重厚なミステリーをweb小説に落とし込んでいる

レビューを書くにあたって、藤田宗磨さんの『白い羊と黒鉄の探偵』の魅力はなんであるかと何度か読み返していたのですが、濃くて魅力的なキャラクターや、圧倒的な文量による描写、最後に明かされる動機、ミステリーならではの謎による全体に漂う薄暗い雰囲気。

うん、どれも魅力的だけど、読み返して思ったのは、やっぱりweb小説にする為にミステリーでありながら対象年齢をさげているところじゃないかな? って思ったんですよね。

舞台装置は、村、学校、寺、デパート、公園。村は少し違うかもしれないけど、中高生でも馴染みのある物になっている。
そこに社会問題などを取り込んで、あたかも現代に起きそうな話に落とし込み、凶器もありえないと思えない理解の範疇にしているのだからすごい。

藤田宗磨さんの『白い羊と黒鉄の探偵』は、重厚なミステリーでありながら、明らかに読まれる対象として、web小説ユーザーを意識しているのがすごいんじゃないかと黒井探偵は推理しました(*´ー`*)ばっちゃんの名にかけて!

その他のおすすめレビュー

黒井森之亮さんの他のおすすめレビュー118