第8話 ステータスオープン

「ルイ~今日はついていっていいかー?」


「毎日言ってるけどダーメ!

 冒険者の狩りは危ないんだからね?」


ルイが俺の頭を撫でてくる。


「だーかーらー俺にも剣術教えてってば!」


バシッと振り払うと困った顔になった。


「うーん…それもまだ早いよ!

 僕がいるから剣なんて必要ない!

 それにヴァイスの傷はシュヴァの傷!でしょ?」


「…」


「はい! 話おしまい!

 僕は出かけてくるから留守番よろしくね!」


 あれから俺はルイの家にお世話になっている。


 俺だとお店に入れないため、ドレスを売ってもらって、服買ったり、髪の毛を切ってもらった。髪の毛については、ルイと#ド変態魔王__ダリア__#は反対したが、切った髪の毛を売るぞっとダリアに言ったら買ってくれた。


 そんなこんなで経済的に少し余裕があるが、タダで泊まるのも悪いし、宿泊代としてルイに渡している。無理やりだが…。


「よし!」


「クゥーン?」


「怪我しなきゃいいわけだろ?」


 俺だって男だし、体は女だけど…ルイにおんぶに抱っこは嫌だ。それに、剣道はやった事ないが、円形の1でアーチェリーぐらいはやったことある。遠距離攻撃と回避を磨けば戦えるって事だ。


「とりあえず弓欲しいな…」


 材料は木と羽と紐…?木とか切る斧ないし…無理ゲーじゃね?


「あ!そもそも俺のレベルって何なんだろう?」


 こういうときは…


「ステータスオープン!!!」


決まったぜ! …あれ? おかしいな?


なんで何も現れないんだろう?


「ワン?」


 シュヴァが不思議そうな顔でこちらを見てくる。とても恥ずかしい。え?この世界のステータス見れないの?だって異世界ものだとドャァって出してるじゃん?この世界もレベル上とかあるならステータスぐらい見れそうなんだけど…


「おかしいな…?」


「ヴァイス君何してるの?」


「つ、ツバキ!もしかして聞いてた…?」


「うん。大きな声で何してたの?」


 ツバキには最初に水をもらった時からしっかり者のイメージで通してるのに、さっきのドャ顔を見られていたらしい。


「す、ステータス見ようと思って…」


「ステータス?」


「そう、ステータス気になってな」


「ステータスってなぁに?」


「え…能力値がわかる…なにか?」


「すごいね!それどうやったら見れるの??」


グイグイ食いついているな。


「それが…わかんないんだよね。ステータスオープンって言えばわかると思ったのに…」


「ステータスオープン?

 …わっ! なにこれ! 板?」


「何か見えたのか!?」


 俺は言っても見えないのに、ツバキには何か見えているらしい。


「えっとね、読めない字が沢山ある木の板みたいなのが浮いてるの…上にツバキって…私の名前?

 この数字はなんだろう?」


「ステータスオープン!!」


 ツバキは驚いてあわあわしているが、俺にはやはり何も見えなかったし、現れもしない。…何が違うんだろう。


「ルイお兄ちゃんならわかるかなぁ…?」


 そうか、ルイは冒険者として働いている。ということはステータスが見えると言うことか!


 俺だけ見えないかもルイならわかるかな?

わからなくてもギルドにでも聞いてもらおう。


 結局、できることも無いので大人しく帰りを待つことにした。


 待ってる間は暇なので、ツバキのふわふわ薄桃色の髪の毛を左右から三つ編みをもってきて、ハーフアップにしてやった。妹によくやらされていたので、これくらいはちょろい。手がちいさくてやりにくいが…


「よし!可愛いい」


「え!あ、ありがとう」


「お礼は大丈夫!可愛くしたくて勝手にやったことだから。」


 ツバキの顔がだんだん赤くなっていく。風邪かな?ルイ早く帰ってきてくれ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る