第16話



16、小さな恋



一旦、小倉支社に戻り、そこには新人王争いをした中一夫が来ていた。

彼は全国の地方回りを名古屋支店長と一緒に回ってる途中に、ここ小倉支社に寄った。

名古屋支店長は「今日は2人一緒に回ったら?」

と言い、仕方なく一緒に回った。

まず、自分のスタイルで子供のいそうな家でアプローチを行ない、いつもの調子で喋った。

中君は、俺の営業トークを鼻で笑った…。


続いて、中君。

カバンの中には日本の芸術と百科辞典のみ…高額商品のみしか考えてない。

買ってくれそうな家だけを探しアプローチ。

同じ歳とは思えない。

巧みな喋り。少々強引だが、買う気にさせる話術。

何処で、こんな経験を?

後で田所所長から聞いた。

中君は負けて以来、死にものぐるいで名古屋支店長に日本の地方周りの営業を頼んだと…

そして、中君は地方回りに立ち去った…


ちなみに伊達さんと入江君 1カ月、目標を達成出来ず、強制送還。でも体重は明らかに肥えていて顔色も2人共良かった。

そして、皆んながそろい四国の活動が始まった。

土地土地で文化風習が違い、四国はまた、人柄も変わって、おおらかで玄関を開けている。

すぐ話しを聞いてくれるが、そこから仕事の話しに進めない。

世間話が大好きな土地柄なんだろう。

ご近所さん的な感じで、のんびり営業を開始していた。

そんなある日、大学近くのアパートを訪れたら、そこには女子大生が出てきた。

結構、ありそうでない、パターンだ。

大抵の女子大生は警戒して出て来ないと思う。

しかし女子大生と、いつの間にか若者同士の会話になって話しが弾んだ。楽しかった。

同年代であって自分の好みのタイプ。

何だかんだで2時間位話したかな?

相手はどう思っているか分からないが、楽しい時間だった。

しかし、今は仕事中、 後日デートに誘う勇気も無いし、仕事中…

清純な自分がいた。


未練を残し別れを惜しみ後にした。

サヨナラ切ない俺、サヨナラ短い恋の青春!

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