たくさんの思いを押し込めて、静寂が響いている。

 飾りけのない文章で丁寧に綴られる、日常の一幕。
 家族の間で取り決められた不思議な慣習は、そしてそこに湛える静寂は、切実な思いを底に満たしていた。

 静寂と、ほのかな緊張感を上手に切り取った語りだと思いました。
 母親の吐いた溜息の理由はなんだったのだろうと考えさせられます。

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