【雑記】8時43分

「いつかは慣れる」

 案内人がそう言う中、真横を見遣る。長い厨房、その中途に薄く光を差した別室。そこに小太りの男が一人。大きな刃物を携え、吊り下げられた物に突き立てる。

 物──明らかに人間の何かが、狭い解体作業の横で吊られている。

 今は良いと、女は咎めて自分の手を引いた。

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