第15話 幼馴染のお別れ
お前がここに来たのはたしか、まだ4歳の時だったな。
あれから、ずっとお前はいた。
晴れの日も、雨の日も、雪の日も、どんな日でも。
朝早くから夜遅くまで。
夜更かしして、母さんに怒られた事もあったな。
そして俺の日常に、お前の存在は欠かせないものになっていったな。
大きくなって離れるのかと思ったけど、そんなことはなかった。
その距離が当たり前になっていた。
いつまでも続くんじゃないかと思ってた。
でもそんな事はないんだって、心のどこかでは分かっていたのかもしれない。
まぁ、いつか来る別れの日が、今日だっただけだ。
それでも……
「もうお別れなんだね」
「あぁ」
「今までありがとう」
「ありがとう」
「さようなら」
「さようなら」
「「さようなら、テレビ」」
テレビが壊れたので買い換えることになった湊家。
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(自分が4歳の時に家のテレビが壊れて買い替えたことにより、テレビのサイズが)大きくなって、(テレビを見る時の画面との距離が)離れるのかと思ったけど、その(4歳以前のテレビとの)距離が当たり前になっていた。
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