梅雨ふぶる

悲しき恋の残り香を


忘れた頃に思い出す


ソバージュ頭の同郷女


肩に触れた掌(たなごころ)


忘れぬ夜の道玄坂


ポップコーンの種を噛み


財布に入れて忘れずに


あの時観たのはなんだっけ


思い出せないタイトルと


別れの朝はしょんぼりと


見つめたソファの寝姿を


今でも忘れず思い出す


今は何処(いずこ)で何してる?


東京に居ると約束し


台風の夜、雨傘で


ホームレスに驚いた


多摩川辺りの岸辺には


あなたの夢と母の死を


離婚で語った君が代は


危なかったで留(とど)まりも


それから君は何処(どこ)に居る?


3番目の恋でした


あなたの刺さる言葉には


気が狂った青年期


今は昔と片付けぬ


これから選ぶ幾千の恋も渡りて生き抜いて


梅雨のざざ降(ぶ)り言葉にて


変えるは君に花束を


草の匂いと言ったよね


白詰草は何処(どこ)にでも


咲いてる花と今知った


四つ葉を見つけ君にまた


会いたいと願う我が心

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