第3話 着任! さっそちゃん!

 「ネズミかな?」

 台所の方からゴトゴトと音が聞こえて来たので章太郎が自室を出て見に行く。

 一人暮らしの身だ、自分以外に人間はいないはずだった。

 「ぢゅぢゅ~ん!」

 「ぎゃ~~~~っ、巨大ネズミ~っ!!」

 壱mほどの巨大なネズミが、冷蔵庫を開けようと体当たりをしているのを目撃した

章太郎はパニクッった!

 巨大ネズミは章太郎を見ると、口を開いて襲い掛かった!

 「「ショックゴムバズーカ、発射っ!」」

 あわやという時、少女達の叫び声と共にゴム弾が巨大ネズミを叩きのめした!

 「ネ、ネズミが倒れた? だ、誰?」

 章太郎はまだ混乱から立ち直れていなかった。

 「大変! 司令官が混乱状態に、ヤワラは社長を呼んで来て!」

 「司令官はしばしお眠りくださいませ!」

 フローラが当身で章太郎を気絶させる。

 アンの指示にヤワラが頷き玄関へと向かい開錠する。

 「お邪魔します!」

 ダッシュで章太郎へと駆け付けたまりあが、その豊満な胸で章太郎の頭を包み込む。

 「ボクシーは戸締り、アンとヤワラは家の片づけ、サクラとフローラはネズミ獣の死骸処理を反物質兵器で! 私は章太郎君を介抱します♪」

 マリアが指示を出し、さっそちゃん達が動き出す。

 「社長、欲望丸出しです」

 ヤワラは章太郎を、居間のソファへ寝かせて寝顔を見て喜ぶまりあを呆れて見ていた。

 気絶から回復した章太郎が目にしたのは、五体の美少女型ロボットとその製作者だった。

 「え~っと、これは一体どういう事でしょう? あの巨大なネズミは?」

 「初めまして、章太郎君♪ ネコイラズコーポレーション社長、猫田まりあ十七歳です♪」

 「「私達、さっそちゃんが退治しました♪」」

 まりあの自己紹介に続いてさっそちゃん達が声を上げる。

 「フィギュアがしゃべった? ネズミの事とか詳しく聞かせてもらえませんか?」

 章太郎は現状を受け入れて、まりあ達から話を聞くことにした。

 「単刀直入に言います、地球は狙われています」

 「ざっくりですね、宇宙人とかでしょうか?」

 「ええ、私も宇宙人ですにゃん♪」

 まりあが猫耳を生やしたのを見て章太郎は噴いた。

 「ね、猫耳? ちょっと驚きました」

 「驚かせてごめんなさい、私はバースト星人と言う宇宙人です」

 「で、何で地球に? 宇宙のおまわりさん的な方ですか?」

 「そうですにゃんって、語尾があざといとか思わないで欲しいですにゃん?」

 「思わないですから続きを」

 「ええ、バースト星人は宇宙のおまわりさん的な活動をしてましてこの星に逃げてきたネズミ型宇宙人のマウス星人を狩りに来たんですにゃん」

 「もしかして、あの巨大なネズミもマウス星人っていうのと関係が?」

 「イエスですにゃん、奴はこの星のネズミを改造して手下にして地球を乗っ取るつもりですにゃん!」

 「なんでこの街に? そしてどうして僕の家を狙ったんだろうクルミの木しかない古い家なのに?」

 取り敢えずこの人達は味方で、ネズミは敵と言うのは受け入れる事にした章太郎。

 「クルミの木ですにゃん? ふ~む、まあマウス星人もネズミ達も狩れば解決ですにゃん♪」

 まりあが微笑む、脳筋思考な女性だと章太郎は思った。

 

 「で、ネズミ達を退治するために開発したのがこのさっそちゃん達ですにゃん♪」

 まりあがさっそちゃん達五体を紹介する。

 「ああ、モニターに応募したロボットですね可愛いな♪」

 章太郎が褒めるとさっそちゃん達が照れる。

 「可愛いだけじゃないですにゃん、この子達は強いロボですにゃん♪」

 ドヤ顔で自慢するまりあ。

 「あの、そろそろ語尾を普通に戻してもらえますか?」

 章太郎が彼女の語尾にツッコむ。

 「わかりました、この子達は普通のネズミだけでなく先ほどのマウス星人が改造した巨大ネズミも倒せます」

 語尾を戻したまりあ。

 「どうやって倒したんです? 死体もなくなってますし」

 章太郎が質問する。

 「は~い♪ それは私達の装備の反物質兵器で倒しました~♪」

 アンが笑顔で答える、その言葉に章太郎が噴いた。

 「ぶっ! ちょ、そんなヤバい兵器持ってるんですかこの子達?」

 章太郎は焦る、反物質兵器は光子魚雷などと言う名でSFでは必殺の武器だ。

 「頑張って、小型化しました♪」

 豊満な胸を張るまりあ、そこから目をそらす章太郎。

 「どこに突っ込めば良いのかわからなくなりました」

 章太郎の思考は倒れた。

 「纏めると、モニターに応募してくれたあなたには普通のネズミ駆除だけでなくマウス星人の打倒もいたしますので彼女達の司令官として運用をよろしくお願いします」

 マリアが強引にまとめた。

 「「よろしくお願いしま~す♪」」

 さっそちゃん達五人も頭を下げた。

 「平凡な高校生の概念をぶち壊した方達には、勝てないのでお引き受けします」

 章太郎は流れに身を任せた。

 「ありがとうございます、ネコイラズコーポレーションとお宅を異次元ゲートで繋げておきましたのでバックアップはお任せ下さい♪」

 さらりと自分がこの家に出入りする宣言をしたまりあ。


 こうして、章太郎は小さなロボット達と宇宙人と交流する事になった。

 

 

 



 

 

 

 

 

 

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