第3話 デジタル音楽

 中学校や高校というのは、音楽に目覚め始める人たちが多い時期だと思います。

 その音楽の嗜好性によってグループが出来たり友達の幅が広がったりもする時期。


 中学3年になってあるアーティストの音楽を聴くようになりました。電子音が楽器のメインというのがなんだか新鮮で、某子供向け番組にも出ていらしたので名前は知っていましたがちゃんと聞いたことはなく耳新しかったというのもあります。歌詞も面白い。

 当時はまだ3人だった「電気グルーヴ」。言葉遊びのような歌詞にこういう歌もあるのかと感心したのと、たまたま同じクラスにファンだという子がいて聴かせてもらっていました。聴くほど面白味が増す感覚。


「ポップコーン」のようなピコピコ音に代表されるような電子音や、バックに流れてるわりと単純なメロディや繰り返されるコード進行が心地よく感じたものです。個々鳴っている音は複雑に聞こえるのに。

 そしてBGMのように歌詞が無いので何かやりながら聴ける、というのも新しい発見でした。歌は歌詞があってこそ、極端に言えば歌詞がないのはカラオケかクラシックとかなり偏ったせまーーーい音楽観だったので「こういうのもありなのか」と。

 また歌詞はあってもほぼBGMのように聞こえる曲があり、勉強しながら(コラ)聴いていても歌詞を耳が追っちゃって邪魔されるという弊害がありませんでした。



 またこの頃はX JAPANをはじめとしたビジュアル系バンド、B'zに代表されるギターがカッコいいロック、小室哲哉さんのダンスミュージック、JUDY&MARYのような可愛い系バンドとかなりにぎやかに分かれておりましたねー。


 友達AちゃんはB'zが大好き。部活一緒のBちゃんはジュディマリの歌が上手い。別のクラスの体育祭の応援ソングがTRF、クラスの男子はZARDを垂れ流す……と、テレビを見なくとも、学校に居るだけで音楽情勢は分かるような環境でした。勿論聞いているうちにどれもこれもいいじゃんいいじゃんと思うようになり、友達との貸し借りの中で自然と覚えるのも時間の問題。なのでおいてけぼりになることは幸いありませんでした。

 でもやはり残念ながらその時だけになってしまい、後々ずっと聞き続ける人にならなかったのが自分でも不思議です。


 機械っぽい音や特段メロディーが無い、歌詞がない曲も好きになったのはこの頃のようです。これも後に忘れたころ、突然降ってわくようになります。

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