2 * 桜が舞い起こ…思い出したくないっ!

私、朝比奈 美優あさひな みゆ

今日から陽光高校の一年生になる。


「お母さん入学式の手続きがあるから美優、先に体育館いってらっしゃい。体育館は正門入って左よ。」


「わかった!」


私はお母さんに頷きながらそう告げ正門へ向かった。

陽光高校の正門をくぐると左右には花壇と桜の木。桜が少し舞い散り足元には桜のロードができている。

歩いていくと桜がふわっと空中で舞い私の周りを舞う。


「体育館は左だっけ…。」


目の前にいた同じ制服を着た男子生徒の横を過ぎ左へ曲がろうとする。


ビュアッ!!

強い風が桜と共に流れる。


「きゃっ!」


「ぅあっ!」


風を受けつつも先ほど通り過ぎた男子生徒の声がする方を見る。

この人、私より視線低い…何見て…


「…ぁ。……ッ!!!」


スカートがめくれてる!!!

入学式だからとちょっと気合の入ったかわいいおNEWの…!!

この人っ!私のパンツ、みてる!!


男子生徒の視線が私の視線と合い、恥ずかしさで顔を真っ赤にしてる私とはしらず私は思わずその男子生徒を睨む。


「あっ、いや、ここ、これは…!」


男子生徒は動揺しながら何か言いたげだが、そんなのこんな恥ずかしい思いしている私には聞いている余裕はなくて乱れたスカートを直して、私はそそくさとそこから立ち去る。


見られた、見られた、見られた…!!!!

あんなイケメンでも美少女でもないあんなモブ顔に…!しかもあんな気合のはいったパンツを…!


私は左肩にかけて持っていたカバンの持ち手を左手でギュゥッときつく握りしめながら私は体育館に向かった―――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る