好き。 と、 好き。 の間で揺れる感情 

青野ハル

第1章

「真衣!早く行こうぜ!」

私ー高野真衣ーは、幼馴染の卓也に向かって叫んだ。

「はーい!わかったー!」

ニヤニヤしているママを華麗にスルーし、私は二階にある自分の部屋から玄関まで駆け下りた。私は今中学一年生。今日は二学期の始業式。

「行ってきまーす!」

「はーい。今日は、卓也くん家でご飯だからねー!」

うちは共働きだから、卓也の家で食べさせてもらうことも多い。卓也の家はお母さんが専業主婦なんだ。

「わかった!」

ローファーをささっと履き、ドアを開けて卓也に挨拶する。

「卓也おはよっ!」

「おお、おはよ。」

卓也は身長170㎝と高身長。私は150㎝だから、差は20㎝。ぽんぽんと、軽く頭を撫でられ少し恥ずかしくなる。

「卓也、宿題終わった?」

卓也は一週間前に、私にヘルプ要請してきて私は少し手伝っていた。

「ふっ、俺を舐めんな。ちゃんと終わらせたし」

、、、一週間で全部終わるなら、最初からやってればいいのに。ま、火事場の馬鹿力とも言うし、追い詰められないと無理なのかも知れないけど。

「偉いね、小1の時は宿題おわんなかったもんね」

「むっ、、、だいぶ前のことだし!」

「あははっ、そうだよね?今年からは真面目に勉強するんだよね!頑張れ!!」

卓也は、頭は悪くないのに何故か勉強が嫌いなところがある。

「お前それ嫌味、、、?真衣に限ってそれはないか。」

「?」

卓也がなにか呟いていたけど、聞き取れなかった。私が笑っていると。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る