それはまるでアラベスクのように、人と人が織りなす戦いの記録……

東地中海の中世にも似た、その世界で――物語は、商人見習いのクレメンテが、仕える奴隷商の「商品」であるジルを逃がし、自らも逃走することから始まります。
そこからが――謎の青年、ナギルとサレハとの出会いが、クレメンテとジルの逃走を、物語の綾を成し、あたかもアラベスクのように、新たなる人物、戻るべき故郷など、サスペンスが、冒険が、はたまた過去へと視点が飛んで、回想の中での戦記も織りなされてきます。
熱風と波濤の東地中海、その中世という世界に似た世界に浸り、魅力的な登場人物たちと手に汗握り、この戦いの記録――戦記がつづられていく様を、ご覧になってはいかがでしょうか。

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