第08話 初めてのおどり喰い


 やっと今、自分が居る世界のことをある程度わかってきたベルリバー改め

「ヴェールリバー・スゥズカゥワー」…そう名乗ることにした彼の前に今後

立ちはだかるものは、運命か?

 それとも大自然か、抗えぬほどの圧倒的な暴虐か…


 それは、これからの彼の行動次第である。


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 今日も目覚めは快適だ!


 以前までいた世界のように、使い捨てのごとく、使いつぶされるまで仕事に従事させられ、朝は4時起きで支度して、仕事に行くなんて当たり前だったことを考えれば、なんのしがらみもなく、気が済むまで寝ていられるというのは、なんて幸せな事だろうか?


 


 そうやって、ひとしきり毎朝の至福を感じていると、ぐぅぅ~~…とお腹が鳴る、この世界に来て、もぉ3日目か、さすがに何か食べないとな…


 こんな森に豚や牛なんて居ないだろうし、小動物?それとも魔獣じみたモンスター?


 


 まぁ、スキルを使えば、モンスターだろうが魔獣だろうが、食べられることは食べられるだろうが…スキルで【捕食】したものって、お腹が膨れるんだろうか?


 


 


                  ★


 


 


 ひとまず、食事前に装備を整えることにして、ついこの前、この廃墟で拾った伐採用の斧をアイテムボックスから取り出し、錆び着いたノコギリ、そして建物の外で所々、落ちているというより打ち捨てられている状態の木材、ツルハシの頭の鉄部分…それから掘り起こす作業用だろうか、少し大きめのスコップも転がっていたのでそれも持ってきて、一か所に集める。


 そしてそこから少し離れた場所にも、廃墟の中にあった朽ちたロープと木材を持ってきて、別の扱いとして離すようにまとめておいた。


 


 朽ちたロープに<修復リペア>の魔法をかけ、見た目は新品同様のロープに直す。

 木材や、斧、ノコギリにも<修復リペア>をかけて新しい見た目に直したあと、<道具作成クリエイトアイテム>を発動させ、木材と鉄類を材料にして、ぶ厚めにしておいた木の盾を作成、さらにその上に鉄で盾の全体をコーティング。


 


 …まぁ、無いよりはいいだろう。(好みで、バックラーのように腕にピッタリ装着できるタイプにしてみたので、これなら腕がふさがらないし、使いやすそうだ)


※ イメージ的には某「聖闘士」モノに出てくる青銅ランクの最強の盾とデザインが似てると思って下さい。

  ちょうど、腕にくくりつけて装備するタイプで手が自由になるようなタイプ。 


 


 残った木材とロープは、同じく<道具作成クリエイトアイテム>で、簡素な弓、そして、先端をとがらせただけの、木の矢を千本くらい作成した。

(矢じりは鉄の材料が不足しているため断念)


 そして追加で、矢を入れるための矢筒、それは他に余るほどある木材を使用して作り出し、矢筒も大量に作って、そこに千本くらい作り出した矢を収納させた。


 


 それをアイテムボックスにしこたましまい込む、まぁ、一応メインの武器(好んで使いたくないという理由もある)はあるが、目立つ為…同格の敵が現れない限り使わない方がいいという結論を出して、歩き出す。


(弓を専用で使う職業レベルは持ってないが、戦士のレベルは獲得してるんだし、戦うのに困らない程度には使えるだろう)


 


 あ…そうだ、せっかくアイテムボックスの使い方がわかるようになったんだし、何があるか見ながら、装備した方がいいものを見繕っておこう、なにか服とかあるかもしれないし。


 


 手をつっこみ、しばらく感覚で浮かんできたスクリーンを眺め、見ていると、めぼしいものから取り出し、地面に置いていく。


「探知阻害の指輪(魔力系限定)」「恐怖公レッグガード・眷属風オブ・ 脚防具コックローチ」「武人の胸当て」「魔法執行リング・オブ ・指輪マジックキャスター」「祝福ブレスドのクローク」「ハーキュリーズ(ヘラクレスの)ガントレット」「疲労知らずの天冠/サークレット・オブ・サステイン」「アンダークロース」そして「嫉妬する者達のマスク(アニバーサリーエディション)」……こんなもんか? 意外に残ってるものだなぁ~…とはいえ、これらって、いいものでも遺産級レガシー止まりで、ユグドラシルじゃあんまり欲しがる人もいない基準だったからな…。


