第26話 協力要請

 結奈さんとホルンさんが睨み合いながらお茶を入れている。すっかりこの光景に見慣れてきた俺はそんあ2人は無視しておくことにした。というかそんなにしょっちゅうお茶はいらん。


「で、何をしにきたんだ?」

「用事がないと来ちゃダメ? あえて言うなら…休憩とか」

「自分の部屋で休めよ」


 どうやらレイノアールは特に用事があってきたわけではないようだ。まあ今までもいつも突然姿を現しよくわからないことを言ったりしたりしてたからな。ちょっと今更かんもある。


「ところで由雄様、そちらはどなたでしょうか?」

「あーうーん…言ってもいいのか?」

「問題ないです。この体を壊されてもまた作ればいいし」


 …ん? よくわからないがいいならいいか。ということで俺は2人にレイノアールがダンジョンマスターだと教えた。すると結奈さんはいまいちわかっていない顔をして、ホルンさんは少しだけ驚いていた。


「この部屋はダンジョンマスターまで足を運ぶのですね…」

「ここも私のダンジョンの一部だから、出入りは基本自由」

「ヨシオ様初耳なんですが…」


 そりゃそうだろういちいち説明とか面倒だし。


「お、今日はそっちのが戻るの早いな」

「おー」


 そんな話をしていたら健太達も戻って来た。


「疲れた~」

「よっすーそっちは今何階?」

「9階層についたところだな」

「あいかわらずはえーな!」


 疲れたとつぶれているミネを横目で見ながらお互いの状況を話し始める。同屋良健太達はやっと1階層のボス部屋を見つけることが出来たらしい。いよいよ明日中級階層の初ボスに挑むらしい。


「へ~…あ、そうだ。それなんだけどさ、そのボスの前にファーナさんこっちのパーティに貸してくれない?」

「私ですか?」

「あーそっか。9階層って罠階じゃん。ファーナさん明日はよっすーのとこ手伝ってあげてよ」

「…おやつ倍で手を打ちますっ」


 ファーナさんはあいかわらずファーナさんのようだ。まあそんな急に人は変らないか。


「むむ…っ」

「冗談だよ? その階がすめば合流出来るだろうしそんなこと言わないって」


 ほんとかよ…まあ手伝ってくれるみたいだしいいか。


「それとリノ。回復役として頼んでもいいか?」

「…ヨシオ、は?」

「俺? 休憩??」

「む…じゃあ、ミネも、来て」

「ええええええええっ」

「決定」

「ええええええええっ」


 気がつくと9階層へ行くメンバーが決定していたようだ。そしていつの間にかそれぞれの前にお茶の準備も終わっている。というか無意識に飲んでたしお茶…こんなことまで定着しなくていいんだがな。

 こんな俺たちの様子をぼんやりとレイノアールは眺めていた。本当に何を考えているのかよくわからないな。

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