第5話 勝つだけじゃ本当の意味では勝てない

球技大会。


いろんな別名がある。

現代の決闘場コロッセオ

男が好きな女の子にアピールする場。

リア充製造工場。


そう、ここは戦場なのだ。


男と男の思惑が交錯する、鉄と血の匂いと策謀が渦巻く戦場。


ただかっこいいだけではアピールなど出来はしない。

種目はドッチボール。


ボールを取るときはしっかりと胸の前で。そしてポジショニングは当然好きな子の前で。優しく抱きかかえるように。しっかりと抱きとめるように。


そしてその球を捕らえたところを各々の天使が見ていることをしっかりと確認したら、後は投げ返すだけ。


強く速く。投げるフォームはダイナミックに、そしてスタイリッシュに。

天使の加護を身に纏い、僕の腕はうなりを上げ、さながら大砲のごとく球を打ち出す。


それは敵を打ち砕き、チームに勝利をもたらす。

‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘‘

ちょっとバトル漫画の予告風に書いてしまいました。

実際はもっとしょぼい。

何となくトーナメントが組まれ、何となく勝ち上がっていき、気づいたときには決勝戦。

相手は一番強いんじゃないか、と言われていた○組。

どうせここまで来たんだからと久しぶりの全力稼働に悲鳴を上げる体を無理やり動かし、サドンデスまで持ち込んだ末に無事優勝。

そしてサドンデスで決めたのは、何を隠そうこの筆者。この画面の向こうでくっそくだらない文章を書いているこの筆者なのです。


当てたときは心の底から叫びました。


そして彼女もその場面は見ていました。


これはいける。


そんなよくわからない手応えを得た僕のその日のラインはこうです。









今日のドッチボールカッコよかったことね!?


それに対しての啓示はこちらです。








皆かっこよかった!!





僕は静かにLINEを閉じました。

そして初めて未読スルーをしました。


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