第11話

 ショッピングモールから帰った僕はずっと亮介のことを考えていた。


 亮介に感じたあの気持ちは何だったのだろう。


 亮介のことを考えるたびに胸が締め付けられるような気持ちになる。


 こんな気持ち、千歳に抱いて以来だ。


 そんなことを考えていた時、僕は腹痛に襲われた。


 お腹を襲うとてつもない痛み。もしやと思い僕はパンツを脱いでみる。


「うわ…もの凄く血が出てる…」


 僕もいつか来るだろうとは思っていたが、まさか今日来るとは。


 僕はどうしたらいいのか分からなかったので、千歳に電話する。


「ちょっと相談したいことがあるんだけど、うちに来てもらってもいいかな?」


「優希が電話をくれるなんて珍しいね」


 僕は千歳が家に来るのを待つ。まあ、隣の家なので待つというほど待たなかったが。


 家のチャイムが鳴った。僕は玄関を開けて千歳を家に入れる。


「実は…」


 僕は血まみれになってしまったパンツを千歳に見せる。


 好きな女の子にパンツを見せるのはめちゃくちゃ恥ずかしい。


「ああ、生理来ちゃったんだね。これで優希も立派な女の子だね」


「生理ってどうすればいいの?」


 僕は対処法を千歳に聞く。


「ナプキンは持ってる?」


「持ってない。こんなこともあるかと思って買おうとは思ってたけど、やっぱ恥ずかしくって」


「ちょっと待ってて」


 千歳はナプキンを取りに一旦自宅に戻る。


 そして千歳は小さなポーチを持ってきた。


 ポーチの中から千歳が小さな綿の玉のようなものを出す。


「ちなみにこんなのもあるよ。タンポンって言うんだけど」


「何それどうやって使うの?てかそんな小さくて平気なの?」


「吸水性は抜群!使い方は中に入れて使うんだけど」


「却下」


 中に入れて使うとかあり得ない。


 中に物を入れるなんて怖すぎる。


 結局僕は普通にナプキンを使うことにした。


「ナプキンはある程度買っといた方がいいよ。それで小さなポーチかなんかに入れて持ち歩いた方がいいよ」


 はぁ、ナプキンを買いに行かなくちゃいけないのか。


 そんな恥ずかしいこと僕にできる気がしないが状況が状況な以上買わなきゃいけない。


 とりあえず千歳に数日分のナプキンをもらった。


 もう完全に女の子なんだな…


 そう実感した一日だった。

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