第六話 止まらないラブソング

美海side

 よく寝たぁ…。ってあれ?

慣れない天井…ってことは、ここは家じゃないってことか―――。

そう自覚して、ガバッと起き上がると、そこはベッドの上で、周りはカーテンで囲ってあった。

あぁ、そういうことか。私、そう言えば体育の授業中に倒れて―――。も、もしかしてこれって…。わ、私、誰にここに連れてこられ──

ベッドの隣に人影が見えて、はっと息を呑んだ。

芹沢君だ…。っていうか、寝てる…。

で、でも、せ、芹沢君が⁉ま、まさかね…。

でも、彼の顔を見てるうちにやっぱり恥ずかしくなって布団に顔をうずめた。

その時、私の手に何かが触れた。

でも、今更布団から顔を上げるなんてしたら、確実に起きてることがばれる。

私はじっと待った。

「美海…」

ん?今、呼ばれた?

恐る恐る布団から顔を出した。でも、彼は目を瞑ったまま。

何だ、寝てるのか。ってことは、今のは寝言?

芹沢君を起こさないようにしながら静かに起き上がる。

「美海…」

彼に名前を呼ばれるだけで、胸のドキドキが収まらない。

その時、芹沢君が体制を崩してガクッと前に倒れた。慌てて手を伸ばし、彼を受け止める。腕の中で静かに寝息をたてる彼は、いつもに増して―――カッコイイ…

って、私何考えて―――


でも、今はっきりした。

「芹沢君…。やっぱり私、芹沢君が好き」

嘘告されても、やっぱり私の気持ちは変わらない。

芹沢君のこと、今でも好きだと思っている。


例え、君の心が私になくても。

それでも、君が好き―――。

そして、優しく彼を抱きしめた。

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