第6話 女のいない世界。
僕はたまに思う。
「女のいない世界に行きたい」って。
隣の席の女子が僕に言った。「わたし○○ちゃんて嫌いなんだよね」って。僕は心から驚いた。だって、その○○ちゃんとさっきまで笑って仲良く話してたじゃん!!
女子って怖いなぁと思った。
その事をママに話すと「それは内緒の話なんだから誰かに言ったら絶対にダメだよ」って言われた。そのくらい僕だって分かってるよ。
でもさ、なんで嫌いなのにあんなに仲良しなふりするんだろうって思うじゃんか。ウソついてるって割には全然そう見えないし。ママに「女の子ってそういうものなの」って言われたって、僕にはちっとも理解が出来なかった。
あと、女子と話してもつまらない。
ゲームの話も知らないし、ユーチューバーの話も通じない。
その上、男たちで話している下ネタをたまに僕も一緒になって言うと「まさしはそういうの言わない方がいいよ」とか言われるし。
何で僕だけがそんな風に言われるんだ!納得がいかない。
もう1つ、僕には女子が苦手な理由がある。
僕はここだけの話、バレンタインデーになるといくつかチョコレートをもらえる。
でも、その女子達にこの事は内緒だとも言われるからあまり人には言えない。
そして、ホワイトデーには自分で選ぶようにとママが言うもんだから、何だか分からないけれど僕なりに選ぶ。
その後!その後が嫌なんだ。
内緒って言われてるから女子をこっそり呼び出してお返しを渡す。
そこでやっと任務終了。
本当に疲れる1日。
僕よりママがやけに楽しそう。
好きな人なんていないのにさ。
学校で友達に誰が好きかって聞かれても困るんだよね。
その上、テレビをみていてもママまで「この中だと誰がいいと思う?」とか聞いてくる。いつも「いない」って答えるけどさ。
ママの好きな平手ちゃんのことを「闇落ちしてる」って言ったら笑われたけど、かと言ってヒラヒラな服を着ている女子も好きじゃない。みんなぶりっ子に見えるから。
あ、でも時効警察の三日月とか彩雲が面白いから、まぁいいかなって言ったら、何故かママは喜んでいた。何なんだ、いったい。
だから、これはママのせいにしておく。
ママのせいで、僕は女子が嫌いなんだ。
あ、この話は内緒だからね。
約束だよ。
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