第19話 ジジィのツンデレだめ絶対
「知らなくなーい!」
「どういう事かの?」
2人に問い詰められる。いや、聞かれても困る。どこから説明すればいい?魔王に気に入られてって言えと?
言えたとしても、自意識過剰ぽくないか?そして、日本にいた俺としては、中2発言のような事を言うのは恥ずかしい。
「さぁ?」
「あのねーシュヴァはねーシュヴァって言うのー。それでねーオオカミなんだよ!ママの命令でヴァイスといるの!ママはね魔王様なんだよ!すごいでしょー」
どゃあっと聞こえそうなほど、誇らしげな顔をして、どうだと言うように腰に手を当て仁王立ち、ちょっとえびぞり気味をしだした。
え?シュヴァさん?
全部言っちゃうのな。テンション上がってるからって、やめてくれ。そんなドヤッっとされても、困る。
「ほっほっほっ。そうか、そうか。それはすごいの~」
認めたーーー!?
あ、そうか信じてないんだな。うんうん良かった。
「お前さんも難儀じゃのう?」
「は?」
「
とっさに頭を触る。フード脱げてるや。まて、今ダリアって言った?なぜあの
「もしかして、知り合い?」
「いんや、知らぬがの。有名なんじゃよ。ドワーフの村にの、じじぃは髭白いのかしら?とか言っての、来たことがあるらしいでの。まぁ、この通り白くないとわかったら暴れて帰ったという話が有名なんじゃ。」
たしかに、ドワじぃは髪も髭も白くはなく、赤黒い色をしているが、何やってるんだあいつ。ヤバイ女すぎるだろ。良いパトロンじゃなかったらまじで関わりたくない。
「そのフードはその色を気にしてたんじゃの。それにしても魔力が低いとはの。弓の為にも、ステータスを教えてくれんかの?」
影響とかあるのか。ステータスねぇ…開けた事無いんだよな。一応やってみるか。
「ステータスオープン」
今日こそは出るかもしれない。魔力は成長によって増えると聞くし…ステータス開けないほど無いとか信じたくない。ゲームでは使えてたんだろ?
いでよ、隠された力!!!
「・・・。」
「?」
「おーぷんー?」
うん!出ないよね。知ってた。シュヴァも真似して手を前に出さなくていいから、羞恥プレイだから。
「?」
シュヴァよ、こっち見てこれから何が起きるの?みたいな目で見ないで、何も起きないの。起きる気配もないの。両手で顔を、おさえたい。穴があったら入りたい。
「どうしたのじゃ?」
「出ないんだ…」
「何が出ないのじゃ?」
「ステータス」
「ほっ?魔力が1でもあれば出るというあのステータスが?」
へーそうなんだー。魔力が1あれば出るんだー。出ない俺って…?泣きそう。俺のHPはもう0寸前だよ。
「・・・」
「そ、そんな泣きそうな顔をするでないのじゃ。すまんかった、わしが悪かったのう」
ドワじぃが目の前で慌てて両手をバタバタさせている。俺って惨めぇー。
「いいんだ0なんだなって改めて実感できたから」
「そうじゃ!お詫びにわしの名前を教えてやるでの!ドワルフと言うのじゃ。よろしくの~シュヴァとやら」
「よろしくーなの」
ドワルフってドワじぃで合ってるじゃないか。俺って天才かよ。そして、俺へのお詫びとか言いながら思っきしシュヴァに向き合って挨拶してるんだが?
「あ、そうじゃ。お前さんの弓じゃが、時間かかりそうじゃ」
「どんくらいだ?」
「そうじゃの~わしが満足するまでじゃ」
いつだよ…それ。満足って、ドワじぃ意外とこだわり強いのかよ。職人ってわかんねぇな。
「じゃからの、これからもここへ通うのじゃ」
びしぃっと人差し指をこっちに向けてとんでもない事を言い出した。
「はっ?なんでだよ、待つだけでいいんじゃ?」
「下手にならないかの確認なのじゃ。別にお前さんに会いたいとかじゃないでの。あくまでもわしの子の為じゃからの」
何そのツンデレの子があんたの事なんて好きじゃないからって言うときのポーズ。ジジィがやっても可愛くないぞ。
「来なかったら作ってやらないでの。覚悟するのじゃ。…毎日来てくれたら割引してやってもいいのじゃ」
「あ、遠慮します」
週一でも面倒くさいのに毎日とかもっとめんどくさい。ただでさえ、ルイに、週一でおじさんの所に行くぐらいだし、僕の所にも通って来るよね?とか言われて、週一でルイ達のとこにも通ってるんだぞ?
家族からはフードかぶってどこに行ってるんだと聞かれてるし、家族とも過ごそうとか言われて、父の日、母の日、レオ兄様の日、シオ兄様の日と俺の日常は週6埋まり気味だ。
「通わない日数だけ値上げしてやるのじゃ」
「すみません。通わせてください。」
手のひら返しがすごいと自分でもわかってるよ!でもさ、値段わかんないけど通わない日数ってヤバそうじゃん。
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