 


 遺産級レガシーですらないのは、アンダークロースに、嫉妬マスクか…


 


                ☆☆☆


 


 ユグドラシル時代、新規でプレイヤー登録すると、アバターが自動的に初期に着ていた服で「旅人の服」というのがあった…これは防御力もほとんどなく、強いて言えば防寒用として、冷気に対する耐性がちょっぴり上がる程度で「下級装備」にも劣る微妙系防具であったが、初期プレイヤーからすると20LⅤ近くになるくらいまで重宝されていた理由は、基本的にユグドラシルではヨロイの重ね着はできない仕様になっているのだが、ヨロイの下に装備できる「アンダーアーマー」に分類される装備も数は少ないが用意されていたのだ。必然的にアンダーアーマーの数値も、メインの防具の防御力の数値に加算される特典がある。


 それの最底辺に位置するのが「旅人の服」なのである。


 


 そういう事情により、基本的に1プレイヤーに一着はこの「旅人の服」は持っていることになるのだが、これの厄介なところは、売ることができず、捨てることもできないという点である。


 そんな装備をプレゼントされて嬉しいプレイヤーなど、ごく一部すら見当たらず、持て余していた人も多かったと思うのだが、作成系のガチビルドで構成されていた「あまのまひとつ」さんと有効活用できないか?と頭をひねっていたところ、「旅人の服」を2着(あまのまひとつさんが持っている分を合成するとき提供してくれた)に、クロースアーマー(これも下に重ね着できる下級装備)を合成して防具を作成してみた所、通常の作成結果よりクオリティが一段UPした「アンダークロース」ができたのだ。


(とは言え、これでも中級装備の下の方だったんだけど…)


 


 あと、武器らしい武器っていうと、モンスターからドロップされて問答無用でゲットするしかなかったゴミ装備ばっかなんだよな…だいたい素材として、合成させちゃうことが多かったけど、まだまだ素材のまま、残されてる物も多いなぁ~…まぁ、ミスリルや、オリハルコン、アダマンタイトなんて、柔らかい材質だったからなぁ~…使い物になるかわからないけど…一応、オリハルコンあたりで間に合わせるかなぁ~…


 


「木の弓に木の矢で、木の盾を鉄でコーティングしてるだけのシールドなんだから、釣り合いとしてはそのくらいがきっと妥当なんだろうし…」


(実はこの世界ではオリハルコンの剣など、かなり上等な部類だとはまだ知らないヴェールリバーであった…)


 


 嫉妬する者達のマスク(アニバーサリーエディション)は嫉妬マスクの中でもレアな方に分類されるもので、クリスマスイブの19時~22時までの間、ログインしたままだった場合、運営から問答無用で贈られる(受け取りたくなくてもどうにもならなかったともいう)。これを持つ者はイブに一人きりだったという不名誉な事実を形として見せつけられるという意味でもかなり不評を買っていた、ある意味「呪われた」アイテムである。


 


 そもそも受け取ったら、売ることも捨てることも、誰かに渡す(押し付ける)ことも、壊すことも合成で材料にすることもできない。出来る有効活用法と言えば、イブにユグドラシルにインできなかったリア充さまに「えぇ~?キミ、これ持ってないのぉ~?」と持っている仲間を動員して、嫉妬マスクを装備してる状態で周囲を囲んでからかう。そんな使い道しかなかったアイテムが、この「嫉妬マスク」そういう背景もあってかなり不人気だったのだが、その中でも5周年記念、そして末広がりの意味で8周年記念、さらには10周年記念の嫉妬マスクもあったようなのだ。


 自分が持っているのは5周年と8周年だが、きっとモモンガさんなら10周年の方も持っているんじゃないかって気がする…多分、その予想は外れてないだろうな。


 


 5周年と8周年は、イブにぼっちだった際、つまり一年に一枚しか手に入らないマスクを5年連続、8年連続で欠かさず所持している場合のみ、追加で手に入ったもの。


 しかし10周年は毛色が全く違い、今まで手に入れた嫉妬マスク10枚と引き換えに手に入れるという…はっきり言って「誰得??」とどっちにしても悩むほどの運営の悪ノリっぷりだったのだ…


 


 基本的なデザインは嫉妬マスクと変わらないのだが、マスクのふち周辺に金の装飾がこれでもかと施され、額部分には5周年という意味で「Ⅴ」8周年には「8」と印字され、その左右には天使の翼のようなデザインもついている。


