第Ⅹ話 』
ボクは手紙を読んだ…
『これは私の罪滅ぼしの物語だと思っていた。
この国を大きく変えたことにより君のように傷つく者を生んでしまったことをまず謝りたい。
申し訳なかった。
君に色々教えたのは罪滅ぼしの一つだった。
君に稽古をつけたのもその一つ。
君を守り抜く事こともその一つ。
それらは全てただの自己満足だったのかも知れない。
偶然にも君は、あの人に似ている。
この世界に疑問を抱き、世界を変えるための力を求めていると聞いた時、私は嬉しかった。
この国で君のような考えに至るのは難しい。
誰かが君にそれだけの影響を与えたのかもしれない。
【前だけを見て日々成長する姿】
【知恵の恐怖に立ち向かう姿勢】
【間違っていると言える意志の強さ】
【自らの弱さに気づきそれを受け入れ、さらに前に進むことを選んだその勇気】
友を思い、強者に立ち向かう君はカッコよかった。
私はいつから被害者意識になっていたのだろうか、いつから主体的な生き方をやめたのだろうか。
過去と向き合い償いをしていれば、いつか報われる時がくると思っていたのかもしれない。
向き合うべきは今の自分で、変えられない過去にこだわり今を失うのは愚かだと、成長し続ける君を見て思った。
生意気で少しぬけてる君に私は救われていた。
ありがとう
手紙なら私の想いを言えると思って書き始めたけど難しいね。
こんな手紙で申し訳ない
そのまま進め
最愛なる君の師匠より』
誰か。この涙を止めてくれ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます