南雲的・読みやすい文章の書き方

 どうも、南雲です。

 むかーしに公開していた、読みやすい文章の書き方をサルベージしたので、再公開してみようかと。


 こんなこと書いてたんだなって、少し笑ってしまった。

 普段はあんまりこういうことを意識して書いていないんですが、意識していないからといって考えていない訳ではないので、一度自分のしていることを言葉にして落とし込むというのは大事ですね。


 初心に返った気持ちで、また文章に向き合いたいと思います。



 完全に私のごくごく個人的なものですので、おめーの文章別に読みやすくねーから。って方は読まずに閉じてくださいませ。


 物凄く感覚的な事を話しています。

 その結果、長嶋監督か?レベルのものになっています。

 シュッとしてバーン!みたいな。

 本当にすみません。


 前置きはこれくらいにして、本題に入ります。



 私が意識しているのは、《音読した時の語呂の良さ》です。

 この”語呂が良い”というのも恐らく個人差があると思うのですが、南雲は【ホップ・ステップ・ジャンプ文章】と名付けました。今。


 ホップ・ステップ・ジャンプ文章というのは、一つの文章を幾つかのパーツに分けた時、パーツの後ろの音が下がり、次のパーツの最初の音が上がる事を繰り返す文章の事です。


 音が下がる上がるだと分かりにくいかもしれないですね……頭にアクセントがある、とも言い換えられるかもしれません。


 拙作【紫の子】第2話から少し例を。



-----

 ルルクは死体に触れる事で、 / 者の記憶を / る事が出来た。

-----



 どうでしょう?

 ちなみに『イルルク』は『あまぐり』とか『きつつき』と同じイントネーションです。(プチ情報)

 文章が長くなってもそれは同じです。



-----

 死ぬ一時間前から / 死ぬまでの記憶だけだったが、 / それは / イルルクにとっては / 何よりも刺激的な事だった。


 何故なら、 / イルルクの元に / 教会から依頼される遺体の / 全てが / 中央特区に住む / 貴族だったからだ。

-----



 こんな具合に。

 このホップ・ステップ・ジャンプ文章が、私の考える読みやすい文章の一番大きな部分です。



 次に、語尾の話に移りたいと思います。

 これ以降は一般的というか、よくある話ばかりなので、なにか特別目立った事はありません。

 プロの方も文章の書き方講座とかしてらっしゃいますし、そちらの方が分かりやすく為になると思いますのでご了承ください。



 【紫の子】では意図的に語尾を『だった』で終わらせる事を多くしています。

 過去形で淡々と進んで行く語尾が連続する事が作品の雰囲気作りに一役買ってくれると思っての事ですが、普段はあまりこういった書き方はしません。

 同じ語尾で終わる文章が連続すると、単調になりがちだからです。


 では適当に考えた文章を使って具体例をば。 



----- 

 地球は丸いと思った。

 彼はそう思わなかった。

 だから私は、彼を納得させるために例え話をすることにした。

 でも彼は聞く耳を持たなかった。

 私は腹が立った。

-----



 全部の語尾が同じになっています。

 まあこれはこれでいいんですが、どうも無機質に感じます。

 なので、語尾を弄ります。

 その際に意識するのは、出来る限り同じ語尾が連続しないようにする事です。



----- 

 地球は丸いと思った。

 彼はそう思わなかったらしい。

 だから私は彼を納得させるために例え話をすることにしたのだ。

 それでも彼は聞く耳を持たなかったので、私は腹が立った。

-----



 どうでしょう?

 少し文章に柔らかさが加わったように感じます。

 最後の文章は語尾を連続させないようにするために、二つの文章を合体させました。


 語尾はこれでいい感じになりましたが、それでも物足りません。

 何故かといえば描写があまりに淡白だからです。


 小説は読みながらその光景を想像するのも楽しみの一つですが、元々の文章にあまりに描写が少ないと、想像するのも難しい事があります。

 0から1にする事を、読み手に強いるのは酷な事だと思います。

 何もないところに1を生み出す事の大変さは書き手の皆さんの方がよく分かるでしょう。

 せめて1を書き、1以上の物を想像してもらうようにしなくてはなりません。


 私と彼の人物像はちょっと置いておきます。

 描写をプラスする事により、文が増えたりすると思いますが、その時はまた語尾に気を付けて編集していきましょう。



----- 

 中庭にある開放的なテラス。

 そこのベンチに腰掛け空を眺めていた私は、ふと地球は丸いのだなと思った。

 唐突に閃いたこの考えを、私は隣の椅子に腰掛けていた彼に告げる。

 彼と考えを共有したかったからだ。

 しかし私の話を聞いた彼は、そうは思わなかったらしい。

 何を馬鹿な事をと言って私の考えを打ち捨てた。

 だから私は彼を納得させるために例え話をすることにしたのだが、彼は全く聞く耳を持たない。

 彼のその頑固さに腹が立ち、思わずベンチから立ち上がった。

-----



 どうでしょう?

 いきなりやりすぎましたかね……。

 ラフからいきなりペン入れ終わっちゃうみたいな。

 でも描写書くとこうなっちゃうんです……すみません。

 どこまで細かく描写をするかは作家さんによって塩梅が異なると思いますが、読み手が文章を読んで最低限の情景を想像する為のヒントは書いた方がいいと思います。


 同じ語尾を連続しないようにするのと同様に、同じ接続詞も連続しないようにするのがベターです。とりあえず書いてみて、連続してしまうようだったら違う言い回しを考えてみましょう。

 専門的な語句で端的に書いてしまうのか、固有名詞を使って書くのか、それとも目に見えたままを端から説明していくのかなどなど……表現の仕方は色々あると思います。



 こんなところでしょうか。

 とりあえず声に出して読んでみて、リズムよく、気持ちよく読めたら私はそれで満足です!

 以上、解散!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る