 …10年は続けられずに辞めてしまったから、10周年の嫉妬マスクがどんなものかは知らないが、ユグドラシルの攻略wikiでは、その時期、かなり話題になっていたらしいというウワサは覚えているが、画像データではアップされてなかったらしく、自分もどんなものかは知らない…まぁいまさら知ったところで、何の得もないんだけど…


 


 ちなみにこの嫉妬マスクは「アクセサリ」に分類されているので「防具」であるヘルムや、フルフェイス式のヘルムの上からでもかぶることができる。


 


 …それもなんの得になるのか知らないけど…、防御力もないし、耐性もつかない、ヘイトを集める効果があるわけでも、特定のモンスターやNPCに対して好感度が上がるわけでもバフやデバフがかかるわけでもない。


 


 はっきり言って、コレクター収集癖のあるモモンガさん辺りじゃないと好き好んで集めたりしないんじゃないだろうか?


 


 なんだかんだ言っても、8周年の嫉妬マスクがある時点で、自分もノーマル8枚、アニバーサリーの方が2枚の、計10枚もってることになるんだけどね、そんなにあっても何に使うのやらだよ…


 


 とか、なんだかんだブチブチ言いつつ、着々と準備した装備群をそれぞれに装着していった。


 


 


                 ☆☆☆


 


 


 一通り、装備して…実は、アイテムボックスにもう1つ気になる装備もあったのだが、ユグドラシルではかなり限定的な使い方しか出来なかったため、あまり使わなかったもの…


 マップ内の気候や、強風地帯、もしくは敵からの風系の魔法を受けたりした時にしか、自分にバフがかからないという分、強風地帯だった場合、限界まで重複バフがかかるという…分類的には「神器ゴッズ級」扱いのレアリティなので、限界までバフがかかった時の恩恵はすさまじいものがあったのだが…そんな、時にはありがたかったアイテムも残ってはいたが…、あれはあれで、装着するのに勇気がいるから、今はやめておこう…それもたっちさんの願望の現れ…その名も「風車のベルト」ベルトのど真ん中に「V」、そしてその「V」の上部に「3」とある。


 


 あまりヒーローに明るくなかった自分にはそれが何なのかはわからないが、かなり熱心に「これはイイものだから!」と押し切られるようにギルドを去るときに「餞別」として…なのだが、結局受けとった物。


 実は『またいつでも戻ってきてくれ』って意味だっただろうことは、ずっと心に引っかかっていた。


 結局、最終日までログインすることはできなかったけど…、みんなとの絆である「ギルドの指輪」は今でも「トラップ機構付き宝物箱」で保管している。


 


 きっともう使うことはないだろうけど…。


 


 一通り装備してみたら、嫉妬マスクが自分の口だらけの顔全体を覆うほどに広がって、頭頂部より後ろしか見えなくなってしまっている…そして、後頭部の方は、クロークのフード部分で、隠れるため、気にして見なければ気にならないだろう。「すごいな…さすが8周年記念。」と感動を覚えつつ、歩を進めていると、近くに水の流れる音がしてきた、これは川?…というより「沢」と言った方がいいのだろうか?


 どっちがどう違うのか、きっとブループラネットさんならわかって教えてくれるんだろうけど…自分じゃどっちかまではわからないな…でも魚とかは食べられそうだ、イワナ?とかって…魚が昔、自然豊かだったころ、リアルの世界では居たらしいが、こっちではどんな魚がいるんだろう?


 



                ☆☆☆



 


 流れる水に近寄って見ると、信じられないほど透明だ…水の底まで見え、泳いでいる生き物まで見える。この水って、飲めるのかな?…と興味を抱き、手ですくい、飲んでみる…うまい!


