狭間

終末のガイア

はじめに

 俺はとある男子進学校に勤める教師だ。気づけば3回ほど卒業生を出していて、40代を謳歌していた。


 そんなある日、新聞であるニュースを見かけてしまった。教え子の、早すぎる自殺の報だった。


 そいつのことは良く覚えている。3年間、全く努力もせず、いつもにへらのへらと笑っていて、クラスの中心で居ながら結局留年すらした。


 その次の年、ずっとフルスコアだったというのだから驚きだった。開校以来の快挙であったのだが、その才を持ちながら発揮させてやれなかったというのが、どうも胸にわだかまっていた。


 進学校だから、日々の情報サーチは欠かせない。俺が伝えた情報が、彼らの血肉とならないとは限らないからだ。その日ばかりはその習慣を悔やんだ。


「──先生、お電話です。内線──まで…」


 とてつもなく、悪い予感がした。

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