第7話 幼馴染のお正月

初詣。

親から先に行ってこいと言われて、1人で……ではなく流季も一緒。

「お賽銭いくらにする?」

「5円4枚」

20円。

良いご縁がありますようにってか。

いつも通りだな。

かくいう俺も20円。

もちろんポケットマネーだ。

親に貰うのはなんかなぁ。

縁を親から貰うみたいで。

まぁ、そういうのはあんまり信じちゃいないけど。


そろそろ俺たちの番だ。

小銭専用の財布を開ける。

ほとんど100円だな。

え〜と、5円玉が1、2、3、4枚っと……

あ、1円玉が1枚だけ残ってた。

せっかくだし、これも入れておこうか。

21円。

なんか意味があったっけ?

まぁいいか。

2人で一緒に入れる。

「あ」

1円玉だけが引っかかった。

う〜ん。

引っかかるとあんまりいい気はしない。

5円玉だけにしとけば良かったかなぁ……。

なんとなく気落ちしてしまう。

それを見た流季が、財布から1円玉を取り出して賽銭箱に入れる。

流季の1円玉が見事に俺の1円玉を弾いて、一緒に賽銭箱に落ちる。

「ほら」

流季が自慢げだ。

「ありがと」

「へへ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る