第2話

 結局あの後僕は千歳に一時間ほどおもちゃにされた。そして僕で遊ぶのに飽きた千歳はショッピングセンターに行こうと言い出した。


「女の子用の服とか下着とか買わないと。楽しみだなぁ♪」


 もう、女の子の下着なんて僕は着たくないのに、千歳は言い出すと止まらないからなぁ。僕は千歳に連れられてショッピングモールへ行くことになった。


「私のサイズのブラジャーは合わなかったし、まず買うのはブラジャーよね」


 生まれて初めて足を踏み入れるランジェリーショップ。男の僕がここに入るのは恥ずかしい


「お客様、ブラジャーの着用は初めてですか?」


 はいと答えるなり僕は採寸へと誘導され体を隅から隅まで測られる。女の人に体を測られるって恥ずかしいな。まあ、かくいう僕も女の子になってしまった訳だけど。

 採寸されスリーサイズが分かり、千歳が僕の下着を探し始める。


「これなんか似合うんじゃない?」


「こんなフリフリの付いた下着なんて嫌だよ」


「いいから文句を言わず着てみてよ」


 言われるがまま僕は下着を着せられる。自分の手で自分にブラジャーを着けようとは、情けない。


「ほらぁ~、似合ってる」


 僕には似合ってるようには見えない。何より下着姿を千歳に見られているこの状況は恥ずかしい。傍から見れば女の子同士下着選びをしているようにしか見えないだろうが、僕は男だ。たしかに小さい頃千歳と一緒にお風呂に入ったことはあるけど、それとこれとは話が違う。


「店員さん、これ買います」


 千歳が勝手に買う方針で話を進めてしまっている。僕はブラジャーなんて必要ないし、何より高い。日用品がこんなに高いなんて、女子は大変だなぁ。


「優希の恥ずかしそうな顔も見れたし、久々にいい買い物しちゃった」


 僕はめちゃくちゃ疲れたのによく言うよ。


「ほら次の店行くよ」


「え、まだいくの?」


「当たり前じゃん!ほら早く早く」


 今日はとても疲れる一日になりそうだ

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