第42話

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 いよいよ作戦が佳境に入って来た。

 今週の日曜日も全員が金太からの宿題を持って集合なのだが、秘密基地ではなく、デーモンの家、つまり河合邸で相談事を進めることになった。

 それにはひとつ理由があって、デーモンが早速お爺ちゃんにねだって買ってもらったドローンのテスト飛行をしたいのだが、秘密基地のある畑で飛ばしたら、近所で誰が見ているかわからない。もし警察にでも通報されたら一大事となる。ところが、デーモン家の庭だったら広いから外部から見られる心配はないし、存分にテスト飛行することができる。

 金太の家に集まったアイコ、ノッポ、ネズミの3人は、みんなでデーモンの家に向かった。自転車で5分とかからない距離なので、家に着くまで誰も口を開かなかった。

 インターホンを押すと、待ちかねていたデーモンが家から跳び出して来て、門の横にある通用門を開けてくれた。自転車に鍵をかけた4人は、見覚えのあるグリーンの建物に小走りで向かった。

 金太たちがリビングに通されると、そこには会いたくてしかたなかったお爺ちゃんがソファーに座ってテレビを観ていた。

「こんにちは」

 金太は久しぶりにお爺ちゃんに会えて嬉しかった。

「おう、久しぶりだね、一生懸命勉強してるかね?」

 お爺ちゃんも自分の孫を見るかのように目を細めていう。

「はい」

「最近うちの孫と仲良くしてるらしいけど、よろしくね。きょうはゆっくりしていきなさい」

「ありがとうございます」

 金太が丁寧にお礼をいったとき、デーモンが自分の部屋に行こうとみんなを誘ってリビングをあとにした。

 デーモンの部屋は2階で、金太たちはこの家の階段を昇るのがはじめてだった。階段には緋色の絨毯が敷かれ、手摺りも手触りのいいしっかりとした作りのものだった。

 白く塗られた天井からは、光りを優しく屈折するクリスタルのシャンデリアが吊り下がり、自分の家からはまったく想像できない景色だった。2階に上がると、広い廊下の両側に重厚で大きなドアがいくつもあった。

 デーモンは、長い廊下のなかほどにあるドアを開けてみんなを招き入れた。金太たちは社会見学にでも来ているかのように、目まぐるしく視線を動かしている。

 部屋のなかに入ると、床にはライトグリーンの絨毯が敷かれ、壁と天井は白く塗られていた。いちばん奥には縦長の洋風の窓があったがベランダに出られるようにはなってなかった。窓際に置いてある机も学習机ではなくアンティーク風の立派な机で、本棚もベッドも同じ材質でコーディネイトされていた。

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