[無限の水差し]と同じくらい美味いんじゃないか? イヤ…あれよりちょっと甘みがあるっぽいかも?とか考えながら、さっき作った弓で試し撃ち…とばかりに泳いでいる魚を狙う…さすがに一発ではムリだったが何度目かのチャレンジでやっと1尾ゲットできた。


 すぐに矢を抜いてやり、生きてるうちに新鮮な魚を丸呑み…おぉ~…意外とノド越しが…と思っていると頭の奥でピコン!という音が鳴ったような気がした。


 「なんだ?」と思って意識を自分の内側に向けると「スキル【捕食】」という単語が浮かび、次に「Y」「N」という映像がふくらんだり、縮んだりしているイメージが続いている。


 


 「ここでか?」ここでバフなんてかかったって意味ないだろうに…それとも、ひょっとしてこのスキルもこっちに来て変化してるのか?と新たな疑問が浮かんでしまった。



 


                 ★


 


 


 【大喰らい】である彼の初期スキルでもある【捕食】、その効果は単純だ。


 ユグドラシルにおいては、【捕食】のスキルは敵を仕留めた際にスキルを使うかどうかを求められる。


 そこでYESを選択すると、小のバフがかかる、自分よりレベルの上の敵だったら中のバフがかかり、5LVより上の敵を自分の手で倒すと、バフの大がかかるような仕様だった。


 しかし、これは戦闘中で効果が切れるため、仮に敵が2体出てきて、一体を自分が倒しバフがかかっても、仲間がもう一体をそのターンの内に倒してしまったら、自分の次のターンが来るまでに戦闘が終わるので、結局はバフの意味がなくなってしまうということもしばしばあった。


 


 


 それなのに、戦闘中でもないのに【捕食】?


 どんな効果に変わったんだ?


 


 


 そう思っていると、今度は「消化 or 捕獲?」のイメージが浮かぶ…「なんだそれ?」と思いつつも、まぁせっかくの踊り食いなんだ、すぐに消化してしまうのはもったいないよな。


 とか思って「もちろん捕獲」と念じると、頭にまるで電子音を無理やり音声に変換させたような声が響く…『捕獲対象の一部を読み込みます。反映させる身体的特徴を1つ選択してください。 この効果は捕獲している間であれば何度でも選び直せます』と言ってきた。


 


 ん~~~? 何が起こってるのか全然わからないぞ?


 


(今、丸呑みしたのは魚だよな?うん、間違いない、それで?捕獲ってことはまだ食べられてはいるが消化はされずに体内に留まっているということだろうか?)


  


 …まぁそれは追々、検証するとして、今は何を選ぶかだな? …魚だし、尾びれだと歩けなくなるしな…背びれ?意味ないし…、消去法的に「選べ」っていうことなら、頭くらいしか思い浮かべられないな。


 


 なんて思った瞬間、頭に異変が起こる、目の前がザァ~と、モザイクというか砂嵐というか、そんな視界になった直後、視界が切り替わる。


 今まで見ていたのが、ソナー+熱源探知的な視界だったとしたら、今はそのままの景色が見える。


 


 なにか変わったのか?と思い、頭に手をやると、つるりとした感触、体中にあった口が今は顔中のあらゆる部分だけには全くなくなっている、前方に突き出してる口が一つだけだ。


 今、どんな顔になってるんだ?と興味を覚え、水面に顔を寄せ、自分の顔を確認する。


 


「…………魚の頭だ……」ある程度は覚悟していたが、やっぱり魚の頭になってしまった。 …これか?これが【捕食】の効果になっちゃったのか? バフですらなくなってしまったのか…


 


 


 なんか、以前タブラさんが言っていた、インス?まぁす?じん??だとかなんだとかの外見みたいだよなぁ~…たしか、深淵の?だったか?神が降臨される前の支配者? 異貌の魔神?とか言ってたっけ?


 タブラさん、そういう神話関係の話になると止まんないから、聞き流してたんだよなぁ~…


 


 …それにしても、不思議と【捕食】中は、空腹にはならないようだな…それはいい変化だ。


 そうだ、捕獲してる対象を吐き出したら、どうなるんだろ?


 


 頭の中で「スキル【捕食】キャンセル」と告げると、ブレストプレートのお腹部分にある口から「ぼぅえぇ!」という何とも言えない発声と共にボテっと地面に落ちたのは、先ほどの魚だ…、元気にビチビチ跳ねている。


 


 どうやら本当に捕獲してるだけだったようで、食べる前と何の変化もない、強いて気になる点を言うなら、矢で空いた穴も一緒にそのままだという点だけだろうか…


 


 吐き出した後、自分にはどんな変化が起きたのかと思い、水面を覗いてみると、さっきまでの体中口だらけの見慣れた顔だ。(ゲーム中、アバターでさんざん見たからな…)


 


 それにしても、吐き出したとは言え、矢の穴がそのままならどのみち、このまま苦しませているままっていうのも悪い気がするよな~、せめておいしく食べてあげよう、そう思い、今度は丸呑みではなく、口から出ている牙で、グジャ、グジュゥ…と文字通り「食べて」いく。


 再び頭の中にイメージが浮かんできたので手早く頭の中で「そのままスキル【捕食】起動」と念じると、これまた頭の中にアナウンスが!


