口にして、慌てて頭を振るよ


瀬川「栃木の支部ですが、基本的に宇都宮支部が優秀というか、羅刹狩りの英雄がたくさんいてこちらの仕事がないので、ネット関係の対策が基本的な仕事だと思ってください。Vtuberとかオタク関係でTwitterにトレンドに上がると仕事ができると考えてください」

帯刀「ENOKI見てたらいいよー。にじさんじとかも話題にはなるけど、悪鬼生成力を考えるとENOKIが圧倒的だから」

元木「美味しいとこどりの連中の多い事……フフッ」

稲生 「Vtuber……。そうだ……、ヒナちゃんにも会いたい……。会ってお礼を……、お礼……?向こうは私のこと何一切知らないのに……。お礼なんて行ったら気味悪がられるかも……。うぅー……」

元木「いいんじゃねえかな……。ファンレターとか基本的に一方的に送るもんだし……。感謝される理由が無くても感謝されるのは嬉しい事だと思うけどな……知らないけどさ……」


▶ボソボソと早口で声に出したけど壁に吸わせるように身体を後ろに向けるよ


早乙女「よくわからないけど、就職も世話してもらったしー。早乙女愛、これからよろしくお願いしますー↑↑」

帯刀「じゃまず身体作るよ!!!!!!リングフィットの負荷30しよっか!!!!!1面だから簡単だし数もないから余裕ですよ!!はいこれコントローラ!!」

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