待つのは最悪の結末か、心温まるエピソードか。

正義感が強く熱血漢であり元陸上選手だったよし子は、コミュニティで知り合ったミネさんというおばあさんととても懇意にしていた。
ミネさんは独り暮らしのおばあちゃん。以前は正夫という最愛の孫と同居していたが──

よし子は、最近増えてきた『特殊詐欺(オレオレ詐欺)』を警戒していた。
近所で被害にあって、心と身体を壊してしまったお年寄りがいたからだ。
四六時中一緒には居れないよし子は、ミネさんが詐欺にかからないようにする為の特訓をするが、ミネさんはなかなか覚えられなかった。

そんな時、ミネさんのものとに一本の電話がかかってくる──

***

はい! みんな!! 読む時はハンカチ用意ね!
あ、できればあとは、一人になれる場所でお茶とか用意するのもいいね!
公然の場所や人前で読むのはおすすめしないよ? 泣き顔を人に晒したいか?

作中、ミネさんと最愛の孫・正夫との思い出が語られるのだけれど、もうそんなのハンカチなしに読めるかってーの。
やめて反則。優しいおばあちゃんと最愛の孫の思い出とか、心が軋むエピソードとか。またその表現が「へへへ、泣けよオラ」じゃなくってさ、こうなんて言うの? 逆に淡々と語られるからさ。自分の思い出とか気持ちとリンクしちゃってもうね。たまらないんだよね。

作中ちりばめられた伏線。
それにより否応にも盛り上げられる期待感(※良い意味と悪い意味両方)。
そして訪れる結末。

さて。最後に待つのはどっちか。
期待して読むべし。

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