 


 


「消化することにより対象の全項目を好きに選ぶことができます、経験、スキル、タレント、身体的特徴…これらの全て、または一部を任意で、何度でも選択し、自由に組み合わせ読み込み直せます。」


 


 


 


……………………えぇぇ~~~?っと?(理解が追い付いてない)


 


 


 


「え? えぇぇぇ~~?!!(何とかわかって来たらしい) そうなん? そんな効果になったの? それなら嫉妬マスクかぶることもなかったじゃんかよ~…」


 


余計な手間だったと嫉妬マスクを外し、「泳ぎ?」と選び直す。


 


 


「泳ぎの経験を獲得しました、おめでとうございます。」の頭の中でのアナウンス。


「対象の消化が完了したことにより、バックアップに、今回消化させたデータの全てを記録します。 このバックアップは1体分の容量が全て記録されます、次のデータがバックアップに保存される際は、古い方は消滅してしまいますので、どうぞ、有効にお使いください。」…と言うと静かになる。


 


 


                ☆☆☆


 


 


そっか、そうなのか…、こっちの世界では色々変質してるんだなぁ~…


「仕方ない、顔の方は後でムーンウルフでも呼び出して、【捕食】で生きたまま体内で保管しとこう、そうすれば獣人くらいには見えるだろう。」


 


それはそうと…【捕食】でバフがかからなくなっちゃったのは痛いよなぁ~…やっぱり、あとで「風車のベルト」を装備することでも考慮に入れて置こうか…


 


ぼんやりと透き通る青空を見上げながら、ポツリと呟いた。


 


「装備した状態で、<飛行フライ>で飛び回れば、バフってかかるかなぁ~~?」


 

 なんて思いながら…そういえば、さっきのアナウンス、聞き覚えがあると思っていたら…そうだ、ユグドラシルのプレイの冒頭、冒険の案内役としてチュートリアルのシーンだけで現れていた「案内役の妖精、アナーニィ」の声にそっくりだった感じがしたんだった。


 あの妖精って、結局その場面でしか出番がなかったから思い出すのに時間がかかったよ…でもなぜ、あの妖精の声だったんだろう…?


 まぁ、これからも何か変化があったら、またあの声でアナウンスが発生するかもしれないな…などと思いつつ、ただただ、どこまでも広がる青い空を見上げるのだった。

 


 

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アイテムというか、ヴェールリバーの現状での装備性能

・木製の弓矢(レアリティ無) ただの木の弓と矢(鉄の矢じり、先端の返しナシ)


・木製の小盾(レアリティ無) 鉄でコーティングしたぶ厚めの木の盾

(※イメージは本文参照)


・オリハルコンの剣(ノーマル) ユグドラシル産のオリハルコン製の剣 


・アンダークロース(中級装備) 合成防具 守備+8% 殴打耐性+5% 冷気耐性+8%


・武人の胸当て.   (レガシー) 斬撃、刺突、殴打に対しての守備UP PVP時に防御性能、さらに各種の耐性+50% up LV依存の無効化耐性に限り✚5 up


祝福ブレスドのクローク(レガシー) 守備性能は高くないが〈 魔法詠唱者ブレス・オブ・祝福マジックキャスター〉を付与したアウター用防具。


・嫉妬する者達のマスク(アニバーサリーエディション) 特に注記ナシ


・疲労知らずの天冠/サークレット・オブ・サステイン(レガシー )

 疲労.睡眠.食事の心配ないが、食べることも、睡眠も可能

(できなくなる訳では無い)


・探知阻害の指輪(魔力用)(レガシー) 魔力系の看破のみを阻害する指輪


魔法執行リング・オブ・指輪マジックキャスタ— (レガシー) 武器防具を装備してもあらゆる魔法発動の邪魔にならない


・ハーキュリーズ(「ヘラクレスの」という意味)ガントレット(レガシー)自分の腕力では持てない重量の武器をも扱える小手


恐怖公レッグアーマー 眷属風・オブ・ 脚防具コックローチ(レガシー)走る速度(フライ含む)+50%

後退(バックステップなども含む)や横に緊急回避などの速度は本来のステータスの数値基準で-50%

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